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「空気」の研究 の商品レビュー

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39件のお客様レビュー

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2024/10/09

「空気」が醸成される原理原則は、対象の臨在感的把握である。そして臨在感的把握の原則は、対象への一方的な感情移入による自己と対象との一体化であり、対象への分析を拒否する心的態度である。 兵庫県知事への「空気」が気になり本書を通読。人が自死している事実が、臨在感的把握で絶対視され、...

「空気」が醸成される原理原則は、対象の臨在感的把握である。そして臨在感的把握の原則は、対象への一方的な感情移入による自己と対象との一体化であり、対象への分析を拒否する心的態度である。 兵庫県知事への「空気」が気になり本書を通読。人が自死している事実が、臨在感的把握で絶対視され、自死させた知事が悪いという感情移入、対象との一体化が、冷静な疑問を呈するコメンテーターを一掃する「空気」をつくったとみると判り易い。森友問題で自殺者が出た時も同様の「空気」ができたが、なぜか鎮静化できたのは、冷や水を差す行為があったか、その「空気」を上回る別の「空気」が官邸とマスコミとにあったのか?ジャニーズ問題も同様で、民事でジャニーズが負けているにもかかわらず、マスコミと芸能界との「空気」があった?としか思えない。 筆者はこのような「空気」共同体のバックボーンは情状倫理、「すべては情状のもとに判断され、共同体内では父(共同体)は子のために隠し、子は父のために隠すことこそ直きこと」であると述べる。これは孔子儒教を日本流に解釈・アレンジして日本儒教に改変した思想であり、戦前戦後変わることはない。これに対抗する思想は「個人」の「自由」であるが、水を差す自由さえ叩かれるSNSとワイドショーの状況をみると、なかなか難しそうである。一部の人々は、どのような論理的説明を受けても態度を変えない。ある種の思想を黙示録的に伝達することで、その読者に一切の論理:論証を受け付け得ないような手法がすでに開発されているのでは?と訝しく思う。 会社や町内会などの共同体から自由になって、「空気」が薄い状況をすがすがしく感じるが、それでもなお日本国や世界の国々に透けて見える「空気」を感じるにつけ、未来はどうなってしまうのか?と憂える今日この頃である。

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2024/08/26

ちょっと難しかったです! 空気から水の研究に移行したところが圧巻だった。今まで空気を読む、水を差すをぼんやり使っていたなぁと痛感。論理的 私は子供の頃、水を差す側だったはずなのに、今では空気を読む側に回っている。そう、空気はバカにできない。だから、戦争もバカにできないと私は思う...

ちょっと難しかったです! 空気から水の研究に移行したところが圧巻だった。今まで空気を読む、水を差すをぼんやり使っていたなぁと痛感。論理的 私は子供の頃、水を差す側だったはずなのに、今では空気を読む側に回っている。そう、空気はバカにできない。だから、戦争もバカにできないと私は思うよ

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2024/04/04

「空気を排除するために水を差す」 「ただし空気を創出しているのも水=通常性」 「空気と水の相互的呪縛」 これが本当の読書だとしたら、趣味は読書と言うのをやめようかと思いました。名著と言われるだけあり骨太。ボリュームは多くないけど読了に時間を要しました 汗 空気を読むとか読めな...

「空気を排除するために水を差す」 「ただし空気を創出しているのも水=通常性」 「空気と水の相互的呪縛」 これが本当の読書だとしたら、趣味は読書と言うのをやめようかと思いました。名著と言われるだけあり骨太。ボリュームは多くないけど読了に時間を要しました 汗 空気を読むとか読めないとか言われて久しいですが、40年以上前にその空気について論じられてます。著者のバックグラウンドにある、日本社会、日本陸軍、そして聖書の知識領域をベースにしながら、ただその場の雰囲気としての空気ではなく日本人論として語られていきます。 さらに天皇制、宗教観、公害問題といった知識領域も織り交ぜられ、とにかくハイコンテキスト。目で文字を追うスピードに理解のスピードが追いつかないままなんとか読み切った感じです。 「自由とは空気に水を差す自由」 目に見えない何かを意識することを臨在感的把握と呼んだうえで、その空気に水を差す自由を確保しておかないと大変なことになると投げかけつつも、水を差す自由を確保しておけば大丈夫とも諭してくれます。 まずは、空気を読むことが大事だよねーという「空気」に、本当にそうなのか?と水を差すところからですね。

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2024/03/04

2024.03.02 失敗の本質を読み終えて長らく積読していた本書を手に取る。ちょうどロシアウクライナ戦争が始まった頃にXで紹介されていた。 読み終えて、視座がまた一段高くなったと思う。この本を全日本人が読んだら、多少世の中は良くなるんじゃないかな。一方で、本書の後半は難易度高...

2024.03.02 失敗の本質を読み終えて長らく積読していた本書を手に取る。ちょうどロシアウクライナ戦争が始まった頃にXで紹介されていた。 読み終えて、視座がまた一段高くなったと思う。この本を全日本人が読んだら、多少世の中は良くなるんじゃないかな。一方で、本書の後半は難易度高すぎて、おそらく理解できてない。長く生きるとは、前提知識の多さが違うから、思慮の深さも全然違うんだろうと思う。 ハラスメントや不倫など、最近の週刊誌やマスコミが作る空気への理解が進んだ。僕たちは次から次に醸成される空気に翻弄している。言葉や概念を絶対視することで、逆に自分の思考が固定されてしまう。勧善懲悪なんてないのに、ある側面だけを取り出して、善と悪を絶対視し2方向からがんじがらめになる。 日本は多神教であるからこそ、全てを同列に扱えるからこそ、対象を絶対視してしまう。西欧は一神教だから、神以外に絶対はなく、相対的に捉えることができる。 臨在感的把握という言葉を今知れてよかった。 思想のない全体主義のような気持ち悪さが日本にはある。 水の研究は半分程度しか理解できず。 父と子の隠し合い、状況倫理、、

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2024/01/21

なぜ負けるとわかっている戦争に参戦したのか。そこから日本特有の「空気」について考察される。よくいう同調圧力についてだろうと読み始めたが、なんだか論の進め方が当たり前でなさすぎて途中で読むのをやめた。 問題提起したことに価値があるとは言える。

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2023/10/07

臨在感的把握(あるものごとへの感情移入が強くなりすぎて感情移入だと考えられないほど絶対化してしまう状態)… ちょっとタイトルからイメージしていた内容と違い、一冊を通じて正直何を言っているのか、何を言いたいのかよくわからなかった。著者のバックグラウンドがそうだからなのかもしれないが...

臨在感的把握(あるものごとへの感情移入が強くなりすぎて感情移入だと考えられないほど絶対化してしまう状態)… ちょっとタイトルからイメージしていた内容と違い、一冊を通じて正直何を言っているのか、何を言いたいのかよくわからなかった。著者のバックグラウンドがそうだからなのかもしれないが、言葉遣いが難しく、結局背景知識を共有できている人にしか響かない気がした。

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2023/09/18

一言ですごく難しい。そりゃそうだ。だって、普段から『空気を読む』ってすごく難しいなーって感じることが多いのに、それについての著者による研究をまとめた本なんだから。 そして、S52年著ということもあり、例えも近代史的な内容が多く、一般教養も必要。 で、本著で語られていた『空気』と...

一言ですごく難しい。そりゃそうだ。だって、普段から『空気を読む』ってすごく難しいなーって感じることが多いのに、それについての著者による研究をまとめた本なんだから。 そして、S52年著ということもあり、例えも近代史的な内容が多く、一般教養も必要。 で、本著で語られていた『空気』とは、実態はないのに絶対の権威の如く、驚くべき力をふるい、科学的最終決定すらも覆す妖怪、あるいは超能力のこと。 その最たる例が戦艦大和の特攻や天皇制について。そして、その『空気』の醸成方法が分断化である。例えるなら一方を善とし、もう一方を悪とする等。その最たる例がマスメディアとなる。 ただ、その空気をリセットする役割を持つのが『水』であると。それはよく『水を差す』と表現されるように、一方的に偏った際の通常性作用として、日本語で用いられる表現方法であり、空気に対しての知恵である。 で、本当はもう一章本著では語られてるんだけど、難解すぎて理解できんかった。 そのうち頭がリセットされたらもう一度チャレンジしよう。 ・ ・ ・ ・ ・ 昭和期以前の人々には「その場の空気に左右される」ことを「恥」と考える一面があった。しかし、現代の日本では「空気」はある種の「絶対権威」のように驚くべく力をふるっている。あらゆる論理や主張を超えて、人々を拘束するこの怪物の正体を解明し、日本人に独特の伝統的発想、心的秩序、体制を探った名著。(解説:日下公人)

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2023/08/18

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1692417610435141692?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2023/07/25

本著は「空気を読む」とか「その場の空気」などと言われる「空気」とは何かについて論理的に検証した本です。 あらゆる理論や論理を超える「空気」の正体を解明していく本著ですが、私には難しく感じられました。 ぜひぜひ読んでみてください。

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2023/05/26

空気は回りの雰囲気を感じるだけですが、場にそぐわない一言で水を差すと一気に現実に戻って覚めていくものだと思いました。

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