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さよならの夜食カフェ の商品レビュー

4.5

327件のお客様レビュー

  1. 5つ

    186

  2. 4つ

    109

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2019/04/08

程度の差こそあれ、自分だって希実と同じように身内から甘やかされ守られて育ち、ときに仲間の痛みに鈍感で受け入れられず、彼らを傷つけて戸惑う。庸介よろしくどうにも煮え切らない他人に苛立ち、自らの過信が横柄な態度を招くのを自覚して悩む。更紗のごとく仕事を離れてプライベートな事象では、現...

程度の差こそあれ、自分だって希実と同じように身内から甘やかされ守られて育ち、ときに仲間の痛みに鈍感で受け入れられず、彼らを傷つけて戸惑う。庸介よろしくどうにも煮え切らない他人に苛立ち、自らの過信が横柄な態度を招くのを自覚して悩む。更紗のごとく仕事を離れてプライベートな事象では、現状に満足を見出そうとし、新たな一歩を踏み出すことへの躊躇が払えず苛立つ。そう、子供のころも大人になっても時々の悩みは常に訪れ、今をしのいでも心が晴れ渡ることはない。現実ではシャールさんとの出会いはないけれど、あの魔法の言葉と料理に違わぬ包容で支えてくれる人がいることに感謝したい。そして、ささやかでも自分が誰かを支えることができるならば何よりだ。

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2021/07/09

マカン・マランシリーズ完結編。 さすがに四作目ともなるとややマンネリ感もあるものの、過去に登場した人々のその後も分かったりしてシリーズを追っている人間としては楽しめた。 なんと言ってもシャールさんが少しずつ体調も良くなっているようなのが安心出来たし、個人的に好きな柳田教諭がシャー...

マカン・マランシリーズ完結編。 さすがに四作目ともなるとややマンネリ感もあるものの、過去に登場した人々のその後も分かったりしてシリーズを追っている人間としては楽しめた。 なんと言ってもシャールさんが少しずつ体調も良くなっているようなのが安心出来たし、個人的に好きな柳田教諭がシャールたちにギャアギャア言いながらも見守っている感じなのも安定していて良かった。そしてなんと意外な出世。こういう教師は一生平教諭でいるのかと思っていた。 今回登場した人々の中には新しい場所を探すのではなく、そのままの場所で出直すというパターンもあって、それはそれで大変なことだろうと思いながら読んでいた。逃げ出すことは悪いことではないが、その場所に留まって、これまでの自分を見つめ直してやり直すという生き方を決断した彼らも応援したい。 シャールさんはどこまでも広く深く受け止めてくれるが、決断するのは自分自身、そんな厳しく優しい突き放し方が素敵だった。 そしてこれからもひっそりと道に迷った人を受け入れる夜食カフェがあるということが嬉しい。

Posted byブクログ

2019/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回も本当にシャールさんが作る料理のように心に染み入る作品でした。 1つ目の話で出てきた登場人物に「あれ?どっかで出てきたっけ?」と感じ始め、読み進めるうちに、みんな今までさりげなく出てきていた人たちやその繋がりの一人なんだと気づく。こんな人たちまで救えちゃうのね。シャールさん。 タイトルに終わりを感じ、残りのページが、少なくなっていくにつれて、話の展開とは別に怖いな…と思っていました。 想像していた悪いものではなかったけれど、あとがきであーやっぱり最終巻なんだ…と寂しくなりました。マカンマランじゃなくてよいので、この中の登場人物の話を書いてほしいです。 とりあえず今のところは、ステキな4冊をありがとうございました。

Posted byブクログ

2019/03/20

とうとう終わってしまった。大好きなマカンマラン。 シャールさんに会えなくなるのが寂しくて、なかなか読み終えることができませんでした。図書館で借りていて、なおかつ予約待ちの人気シリーズということで延長はできないし……と、無理やり奮い立たせての読了。 物語はいったんここで終わり。け...

とうとう終わってしまった。大好きなマカンマラン。 シャールさんに会えなくなるのが寂しくて、なかなか読み終えることができませんでした。図書館で借りていて、なおかつ予約待ちの人気シリーズということで延長はできないし……と、無理やり奮い立たせての読了。 物語はいったんここで終わり。けれど柳田とのラストシーンは、これからもずっとマカンマランはそこにあって、ゆったりとしていながらにぎやかな日々が続いていくんだろうな、というやさしい希望に満ちたものでした。 最後まで読んでよかった。 このごろのわたしはそれほど忙しくない気がしていたけれど、やはりマカンマランのドアを開くと、ゆったりとした時間と身体を労わるお料理に癒されるので、あぁ、わたしは疲れていたのだな、と自覚するのでした。 文庫化を待つか、単行本でそろえるか。 いずれにしても、これから何度もきっとマカンマランに癒されたくなるはずなので、手元においておきたいシリーズです。

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2019/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「さ、マカン・マランのお時間よ」 お馴染みの心休まる取っておきの時間が今宵も始まった。 儘ならない人間関係に煩わされたり、つまらない見栄を張ったために行き場を失ったり、今回も悩める客人が次々に辿り着く。 「人は誰かに見送ってもらえれば、案外、次の一歩をしっかりと踏み出せるものよ」 シャールさんにそっと背中を押され温かく見送られ、悩める客人も再び歩み出す。 背筋をピンと伸ばして顔を上げて。 負けるな、みんな。ふれふれ、みんな。 縁あって出逢った仲間がいつでもそこで待っていてくれるから。 逢えない時も思いを馳せてくれるから。 この先もずっと都会の町の片隅で、深夜のカンテラに小さな灯りをともして。 大好きなシリーズもとうとうお四(し)まい。 感情移入して涙ぐんだり気持ちが温かくなったり、シャールさんの作る料理描写にお腹が鳴ったり、と私にとって大好きで大切な作品。 シャールさんやみんなの行く末も気になるので、また時間をおいてシリーズを再開してほしい。 そして私もいつか、孤独を楽しむ余裕を持てる大人になりたい。

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2019/03/16

マカン・マランシリーズ最終作。 あぁあ、終わっちゃった。というのが正直なとろ。でも、すべてを丸く納めたりせず、みんな、人生の途中だっていうのが、逆に嬉しかったり。 このシリーズではじめてあとがきがありましたが、いつかまた、マカンマランに会えることもあるのかなって。 新年のアドベン...

マカン・マランシリーズ最終作。 あぁあ、終わっちゃった。というのが正直なとろ。でも、すべてを丸く納めたりせず、みんな、人生の途中だっていうのが、逆に嬉しかったり。 このシリーズではじめてあとがきがありましたが、いつかまた、マカンマランに会えることもあるのかなって。 新年のアドベントスープや、フェーブの入ったガレット・デ・ロワ。そして、エピファニー…最後まで読めて良かった!

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2019/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マカン・マランシリーズ最終巻。 題字に「おしまい」とあったので、まさかシャールさん…と怯えながら読み進める私。私のまさかが違っていて本当に良かった。この世のどこかにこんなカフェがあって、悩んている人たちの救いになっているんだと思っていたいから。 「自分を憐れみたくなったら、誰かに八つ当たりしたり、甘えたりしないで、自分で自分の機嫌を上手にとって元気になる。それこそが大人の嗜みというものよ」 …私この年になってまだ大人じゃないんだなと凹む。探さなきゃ何か!

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2019/03/05

最後の『旅立ちのガレット・デ・ロワ』を読んだ時、「ああそうか。このシリーズは、人々の再生の物語だったんだ」と気付きました。だからこそ、読後ただ温かい気持ちになるだけではなく、勇気づけられていたのだと。 理不尽なこと、ままならないこと、そして失敗も一旦受け入れて、再び歩き出す(た...

最後の『旅立ちのガレット・デ・ロワ』を読んだ時、「ああそうか。このシリーズは、人々の再生の物語だったんだ」と気付きました。だからこそ、読後ただ温かい気持ちになるだけではなく、勇気づけられていたのだと。 理不尽なこと、ままならないこと、そして失敗も一旦受け入れて、再び歩き出す(ただし、今度は「自分らしく」)。 それはシャールさんもしてきたこと。だからシャールさんはこんなにも優しくて品格ある「ドラァグクイーン」で、マカン・マランは居心地の良い場所なんですね。 シリーズが終わってしまったのは寂しいけれど、この物語と出合えて良かったです。 シャールさんの数々の名言、忘れずにいたいな。

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2019/03/03

シリーズ完結編。さ、寂しい…もっと続けてほしかったなぁ。短編1つ1つも、円満解決!みたいな終わり方じゃなく、つらいことも大変なこともあるし簡単に解決とはいかないけどそれが人生…できることからできる範囲でやってこうみたいな感じが好きだった。 今回の話の中ではガレット・デ・ロワが最も...

シリーズ完結編。さ、寂しい…もっと続けてほしかったなぁ。短編1つ1つも、円満解決!みたいな終わり方じゃなく、つらいことも大変なこともあるし簡単に解決とはいかないけどそれが人生…できることからできる範囲でやってこうみたいな感じが好きだった。 今回の話の中ではガレット・デ・ロワが最も心惹かれた。

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2019/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とうとう、とうとうおしまいです。 ちょっと寂しいけれど たくさんの優しさを感じるそんなおしまい。 シャールさんの優しさと強さがぐぐぐっと胸に迫る。 それぞれの登場人物に それは違うよと思ったり、頑張れと思ったりしながら 何度も胸が熱くなった。 「快晴フライング」の雪村さんも登場。 あー、嬉しい。 大人になった雪村さんと柳田先生の対峙が なんとも言えない感慨があった。 自分の生き方には自分が責任を持つ、今を楽しく過ごす、それって大事。 「身体と精神を鍛える」 そして 何か食べたら「美味しかった」 朝起きたら「よく寝た」 スポーツをしたり、風呂にはいったりしたときには「気持ちよかった」 そう声に出して呟く。 大事だ、本当に大事。 読了前日に参加した不毛な飲み会が なおさらそう思わせる。 大切にしたいと思う人、思うもの、 本当に大切にしよう。

Posted byブクログ