アカガミ の商品レビュー
窪さんにしてはハズレ。 もっと深いところまで行ってほしかった。 ログの謎とか、真相に辿り着けないもどかしさが苦手。 日本の未来、こわい。
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議題は面白かったが、終わり方があやふや。結論は不透明でも構わないが、もう少し明らかにしても良い背景があっても良いのではと感じた。
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国家が管理するお見合いシステム『アカガミ』。手厚いサポートに隠された新制度の真の姿とは?生きることの選択と生命の躍動に触れる衝撃作。 現代文明への警告ともいえる問題作。高齢化社会に少子化、人口減少にひきこもりなどが社会問題化しているが、原因は若者の性離れにあると思う。生身の異性を...
国家が管理するお見合いシステム『アカガミ』。手厚いサポートに隠された新制度の真の姿とは?生きることの選択と生命の躍動に触れる衝撃作。 現代文明への警告ともいえる問題作。高齢化社会に少子化、人口減少にひきこもりなどが社会問題化しているが、原因は若者の性離れにあると思う。生身の異性を愛せないという人間の本質から外れる者の増加を解消しないと解決できない。極論だが、本当の愛とは、愛する人の「汗、におい、べとべと、ねとねと」を包容できるかだと思う。
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ディストピア小説とでもいうのか。近未来の日本は果たしてこの小説のように病んだ社会なのだろうか。精神疾患が当たり前で若者は夢も希望も抱けず、恋愛もできず…。それはさておき。国が設立したお見合いシステムでカップリングが成立した一組のカップルの物語。女の順応力の高さに恐れおののく。それ...
ディストピア小説とでもいうのか。近未来の日本は果たしてこの小説のように病んだ社会なのだろうか。精神疾患が当たり前で若者は夢も希望も抱けず、恋愛もできず…。それはさておき。国が設立したお見合いシステムでカップリングが成立した一組のカップルの物語。女の順応力の高さに恐れおののく。それが良い悪いではなく。あえてわざわざ「番い」「まぐわい」などの言葉で産めよ、増やせよと生活まで保障する裏にあるのは実際のところ不明だ。何不自由なく与えられた生活と己の手で掴む未来とどちらが幸せなのだろうか。
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アカガミというシステムにより人口動態を維持しようとする国家プロジェクトの設定はとても面白い。現代の結婚観や家族観、性に対する拒否感を考えるとあり得ないとも言い切れないし、未来を考えるうえで避けては通れない仕組みなのではと思わされる。 一方で本筋となるこのアカガミシステムは、情報統...
アカガミというシステムにより人口動態を維持しようとする国家プロジェクトの設定はとても面白い。現代の結婚観や家族観、性に対する拒否感を考えるとあり得ないとも言い切れないし、未来を考えるうえで避けては通れない仕組みなのではと思わされる。 一方で本筋となるこのアカガミシステムは、情報統制という古い仕組みがベースとなっており、ラストの展開も、国家プロジェクトからしたら本当にそうなる?という疑問符のつく内容であるところが残念。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みたいと思ってたんだけども、いざ読んでみるとなんか違うというか、著者の他の作品の方が好きかな…。 私も半年以内には出産する身なので、あの終わりだと却って子宮を使った女性の方が狂ってしまうと感じる。 サツキは解放されて、そこではじめて生まれたのかもしれないけど。まあタイトルで想像出来るっちゃ出来るんだけど、希望を見せたいなら最後のサツキで急にまとめるんじゃなくて、ミツキサイドも描いて欲しかった。
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物語の舞台は未来の日本。急増する若者の自殺と性、恋愛離れ。 国はお見合いシステムを始動させるが、、、 ミツキをアカガミに誘うログの位置付けも何となく謎なまま。 ミツキの母親も何となく放ったらし感があり、何処と無く落ちが纏まらない印象が(^^;; アカガミは言葉から想像出来てし...
物語の舞台は未来の日本。急増する若者の自殺と性、恋愛離れ。 国はお見合いシステムを始動させるが、、、 ミツキをアカガミに誘うログの位置付けも何となく謎なまま。 ミツキの母親も何となく放ったらし感があり、何処と無く落ちが纏まらない印象が(^^;; アカガミは言葉から想像出来てしまったり、、、 何とも不思議な世界観だったが、私の好みではなかったなぁ。。
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少し前に村田沙耶香の『消滅世界』を読んだばっかりだったので、作品が放つ匂いとでもいうのでしょうか、設定や世界観などの類似性に驚きました。念のためですがパクリとかいってるわけじゃないですよ。2作とも河出書房新社の「文藝」が初出で、発表もほぼ同時期なので、恐らく編集部が似たようなテー...
少し前に村田沙耶香の『消滅世界』を読んだばっかりだったので、作品が放つ匂いとでもいうのでしょうか、設定や世界観などの類似性に驚きました。念のためですがパクリとかいってるわけじゃないですよ。2作とも河出書房新社の「文藝」が初出で、発表もほぼ同時期なので、恐らく編集部が似たようなテーマでオーダーを出したのでしょうね。どちらも面白いですが、個人的な好みでいうと主人公たちの心情や行動により納得感があるという点で、本作のほうに軍配をあげたいです。まあ『消滅世界』は『殺人出産』との対比で評価を下げた面があるので、著者の他の作品を読んだら印象が変わるかもしれないのですが。 ところで、窪さんがこういうSFチックな作品を書かれる方だとは全然思っていなかったので、読み終えてちょっとびっくりしました。もちろん窪さんらしい官能描写もあるにはあるのですが、既読の作品と比べると随分おとなしめな印象です。意外性のあるラストを含めて、著者の新しい一面を見ることができる作品だと思います。ただ、設定を今から十数年後にしたのはちょっと早すぎたんじゃないかという気はしました。これほどの意識の変化がこんな短期間で起きるというのは、さすがにちょっと無理があると思ったので。
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他者に関心を持てなくなり関係性の希薄になった未来。 アカガミ制度に志願することで国から手厚い保護を受けながら 初めての恋、初めての夫婦生活、初めての出産を通して生きる実感を取り戻していく若者たち。 その裏に何があったとしても、その過程で得たものを支えにして...。 このラスト...
他者に関心を持てなくなり関係性の希薄になった未来。 アカガミ制度に志願することで国から手厚い保護を受けながら 初めての恋、初めての夫婦生活、初めての出産を通して生きる実感を取り戻していく若者たち。 その裏に何があったとしても、その過程で得たものを支えにして...。 このラストから希望を汲み取るのは難しいけど過程の部分を思い返すことで希望も持てるんじゃないかなという感じが。 自分の人生に不意に現れた他者こそが希望の光。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
後半かなり盛り上げておいて、尻切れとんぼ感が否めない。 解説では、最後のサツキの笑みは「圧倒的な肯定の力」として記載されているけれど、わたしには怖くてたまらなかった。これからどうなるかわからない3人の生活、不適合の意味、ミツキの母親、ログ、描かれていないことが多くてもやもや。また、赤ん坊が泣いている=ミルクしか頭に浮かばないミツキとサツキの今後にも、不安を感じざるを得ません。 個人的に思ったこと。ミツキの生い立ちや現在の母親との関係を考えた時に、こんなにも簡単にサツキや赤ん坊を受け入れることができるのだろうか。ところどころでミツキはアカガミという制度に対して疑問を感じている。けれど、「守られている」ことでその疑問を封印してしまう。そこを封印させずに向き合って命とか生きることの素晴らしさを描いていくのが窪さんの作品らしいんじゃないかなー、なんて勝手なことを思ってみたり。 ログの「恋愛や、出産や、子育てに費やされなかった時間を甘くみてはいけない。その時間は女に必要なものよ。その時間が全部、自分にだけ向けられたとき女は狂うの」という言葉にも苛立ちを隠せない。その意図や背景をもっと知りたい。ログの子どもの話も出てくるけど、うーん、もう少し描いてほしかったな、という印象。 現在放映されている「結婚相手は抽選で」というドラマとテーマが似通っていて、「結婚」というものを、「子どもを残すためのシステム」として考えていて。国家が予算を組んで行う事業である以上、ただただお金をつぎ込むだけでなく、そこにはお金をつぎ込んだ分の見返りを求められる。軍隊を彷彿とさせるような。でも、子どもって産めばいいもんではなくて、子育てって、壮絶で。その壮絶を、子どもの立場で経験している人は、結構いる。 現在も晩婚化やいろいろな生き方を認めていく時代の中で、どんどん少子化はすすんでいく。「若い人が日本を支えていくんだから、子どもは宝だ」とか「このままでは社会保険制度が成り立たなくなる」とか、そんなことは知ったこっちゃなくて。だったら、来るべきそんな将来に備えて制度を作りかえることが政治家の役割なんじゃないの?と思う。世の中の人が全員、子どもを持つことに肯定的とは限らない。子どもを持てない人だっている。ミツキとサツキのように、子どもを持ってから「こんなはずでは」と思う家族だっている。それを全部認めていけるような社会にするのであれば、少子化を対策なんてしちゃダメだって。少子化だっていいじゃない。ひとりひとりは輝いて生きてるんだ。 ログの言う「狂う」生き方かもしれないけれど、それがどうしてダメだっていうんだ。結婚して子どもを産み育てることだけが、幸せじゃない。
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