1,800円以上の注文で送料無料

むこう岸 の商品レビュー

4.6

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/10

むこう岸と言うタイトルと中身を読んで、「橋のない川」を思い出してしまった。あちらは部落差別のお話だが、あちら岸こちら岸は、深くて大きな川に阻まれていて、渡れる橋もない状態が、主人公たちの苦しすぎる生活を物語ってる気がする。 普通なら混じることもなさそうな、私立中学校からの転校生和...

むこう岸と言うタイトルと中身を読んで、「橋のない川」を思い出してしまった。あちらは部落差別のお話だが、あちら岸こちら岸は、深くて大きな川に阻まれていて、渡れる橋もない状態が、主人公たちの苦しすぎる生活を物語ってる気がする。 普通なら混じることもなさそうな、私立中学校からの転校生和真と、生活保護世帯で育つ樹希が、むこう岸とこちら岸の川を越えようとする、胸の熱くなるお話。もがいて、手足をばたつかせ、なんとか岸に辿り着こうとする、切ないお話。 生活保護法 第一章第二条 全ての国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる。 主人公の一人、和真が、美しいと感じた法律の条項だ。 「制度というものは、知らなければ確実に損をするってことだね」これも和真の言葉だ。

Posted byブクログ

2024/09/05

生きる力をもらえる本だと思う。 私も行政の仕事をしていたので、制度を利用するのは難しいし、知らないと損するというのは本当にそうだとわかる。 助けが必要な人にどう届けるか、どうやったら適切に助けを求めることができるのか、いろいろと考えさせられるのに、読みやすく続きが気になるとても...

生きる力をもらえる本だと思う。 私も行政の仕事をしていたので、制度を利用するのは難しいし、知らないと損するというのは本当にそうだとわかる。 助けが必要な人にどう届けるか、どうやったら適切に助けを求めることができるのか、いろいろと考えさせられるのに、読みやすく続きが気になるとてもよい本だと思う。

Posted byブクログ

2024/08/21

2024/08/21 むこうぎしが何をさすのか。 読んでみて、想像したこともない人たちの立場の人が実際にいる、ってこと。 中学受験して私立に行った人には学習がわからず、教えてもらえもしない、学びたいのに学べない人のきもちはわからない。その逆も。 しかし、話すことで関わることでその...

2024/08/21 むこうぎしが何をさすのか。 読んでみて、想像したこともない人たちの立場の人が実際にいる、ってこと。 中学受験して私立に行った人には学習がわからず、教えてもらえもしない、学びたいのに学べない人のきもちはわからない。その逆も。 しかし、話すことで関わることでその人の立場も知るようになる。知ることで考えるようになる。知りもしない世界ではなくなる。 知ることの大切さを感じたように思う。

Posted byブクログ

2024/05/20

今生活保護世帯にいる子供たちに読んでほしい。 その子たちが、早くまともな大人に触れられますようにと願う。 図書館で本がタダで借りられるということすら、知らなければ子供たちには届かない。 樹希の目標「今日のご飯を、国からお金をもらわなくても食べられる人になること」 自分の場合は「...

今生活保護世帯にいる子供たちに読んでほしい。 その子たちが、早くまともな大人に触れられますようにと願う。 図書館で本がタダで借りられるということすら、知らなければ子供たちには届かない。 樹希の目標「今日のご飯を、国からお金をもらわなくても食べられる人になること」 自分の場合は「自分のお金で1日3食食べること」が目標だった。樹希ほどにはタフではなかったけれど、今はどうにかなってる。 どうかこの物語のように希望の持てる子供が増えますように。

Posted byブクログ

2024/05/15

初めて安田作品に触れた きっかけはNHKのドラマ 誰にでもむこう岸はあるような気がする ドラマも素晴らしかったが、小説も素晴らしかった

Posted byブクログ

2024/05/14

生活保護制度に対する現状や課題を問題提起してくれた本 二人の中学生男女(山之内和真と佐野端希)が軸となって、親からの学歴に対する過度な期待とプレッシャー、ヤングケアラー問題、家庭内暴力、外国人に対する日本人の偏見、社会的弱者への周囲の対応等とても考えさせられる内容でした。 感情移...

生活保護制度に対する現状や課題を問題提起してくれた本 二人の中学生男女(山之内和真と佐野端希)が軸となって、親からの学歴に対する過度な期待とプレッシャー、ヤングケアラー問題、家庭内暴力、外国人に対する日本人の偏見、社会的弱者への周囲の対応等とても考えさせられる内容でした。 感情移入したわけではありませんが、読んでいて自然と涙が出ました。 文中にもありましたが、様々な制度というものは非常に分かりにくく、それを必要としている人達が理解困難なものが多い。しかし損をしたくなかったら、ちゃんと理解して利用しないといけないという話は妙に腑に落ちました。 扱っている内容は少し重いものですが、非常に読みやすく一気読みさせられたのは、ひとえに筆者の表現力の高さがなせる技だと思います。 大満足の一冊でした。

Posted byブクログ

2024/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

経済的には裕福な家庭ではあるが勉強を親から強要され家庭不和寸前の和真と、父親が不慮の事故で亡くなり母親も精神的な病気のため生活保護を受けながら幼い妹を抱えヤングケアラーと言う状況に追い込まれ未来に希望を持てなくなっている樹希。中学3年生の2人の邂逅が織りなす希望の物語。国や市が制定したものを知っている人がどれだけいるのか、実際自分が本当にその状況にならないとそういう制定された物があると言うこと自体知らないことが多いのではないか。多分にそういう実態を突きつけられたような物語でした。

Posted byブクログ

2024/05/06

久々の一気読み。ドラマ化されたと聞き面白そうだなとおもって図書館ですぐに借りた。 うまくいかない事だらけのなかに幸せがポツポツとひかりだす。幸せって、生きてるってなんだ?

Posted byブクログ

2023/07/01

児童文学ではあるが、生活保護やヤングケアラー、人種差別、毒親問題などをうまくまとめている。読後感は爽やか。 中高生に薦めたい本。

Posted byブクログ

2023/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気に読んだ。ひりつくような現実に子供の頃からさらされて育った樹希には金持ちで私立中から転校してきた和真の甘ちゃんさが鼻につく。和真も、生活保護を受けている家庭の子という樹希に対して恐れや苦手意識があり、避けていた。しかし、お互いの事を少しづつ知るようになって、相手の事を理解しようとし始める。 生活保護というキーワードだけで中学生にはハードルが高い。大人だって知らない事だらけだ。 知ることで身を守ることが出来る。それが知れるだけでこの本のメッセージの半分は伝わっていると思う。生きるために必要な事をやるだけなんだよね。

Posted byブクログ