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今はちょっと、ついてないだけ の商品レビュー

3.8

74件のお客様レビュー

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2023/12/24

20年前に一世を風靡したが、一発屋として廃れてしまったフォトグラファータチバナコウキを中心に描かれる、人生停滞中の中年世代の人間の連作集。 異性関係、仕事で行き詰まるも、この年齢で新しいことにチャレンジし、その楽しさを知っていく姿には勇気がもらえます。 年齢を重ねてから過去の...

20年前に一世を風靡したが、一発屋として廃れてしまったフォトグラファータチバナコウキを中心に描かれる、人生停滞中の中年世代の人間の連作集。 異性関係、仕事で行き詰まるも、この年齢で新しいことにチャレンジし、その楽しさを知っていく姿には勇気がもらえます。 年齢を重ねてから過去の自分を改めて見ることで、その時には見えていなかった景色が見える様子は、読者を前向きにさせようという作者の想いが感じ取れて心があたたかくなりました。 自分の今までやってきたことが無駄になったと感じても、またそこからやり直せばいいのかもしれない。生まれ変わった気持ちで、一からやり直して、そんな生活もきっと幸せなのかもしれない。そう思わせてくれる作品でした。

Posted byブクログ

2024/01/01

とあるYouTubeで紹介されていて、 何軒目かの本屋さんで見つけて思わず手に取りました。 ------------------------- バブルの頃、 自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、 ブームが過ぎると忘れられ、 所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに 四十...

とあるYouTubeで紹介されていて、 何軒目かの本屋さんで見つけて思わず手に取りました。 ------------------------- バブルの頃、 自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、 ブームが過ぎると忘れられ、 所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに 四十代になっていた。 カメラを捨て、すべてを失い。 自分が本当に欲しいものとは、なんだったのか? 問い返すうちに、ある少女からの撮影依頼で東京に行くことになった浩樹は思いがけない人生の「敗者復活戦」を挑むことになる。 ------------------------- 読み終わってからだいぶ日が経過していますが、 本書の中で私が一番覚えているのは、浩樹の母親。 自分の愛する子どもは、 何歳になっても愛しいんだなって。 浩樹じゃなくて、お母さんが悔しがってくれて。 あらすじには「敗者復活戦」と銘打ってありますが、 どちらかというと、 自分と向き合って再生していくような印象を持ちました。 通勤と仕事の休憩時間で一気読みでした。 序盤や途中で理不尽だったり、 嫌な奴が出てきたりするんですが、 視点が変われば印象が変わることを再確認しました。 バイアスから逃げられないですね。苦笑 振り返れば「そう言えばあのときって恵まれてたんだな、幸せだったんだな」って思うことがあるんですが、渦中では気づかないんですよね。 タイトルがとても好きです。 登場人物たちも大なり小なり葛藤を抱えていて、 そんな人たちが集まるからこそ見えてくる景色というか。 読後はあたたかい気持ちになりました。 30代後半の私にとっては、とても好きな一冊でした。

Posted byブクログ

2023/11/01

いいじゃん。って素直に思える小説。 うまくいかない、そんな日常が自然にちょっとずつ変わっていく。物語やドラマみたいに劇的じゃない、でも確かな1歩が転機になっていく。  登場人物が多く、誰が誰だったっけ?と混乱はしたものの、文字の運びがきれいなのか、話の流れはすっと入ってきた。...

いいじゃん。って素直に思える小説。 うまくいかない、そんな日常が自然にちょっとずつ変わっていく。物語やドラマみたいに劇的じゃない、でも確かな1歩が転機になっていく。  登場人物が多く、誰が誰だったっけ?と混乱はしたものの、文字の運びがきれいなのか、話の流れはすっと入ってきた。読み終わったばかりなのに忘れた頃にまた読みたいなぁと思わせてくれる不思議。

Posted byブクログ

2023/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今はちょっと、ついてないだけ 立花浩樹 写真家。 立花の母 かつて勤めていた魚の缶詰工場の仲間と飲みにいき、カラオケスナックの階段から落ちて入院。 宮川静枝 白髪の老婦人。病院で立花の母と二人部屋。住宅街の公民館で書道教室を開いている。 宮川良和 静枝の息子。 春恵 立花の母の内職仲間。 巻島雅人 立花が二十年前に所属していた個人事務所社長。 矢澤麗子 立花が以前同棲していた。巻島と籍を入れた。 朝日が当たる場所 宮川良和 映像製作会社に勤めていたが退職。 菜々子 宮川の娘。 真里恵 宮川の妻。 立花浩樹 薔薇色の伝言 立花浩樹 瀬戸寛子 立花の隣室に住む。化粧品専門店の美容部員から美容サロンに転職したが閉店。 宮川良和 佐山 婚活の写真を立花に依頼。 花 占い師。 甘い果実 佐山智美 瀬戸寛子 立花浩樹 宮川良和 鈴木隆史 婚活サイトで佐山と交際。 ニョマン ヴィラ付きの執事。 ボーイズ・トーク 岡野健一 元探検部。 立花浩樹 宮川良和 岡野理人 岡野の息子。 瑠衣 岡野の娘。 里沙 岡野の妻。 テイク・フォー 会田健 五年前までテレビをつければ必ずどこかの局で顔が出ていた芸人。四十六歳。独身。 立花浩樹 瀬戸寛子 宮川良和 岡野健一 羽化の夢 立花浩樹 宮川良和 会田健 瀬戸寛子 岡野健一 佐山智美

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2023/10/19

タイトルが気になって読んでみた! 人生山あり、谷あり、の山から転がり落ちた主人公と仲間達の敗者復活戦ストーリー。「今はちょっと、ついてないだけ」何故かじ〜んと来る言葉、 読後は清々しい気分になった作品です。

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2023/10/11

最初、一人称で語られる主人公は、本当に冴えない情けない人のように思えた。 けど、語り手が変わるごとに、語り手以外の人の魅力的な姿が見えてくる。 本人が語る自分は誰しも情けない姿だったものが、だんだんとお互い絡み合い、自分への視線が優しくなってくる。 辛い時は一人で殻に閉じこもるこ...

最初、一人称で語られる主人公は、本当に冴えない情けない人のように思えた。 けど、語り手が変わるごとに、語り手以外の人の魅力的な姿が見えてくる。 本人が語る自分は誰しも情けない姿だったものが、だんだんとお互い絡み合い、自分への視線が優しくなってくる。 辛い時は一人で殻に閉じこもることも必要だけど、人と関わりあってこそ見えてくる自分の姿ってあるよなと思った。

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2023/07/09

人生再スタートってかんじの本だった。「今は」っていうワードけっこう重要だなと思った。今の状況がずっと続くわけではない。流れに逆らわず、来るもの拒まず、ただただ受け入れる。そう生きたいものだ。でもそれが難しいんだけどね〜。

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2023/07/08

立花浩樹は『タチバナ・コウキ』と名を変え、自然写真家として一世を風靡した。バブルがはじけ、事務所の借金も背負わされ返済をするため、地元に帰り、なりふり構わず働いた。最初の章は情けない中年男性の敗者復活戦の話かと思ったが、読み進めていくうちにまるで違った。借金を背負わされた本人と対...

立花浩樹は『タチバナ・コウキ』と名を変え、自然写真家として一世を風靡した。バブルがはじけ、事務所の借金も背負わされ返済をするため、地元に帰り、なりふり構わず働いた。最初の章は情けない中年男性の敗者復活戦の話かと思ったが、読み進めていくうちにまるで違った。借金を背負わされた本人と対面するシーンまで描かれている。お見事!あっという間に読んでしまった。

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2023/04/16

タイトルにひかれ手にとり 序盤は、なんかムカつく人ばかり出て来て嫌だな…と正直読み進めるか考えてしまった けど色んな人生、色んな失敗した人たちが挑む敗者復活戦!! 気づけばドン底だった主人公に、写真撮影を通じてドンドン仲間になってくるRPG感… そんな中年達が、這い上がる為...

タイトルにひかれ手にとり 序盤は、なんかムカつく人ばかり出て来て嫌だな…と正直読み進めるか考えてしまった けど色んな人生、色んな失敗した人たちが挑む敗者復活戦!! 気づけばドン底だった主人公に、写真撮影を通じてドンドン仲間になってくるRPG感… そんな中年達が、這い上がる為に試行錯誤したりして 少年のように目をキラキラさせてる感じがワクワクしました。 ※だから話が変わるけど 結局俺が何を言いたいかって言うと… 【あらためて見るとマジンガーZの走り方って意外と癖が強いよね?】って事!!

Posted byブクログ

2023/03/23

20230323 人との出会い、縁の大切さも教えてもらった一冊。 それぞれの才能を掛け合わせて、新しいことをするのって本当に楽しそう!! 人生山あり谷ありで、ほんとに何が起こるかわからない。でも、自分の意志さえしっかり持っていればいきらでも道は開けるんだろうな。

Posted byブクログ