平成くん、さようなら の商品レビュー
【見送る人、見送られる人】平成と名付けられた青年と生活を共にする愛は、ある日彼から安楽死をしたいと告白を受ける。その突然の申し出に戸惑う愛であったが、次第に平成はその結論に至る理由を明らかにし始め......。著者は、社会学者として活躍する古市憲寿。 発言が反響を呼ぶことの多い...
【見送る人、見送られる人】平成と名付けられた青年と生活を共にする愛は、ある日彼から安楽死をしたいと告白を受ける。その突然の申し出に戸惑う愛であったが、次第に平成はその結論に至る理由を明らかにし始め......。著者は、社会学者として活躍する古市憲寿。 発言が反響を呼ぶことの多い著者の初の小説作品ということで手にとってみましたが、とても印象深かったのは、本作の世界観が非常に閉じたものであり、「外部の他者」の存在が極めて気迫であること。タイトルがタイトルだけに、本書を基に平成とは何かについて考えを巡らせてみるのも一興かもしれません。 〜「僕にもうこれ以上、欲を持たせないでよ」〜 表紙も印象的です☆5つ
Posted by
正直、テレビで普段見ている古市さんの印象からすると、意外な小説だった。実在する人物、サービス名称も出てきて、仮想世界なんだけど、どこか「もしかしたら、いつか…」と思わせる。私は安楽死自体について、あまり深く考えたことがないけど、本人だけではなく、周り(遺族はもちろん、友人も)の問...
正直、テレビで普段見ている古市さんの印象からすると、意外な小説だった。実在する人物、サービス名称も出てきて、仮想世界なんだけど、どこか「もしかしたら、いつか…」と思わせる。私は安楽死自体について、あまり深く考えたことがないけど、本人だけではなく、周り(遺族はもちろん、友人も)の問題でもあるから、難しい。
Posted by
人生の絶頂期、敢えて自殺という道を選ぶことによって 強い印象を世間に残す売名がある 日本の文学では 大江健三郎「万延元年のフットボール」あたりを元祖に 多くのフォロワーを生み出した方法である しかし、ちゃんと人々は「わたし」のことを神格化して 拝んでくれるのだろうか? 死んだ後で...
人生の絶頂期、敢えて自殺という道を選ぶことによって 強い印象を世間に残す売名がある 日本の文学では 大江健三郎「万延元年のフットボール」あたりを元祖に 多くのフォロワーを生み出した方法である しかし、ちゃんと人々は「わたし」のことを神格化して 拝んでくれるのだろうか? 死んだ後ではそれを確認することができない ならばとりあえず身を隠して、様子を窺いましょう そんな印象ですね
Posted by
著者本人をモデルにしているだろうけど、自意識の塊というか最後まで読むのが辛かった。さらに彼女の目線で進むというのもちょっと、、、
Posted by
炎上を恐れず?率直すぎるコメントをメディアでされている著書がどんな小説を書くのかすごく興味があって読んだ。 平成元年生まれの平成くん、こんな人いるかな…いるよなーと思いながら最後は愛同様、平成くんに生きてほしい!って願いながら読まずにいられなかった。 でも、 「生きてほしいっ...
炎上を恐れず?率直すぎるコメントをメディアでされている著書がどんな小説を書くのかすごく興味があって読んだ。 平成元年生まれの平成くん、こんな人いるかな…いるよなーと思いながら最後は愛同様、平成くんに生きてほしい!って願いながら読まずにいられなかった。 でも、 「生きてほしいって思うのは残される者のエゴ」みたいな平成くんの台詞、私も考えたことがあった。癌で亡くなった母の闘病中、私はどんな姿であっても母に生きていてほしいって強く願っていたけれど、母はそうじゃなかったと思う。私は母がこの世にいるってだけで、それだけでよかった。母は、苦しくて苦しくて痛くて、周りにも迷惑をかけて…早く楽になりたいって弱音を父にはこぼしてたと聞いた。弱っていく姿を家族に見せるよりも、元気だった明るい私を覚えていてほしいって。 生きてほしいって願うこと、遺されるもののエゴなんかな…って当時考えて涙したことがあったっけ。 そんなことを思い出しながら… ところどころ涙がこぼれた一冊だった。 平成くんはどこで、今ごろ何してるのかな。
Posted by
安楽死という一見重そうなテーマだけれど、男女の会話がメインで軽やかで読みやすかったです。現代社会が細かく描写されていて、作品の風景を自分の視点に置き換えて想像しながら読むことができました。 平成くんと著者の古市さんが重なって見えました笑。
Posted by
平成といっても30年の間に時代は大きく変わり、超現代的な用語やツールがたくさん登場してきました。最後平成くんはどうなったのか、愛とはどのように別れたのか、その後の平成くんがどうなったのか、あえて書かずにおくのがよかったのでしょうが、気になります。最後、思ったより愛の気持ちの切替え...
平成といっても30年の間に時代は大きく変わり、超現代的な用語やツールがたくさん登場してきました。最後平成くんはどうなったのか、愛とはどのように別れたのか、その後の平成くんがどうなったのか、あえて書かずにおくのがよかったのでしょうが、気になります。最後、思ったより愛の気持ちの切替えがバッサリしていて一人の男としてはどうなの?と思ってしまったのですが、現実今の女性はそうなんでしょうかね。。
Posted by
新しい切り口だとは思った。 文學界で読んだが芥川賞にノミネートされるとは思わなかった(笑) あまりにも現代的な文章なので好き嫌いが分かれそうな作品。 古市さんは男性なのに女性目線の書き方は上手だなぁと思った。
Posted by
話題の一冊、読んでみました。時代の終わりと安楽死(実体のある暮らしからの離脱?)を巡って展開される物語。 終盤の「平成くん」の発言に印象的なところがありました。平成という時代が果たす役割についての発言です。
Posted by
話題の本を一応読む。最初はできの悪い村上春樹やSFに感じたけど、最後の終わり方が皮肉感があり読後まとまった感じがして良かった。
Posted by