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レプリカたちの夜 の商品レビュー

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117件のお客様レビュー

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    10

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  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    20

  5. 1つ

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2018/11/16

文庫の帯と表紙の絵に惹かれて購入しました。意味不明、不可思議なストーリー展開なのに引き込まれました。往本の身に次から次へとおかしなことがおこり、着いて行くのでやっとになってしまいました。あまりに突飛でおかしな世界でした。ミステリでもありますが近未来SF感が強いです。ぞわぞわする気...

文庫の帯と表紙の絵に惹かれて購入しました。意味不明、不可思議なストーリー展開なのに引き込まれました。往本の身に次から次へとおかしなことがおこり、着いて行くのでやっとになってしまいました。あまりに突飛でおかしな世界でした。ミステリでもありますが近未来SF感が強いです。ぞわぞわする気持ち悪さが癖になる。オチがゾッとしました。やはりミステリだなぁと。この世界観をまた味わいたいです。

Posted byブクログ

2018/11/13

この物語の中には、真実と呼べるものはないけれど、真実らしきものはちらほら散見される。現実と呼べるものは結局のところ記憶でしかなくて、事実というものは主観によって変わる解釈でしかない。主人公を含む登場人物も一貫してつかみどころのない奇怪な人たちばかりで、繰り広げられる会話は何らかの...

この物語の中には、真実と呼べるものはないけれど、真実らしきものはちらほら散見される。現実と呼べるものは結局のところ記憶でしかなくて、事実というものは主観によって変わる解釈でしかない。主人公を含む登場人物も一貫してつかみどころのない奇怪な人たちばかりで、繰り広げられる会話は何らかの問いと回答の繰り返しではあるものの、そこに必然性はなく、向かう方向も、向かうべき場所も、あまりあてにならない。何が確かなのか、ということの前提として、自分とは何なのか、自分は果たして自分なのか、という問題意識は一貫しているけれど、結局は答えを得られずに終わる。そしてよく歩く。物語は決して核心には迫らない。その周縁をただたださまようばかりだ。その体裁だけならば、カフカの『城』やブランショの『至高者』のようでもあるけれど、この作品はそのような晦渋をろ過した『ねじ式』のような夢だと思う。すべては何らかのモチーフではあるはずなのに、そこに迫ると消え失せてしまうような雲をつかむような小説。理路整然とした起承転結を好む読者には向かない。傑作というよりは、明らかに怪作。

Posted byブクログ

2018/11/12

ミステリかそうじゃないかとか 評価が高いか低いかとか そんなことはどうでもいい 意味がわからん。 でも なんか面白かった。 変な本だけど。 もう一歩踏み込みたかったかな。 置いていったものが多すぎる。

Posted byブクログ

2018/11/15

賛否両論渦巻くレビューを読んでの躊躇を怖いもの見たさが勝ってしまった。読み進める程に、新潮ミステリー大賞でなく、講談社メフィスト賞かハヤカワSFコンテストの間違いでは…?という疑念は深まるばかり。ディストピアSFに当て嵌めてみたものの、しっくり収まるジャンルは現存しない気も。荒唐...

賛否両論渦巻くレビューを読んでの躊躇を怖いもの見たさが勝ってしまった。読み進める程に、新潮ミステリー大賞でなく、講談社メフィスト賞かハヤカワSFコンテストの間違いでは…?という疑念は深まるばかり。ディストピアSFに当て嵌めてみたものの、しっくり収まるジャンルは現存しない気も。荒唐無稽を通り越し、最早支離滅裂なのに、妙に惹かれるこの奇妙さ。沼田まほかる作品の如く【問答無用の引力】を発する怪作。余談:作中の『何があってもおかしくない世の中ですから』という台詞は某憑き物落としの古書店主へのアンチテーゼの様な…。

Posted byブクログ

2018/11/10

冒頭から 白昼夢に引きずり込まれたような感覚になり、 常に言い知れぬ不安がつきまとうような展開に、 ページをめくる手が休まりませんでした。 この不安は、 古来より人間が抱える〝生命とは何か?〟 〝わたくしとは何か?〟という、 根源的な問い掛けからくるものだと思われます。 時代設定...

冒頭から 白昼夢に引きずり込まれたような感覚になり、 常に言い知れぬ不安がつきまとうような展開に、 ページをめくる手が休まりませんでした。 この不安は、 古来より人間が抱える〝生命とは何か?〟 〝わたくしとは何か?〟という、 根源的な問い掛けからくるものだと思われます。 時代設定も、場所の設定も曖昧ですが、 そのふわふわとした曖昧さが、 かえって効果を発揮しています。 第2回新潮ミステリー大賞を受賞した 作者のデビュー作だそうですが、 ミステリーというより 不条理小説といった方がよいかもしれませんネ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

Posted byブクログ

2018/10/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一ページ目からとても魅力的。謎めいていて不思議な、よくわからない世界が広がっている。さまざまな動物が絶滅している時代に動物のレプリカを作るという仕事。登場人物たちの良さとどこに進んでいくのか、この先どうなっていくのか予測がつかない展開。自分の見ているものは何なのか。世界のその奥深くにある隠されたもの。人間と地球、人間と動物というものの関係に想いを馳せながら読んだ。

Posted byブクログ

2018/10/06

新潮ミステリー大賞受賞作。 『ミステリー大賞』というジャンルを限定した賞だが、本書はミステリか? と考えると、『違う』と言わざるを得ない。そういう意味では、面白い作品は、例え少々のカテゴリエラーがあったとしても受賞するものなのだろう。個人的には純文学系でも、SF・ファンタジー系の...

新潮ミステリー大賞受賞作。 『ミステリー大賞』というジャンルを限定した賞だが、本書はミステリか? と考えると、『違う』と言わざるを得ない。そういう意味では、面白い作品は、例え少々のカテゴリエラーがあったとしても受賞するものなのだろう。個人的には純文学系でも、SF・ファンタジー系の賞でも、これならば受賞作になったのではないか、という気がする。 要するに面白いので、この機会に買うといいよ! というお話。

Posted byブクログ