平成くん、さようなら の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・平成くんはあらゆる意味で「平成という時代っぽい」人物として描かれてる?。セックスに抵抗があるとかも現代人っぽい要素の一つなのかも。 ・物語には小説っぽい描写はあまり登場しない。グーグルとかUberとか実在の企業名、アプリ名、ブランド名などが横溢していて、固有名詞が形容詞の代わりになっている印象。 ・また、会話や地の文も安楽死を巡るうんちく等で占められている。あえてやっているのか? ・安楽死したい平成くんとそれを止めたい、お金だけはある平凡な感性の持ち主である彼女、という物語。 ・安楽死の理由も意外と普通。この普通さも含めて現代っぽい小説なのかも。でも、最先端の用語を散りばめたようでいて、実は平凡な安楽死の理由というのも、平成の死としてはそういうものなのかも。 ・むしろ彼女を昭和っぽい人物として描いても良かったのかもしれない。 批判もあるかもしれないが面白く読んだ。王道の小説という意味では「ニムロッド」なのだろうが・・・ 1/15追記。安楽死が積極的に行われているという設定を過小評価していたかもしれない。それが当たり前になっている世界をリアリティーを持って描けるのも作者の力量なのかも・・。
Posted by
タイトルに惹かれて。 セリフがいちいち古市節でおもしろい。本人がモデルなのかな?と思うほど。 身に着けてるブランドも、全部古市さんでイメージできるんだよなあ。 だけどこんな繊細な物語を書かれるということに、すごくギャップを感じた。良い意味で裏切られた。 安楽死する側のエゴとさ...
タイトルに惹かれて。 セリフがいちいち古市節でおもしろい。本人がモデルなのかな?と思うほど。 身に着けてるブランドも、全部古市さんでイメージできるんだよなあ。 だけどこんな繊細な物語を書かれるということに、すごくギャップを感じた。良い意味で裏切られた。 安楽死する側のエゴとされる側のエゴ。 難しいテーマだけど、とても読みやすくおもしろかった。 最後はちょっと泣いた。
Posted by
芥川賞にノミネートされてなければ もう少しよく思えたかも…。 社会学者として時代をとらえることはもちろん 人の心をつかむことも実は得意な人なのだろうか。 私小説風の独特感が気になり、安楽死という 死に対するテーマがあまりリアリティをもって感じられなかった。 でも今時の空気をまとっ...
芥川賞にノミネートされてなければ もう少しよく思えたかも…。 社会学者として時代をとらえることはもちろん 人の心をつかむことも実は得意な人なのだろうか。 私小説風の独特感が気になり、安楽死という 死に対するテーマがあまりリアリティをもって感じられなかった。 でも今時の空気をまとった、今時小説なのだと思う。AmazonやGoogleなどが生活と直結した感じなどは、平成に根付いた技術が遺憾なく発揮されまくっている。価値観を、塗り替えながら時代は変わっていくのだろう。生も死もその中にあたりまえにあるのだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
都会のネオンみたいな本 平成終わりに呼んで起きたかったので、読む 古市さんの私小説かと思った 積極的安楽死が日本で認められている設定。 彼氏も安楽死したいと言い出すことで彼女が振り回される話。結局は、安楽死を希望することを伝えて、消息不明。 オシャレな本
Posted by
2018年現在、安楽死が合法化されている設定。平成くんみたいな男の子いいなと思った。自分に正直すぎるのって好いてくれてる周りの人にとっては酷なのかもしれない。
Posted by
直木賞にノミネートということで古市さん初読。 将来はAIが自分の好みの相手になって会話をするようになるのか… 自分が死んだ後にも… 安楽死についてはいいとか悪いとかそんなに簡単なことではない 自分が決めたことでも残された人がどう思うか… 自分で安楽死を選んで実行するが、それ...
直木賞にノミネートということで古市さん初読。 将来はAIが自分の好みの相手になって会話をするようになるのか… 自分が死んだ後にも… 安楽死についてはいいとか悪いとかそんなに簡単なことではない 自分が決めたことでも残された人がどう思うか… 自分で安楽死を選んで実行するが、それは1人では行われず、自殺とはまた違うこと。 病気にならないとなかなか死ねない世の中。色々考えさせられる。
Posted by
平成が終わるまでに読むにはうってつけの本でした。 確かに一つの時代が変わり、その変わっていく時代は 「失われた」とか「過去の負債」だとか色々言われているのだけれど、そこには確かな足跡があり、歴史があり、それが残っている、残っていく。 生きている僕らはそれを刻んで、先へと歩んで...
平成が終わるまでに読むにはうってつけの本でした。 確かに一つの時代が変わり、その変わっていく時代は 「失われた」とか「過去の負債」だとか色々言われているのだけれど、そこには確かな足跡があり、歴史があり、それが残っている、残っていく。 生きている僕らはそれを刻んで、先へと歩んでゆくのだろう。
Posted by
平成が終わる。 ほぼ平成を生きてきた日本人にとって、平成とはなんだったのか。 昭和のツケをを払ってきただけに過ぎないのか。 いや、そんなことはない。 夢で思い描いた未来の到来は期待できそうにないけれど、今をほどほどに幸せに生きる。 だから、楽しい今のうちに人生を終わら...
平成が終わる。 ほぼ平成を生きてきた日本人にとって、平成とはなんだったのか。 昭和のツケをを払ってきただけに過ぎないのか。 いや、そんなことはない。 夢で思い描いた未来の到来は期待できそうにないけれど、今をほどほどに幸せに生きる。 だから、楽しい今のうちに人生を終わらしておきたいと思っても、まぁそうかなと思うのだ。 平成とともに生まれた平成(ひとなり)くんと同居する私は昭和の大漫画家の娘で、父親が残した遺産で暮らしていける。 彼はコメンテーターとして、脚本家として、評論家として、様々なメディアに発信するマルチキャリアだ。 そんな彼がある日突然、安楽死したいという。 ここは安楽死が合法化された日本。 平成の終わりに重ねて、終わった人間を自覚した平成くんは自らの人生も終わらせたいと告げた。 昭和の中高年が読んでも理解できない。 多分、数十年後に読んでも、今の時代の空気が分からない。 今だからこそ、今の世代だからこそ共感できる。 時代の終わりの空気を閉じ込めた小説だ。
Posted by
古市憲寿さんの作品はだいたい読んで来たが、小説を執筆するイメージはなかった。 だから、出版されたときに本当に驚いた。 そして想像以上に楽しめた。 平成が終わるってなんだろうね。 でもよくよく考えたら平成って区切りがあっても人はきっと変わらず生き続けるよね。
Posted by
平成くんとは何者なのか。 安楽死が権利として法的に認められる、こことは違う平成最後の日本で、パートナーに安楽死する意志を固めたことを告げる平成くんの宣言からお話は始まる。 理由をきいても、戸惑うパートナーと同じくよくわからない。 遺された人がどういう思いを抱いて生きていかなくて...
平成くんとは何者なのか。 安楽死が権利として法的に認められる、こことは違う平成最後の日本で、パートナーに安楽死する意志を固めたことを告げる平成くんの宣言からお話は始まる。 理由をきいても、戸惑うパートナーと同じくよくわからない。 遺された人がどういう思いを抱いて生きていかなくてはいけないかという視点は彼には一切なく、謎は深まるばかり。 彼の生い立ちや、パートナーに黙っていた秘密を知ってもなかなかピンとこないし、平成くんが最終的にとった行動にも共感はできない。 読了後、一番印象に残ったのはテレビ番組に出演した平成くんが言った言葉だった。 「平成というのは昭和のツケを払い続けた時代でした。不良債権処理、隣国との歴史認識問題、巨額の財政赤字、廃炉もままならない原発。平成が向き合ってきた問題は、もとはといえば昭和の失敗に起因しています。昭和を終わらせることが、平成という時代の宿命と言ってもいい。(以下略)」 彼の思考や選択はわからないことだらけだったけれど、この発言には共感しかない。
Posted by