レプリカたちの夜 の商品レビュー
面白かった。 ただ、終わりになるにつれて、これはもう大風呂敷を広げ過ぎて回収出来ないというか、カタルシス的なものは無いだろうなぁと分かってしました。 友達に勧めるかと言われればNO.だが、読んで良かったかなぁと。思う。記憶には残る。奇天烈すぎて。
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なにひとつわからないが、なにひとつわからないまま物語が進んでゆく。 書店に並んでいた装丁とタイトルの感性に惹かれて手にとった。冒頭からすでにわけがわからないが、ぱらぱらと捲って読んでみてもわけがわからない。そして最後まで読み終えても、未だわたしはなにもわかっていない。 ただひたすらに混沌の世界がそこにあって、読書体験としてあまりにも強烈だった。 これまで多くの物語を見てきて、ある程度その展開が読めるようになってしまったなと感じていたが、そんなものは跡形もなく吹き飛ばしてくれた。 途中、あきらかに作者のこころの声がまろび出ていてまたそれもおもしろかった。 わからないものをわからないまま受けとめること、じつは難しいことなんじゃないかと思っているが、わからないからこそ そこに奥行きが生まれ、わからないからこそおもしろい。“わからなさ”のおもしろさを強く感じる本だった。
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具合の悪くなりそうな話。 私はまだ好きになれそうにない世界観。 気持ちが悪いのに何故かサクサクと読めてしまうのはすごい。
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ミステリーかと問われれば、ミステリーだ。まず浮かんだのは「うたかたの日々」。時間軸と場所が歪んだかんじ。次に浮かんだのはうる星やつらの「ビューティーフル・ドリーマー」。こういう作品らはジャンル分けが難しい。
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冒頭で投下される不自然な事象がやがて何らか論理的な帰着に至るのかと思いきや、読み進めるとその世界観は我々の知っている仕組みから早々に逸脱し、ぶっ壊れていく。あるいはぶっ壊れていることが明らかになる。 異常事態の度合いは終盤に至って加速的に増幅。気付いた頃には整合性は失われ、不条理...
冒頭で投下される不自然な事象がやがて何らか論理的な帰着に至るのかと思いきや、読み進めるとその世界観は我々の知っている仕組みから早々に逸脱し、ぶっ壊れていく。あるいはぶっ壊れていることが明らかになる。 異常事態の度合いは終盤に至って加速的に増幅。気付いた頃には整合性は失われ、不条理かつ混沌とした様相の只中に放り込まれる読書体験は、ほとんど幻覚や悪夢を見させられているかのよう。 この酩酊感、まさにサイケデリック。ミステリーどころかとんでもないサイケ小説でした。
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難解でした、意味がわからなくても面白い感覚が良かったです。小山田浩子さんのような作風です、好きな方はハマると思います。
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私は一体何を読んだのだろう。 黙示録という言葉が浮かんだ。 時代や場所が不明瞭。日本人やブラジル人の名前、様々な動物。ここは方舟? シロクマが「アール」と鳴く。有る、在る、或? 終始、不協和音が鳴っていた。 メビウスの輪のように時空が繋がっている。 オリジナルってなんぞや。自...
私は一体何を読んだのだろう。 黙示録という言葉が浮かんだ。 時代や場所が不明瞭。日本人やブラジル人の名前、様々な動物。ここは方舟? シロクマが「アール」と鳴く。有る、在る、或? 終始、不協和音が鳴っていた。 メビウスの輪のように時空が繋がっている。 オリジナルってなんぞや。自我って何?といったテーマが当然背景にあると思うが、そんな厄介なことを考えたくはない。すべてナンセンスに帰結するのだから。伊坂幸太郎さんも推しているって。ミステリー?SF?ちがうちがう、そうじゃない(笑)私はこれをメルヒェンと称したい。
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ミステリーでもファンタジーでもなく、だらだらと話が進むが中ほどで落ちも見える 作者は何か伝えたかったのか、それを深読みすると不気味なだけだ 読むべきでない
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ミステリーのジャンルに入る小説だけど話を進める内に色々な場所に行くファンタジーになっているなーと思います。 工場から、下水道、闇に覆われたアンモニア臭漂う不気味な世界等、そういう世界観は楳図かずおの漂流教室みないなおどろおどろしい不気味な感じがしました。 絶滅したはずのシロク...
ミステリーのジャンルに入る小説だけど話を進める内に色々な場所に行くファンタジーになっているなーと思います。 工場から、下水道、闇に覆われたアンモニア臭漂う不気味な世界等、そういう世界観は楳図かずおの漂流教室みないなおどろおどろしい不気味な感じがしました。 絶滅したはずのシロクマを見つけてから不思議な不条理な世界に入っていく所は不思議の国のアリスみたいで面白かったです。
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残業続き、疲れた往本の目の前に現れたのはシロクマだった。なぜか工場長にそのシロクマを始末するように命令される。シロクマは本物か、レプリカの産業スパイか、個性的な同僚たちを巻き込みつつ、往本はシロクマに再び相まみえられるのか。 やり過ぎるとコントでは!?というギリギリのラインを保った掴みどころのなさ、不可解さ、面白さ。言葉の使い方、漢字とひらがなの分量も絶妙に計算されているのか、読んでいて引っかかると同時に不可解さにぶわぁと包まれて煙に巻かれる。私は好きです、こういう作品(笑)1年に1作品ぐらい読みたくなる。シンプルに面白かった。 著者デビュー作にして第2回新潮ミステリー大賞受賞作。解説には、審査員の伊坂幸太郎さん曰く「ミステリーかどうか、そんなことはどうでもいいなあ、と感じるほど僕はこの作品を気に入っています」とある。ミステリー大賞なのに、ミステリーという枠を超えていようと世に出したかったみたいです( *´艸`)
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