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平成くん、さようなら の商品レビュー

3.6

232件のお客様レビュー

  1. 5つ

    31

  2. 4つ

    84

  3. 3つ

    71

  4. 2つ

    21

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2023/03/07

2019.11.14 「平成という時代の終わりとともに安楽死を考えている」と恋人の平成くんから打ち明けられた私。なぜ彼は死にたいのか。彼らが出した答えとは。今の時代、死ぬことの意味。 ずっと気になっていた本が読めた。作者が伝えたかった“死”が分かったような気があまりしなくて死っ...

2019.11.14 「平成という時代の終わりとともに安楽死を考えている」と恋人の平成くんから打ち明けられた私。なぜ彼は死にたいのか。彼らが出した答えとは。今の時代、死ぬことの意味。 ずっと気になっていた本が読めた。作者が伝えたかった“死”が分かったような気があまりしなくて死って難しい。平成くんが作者と重なる。後味は微妙。結局どっちなのか切ないというか割り切れないというか。今の本として味があるのであって、この本は賞味期限があると思った。

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2022/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 平成とともに消えようとした平成くん。読んでる途中に上島さんのことがあって時代に消されるってあるのかなって思った。平成くんの本当の理由は違ったけど。ブランドの名前がたくさん出てきて、着てる服がわかると私の中の平成くん像がすごくくっきりしてきてブランドのそういう使い方ってあるんだなーって思った。

Posted byブクログ

2022/05/16

安楽死が合法化された社会で、平成の終わりを見届ける男女の話。男性は安楽死を希望しているが、パートナーはそれに反対しており、衝突する。物語の後半、男性は自分の人工知能を遺そうとする。ストーリーの大筋が平野啓一郎の「本心」によく似ていると思った(「本心」のほうが後の作品だし、圧倒的に...

安楽死が合法化された社会で、平成の終わりを見届ける男女の話。男性は安楽死を希望しているが、パートナーはそれに反対しており、衝突する。物語の後半、男性は自分の人工知能を遺そうとする。ストーリーの大筋が平野啓一郎の「本心」によく似ていると思った(「本心」のほうが後の作品だし、圧倒的に文学的だが)。 知らない固有名詞がやたらに多く出てきて、何のことを言っているか分からない場面が多い。店名やホテル名、ゲーム、ファッションブランド、薬の名前など。平成感を出したくて、後から読むと古く感じるのを分かりながらあえてそうしているのかもしれないが、かなり不親切に感じた。固有名詞なのかどうか判断がつかない言葉もあり、何の説明もないので、ググりながら読んだ。 安楽死から火葬までを行うセレモニーの描写は突拍子もないが、面白い。 「僕が頑張って調べたり、無理にでも経験したり、必死に考えたりしたことは、全部文章にしてきた。だけど、(中略)僕の頭の中にあって、僕が消えたらどこにも残らないような話を、今日はしておきたかったんだ」の一文には共感した。生活の中で話すことの9割はどうでもいいことで、それを共有することでパートナーや家族に自分の分身みたいになってもらう感覚は自分にもある。

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2022/05/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

安楽死をテーマにした作品。主人公は読みは違うが元号と同じ平成。 死を身近に感じさせる内容だった。重い部分もあるし重くない部分もあるし読みやすかった。 最後、スマートスピーカーを残していなくなるというところが現代的であるし、死というものを考えさせられる内容だった。

Posted byブクログ

2022/03/08

安楽死に対する2つの視点をまとめた『今』を象徴する本。 安楽死が合法化された東京の設定で恋人の平成くんが突然安楽死したいという告白を受けて考え方を変えるために説得しながら、恋人としての最期の日々を一生懸命過ごす。 安楽死に対する考え方は両サイドの言い分はどちらも共感する部分がある...

安楽死に対する2つの視点をまとめた『今』を象徴する本。 安楽死が合法化された東京の設定で恋人の平成くんが突然安楽死したいという告白を受けて考え方を変えるために説得しながら、恋人としての最期の日々を一生懸命過ごす。 安楽死に対する考え方は両サイドの言い分はどちらも共感する部分があるためどちらが良い・悪いに区分できないことに対してすごくモヤモヤする。 安楽死の葬儀で家族の意志によって安楽死せざるを得ない状況になった事例や葬式をエンタメ化する世界線がすごく面白かった。 UberEatsなどの平成を表す固有名詞やブランド名のMaison Kitsuneなど、商業施設などがたくさん入っていたのが面白かったし、今どきな小説感がある。

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2022/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

社会学を学んでいたので、古市さんの話は個人的に面白く、興味が沸いたので読んでみた。 普通の小説であれば、風景の描写などが文中にふんだんに入るけど、この小説は作中の事実がほとんどで情景描写が極端に少ないのだけれど、そこは古市さんらしい気がした。 ある意味サクサク読めるんじゃないかとも思った。 大学時代の講義で、終活、エンディングノート等のワードと政治や社会についてを学んでいた記憶があり、安楽死というテーマがとても興味深かった。 何故、若くて、金銭的余裕、社会的地位、豊かな暮らしにパートナーと現代社会で人々が求めるものを全て持っているような平成くんが安楽死を求めたか。少しずつ紐解かれていく。 主人公含め全体的に少し人間味がない人たちだなと感じるけど、情報が溢れてて「最適化すること」が善みたいな、意識高い系っぽい時代の価値観の象徴なのかなと思った。 私は表面に感情を出さない、欲求より合理性を、技術やシステムでよりスムーズに、って感じの(私にもあるだろう)部分で覆われた人の心情が垣間見えるところが結構面白かったな。 人間味のない平成くんに、パートナーが社会的にあまり価値のない「感情」というものを、少しずつ吹き込んでいくようなところも良かった。

Posted byブクログ

2022/02/09

現代において“死ぬ”ということはなんなのか、それを考えさせられる内容だった。 著者の初小説と書かれていたが、過去の著作を見れば頷ける結論づけだったと思う。

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2022/01/13

稚拙な作文のため一気に読了。リアルな固有名詞の羅列でしかリアリティーを醸しだすしかない技量の無さが露呈。

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2022/01/12

「ねえ平成くん、」 「誰かがいなくなるってことは、とってもとっても悲しいことなんだよ」 「だからって、1秒でも長く生きていて欲しいってのはエゴなんじゃない?」 安楽死が認められた世界で、「死」と向き合う日々を過ごす2人のやりとりが淡々としているようで人間味に溢れていて心地よ...

「ねえ平成くん、」 「誰かがいなくなるってことは、とってもとっても悲しいことなんだよ」 「だからって、1秒でも長く生きていて欲しいってのはエゴなんじゃない?」 安楽死が認められた世界で、「死」と向き合う日々を過ごす2人のやりとりが淡々としているようで人間味に溢れていて心地よかった。 生きているということはいずれ己の身にもやってくる死を意識せざるを得ないということ。「死」について考えさせられる面白い本でした。

Posted byブクログ

2022/01/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

「安楽死」という言葉は「安らかでラクな死」と聞こえは悪くなく、自分で死を選ぶようですが自殺とは言い分けられています。 平成くんは自殺ではなく、安楽死を考えていましたが、こうなると安楽死は自殺の1手段になるのでしょうか。 平成くんが病気で苦しむペットの猫を安楽死させた出来事はとても象徴的でした。猫のためを思ってよかれと思った平成くんと、父親の苦しむ様子を知っていたにも関わらず、平成くんの判断を直ぐには受け入れられなかった彼女。どちらの反応もありだと思います。 一言で安楽死といっても平成くんと猫のケースが同じだとは思えません。猫は一言も「死にたい」と言ってないです。 改めて安楽死の難しさを痛感しました。

Posted byブクログ