沈黙のパレード の商品レビュー

東野圭吾(著者)

2023/07/30

沈黙のパレード
東野圭吾

ガリレオシリーズ⑨

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悪人は悪人のままだけど、善人でも悲しみや憎しみが増大すると悪人になってしまう。

殺人事件の容疑者が黙秘を貫き通して無罪になるって有り得ることなのか分からないけど、犯人である証拠も見つからなければ本人の供述しかないのか。

パレードという華やかさを沈黙という薄暗さで打ち消してしまったタイトル通り、全体的にもの悲しいお話だった。

2023/07/30 読了

2023/07/26

気になってて読みたかった一冊！！！　

町内あげての復讐劇と緻密な犯行、話しも二転三転して真実が明るみになっていくたんび驚きの連続でした！
まさに『沈黙』の一言。
やっぱりガリレオシリーズ好きだなぁ〜映画の方も気になるから観たいなと思いました。

2023/08/06

探偵ガリレオ・シリーズ、6年ぶりの長編。9作目になります。

町の人気者だった娘・佐織が行方不明になって数年後。遺体が発見された。
容疑者は、以前に草薙刑事が別件で担当したことがある男。その時も無罪だったが、今回も証拠不十分で釈放されたのだ。
その男が町に現れたため、人々の間には不穏な空気が立ち込めることに。
そして、思い出深い町のパレードの日、ここで事件が起きてしまう。

警視庁の草薙と内海は、湯川教授を訪ねる。
湯川は被害者家族のやっている店に何気ない顔をして通う。
そして‥
息詰まるような町の空気、人々の悲憤、やり場のない怒り。
湯川の語ることは「容疑者Xの献身」などの事件を経てきたからこその想い、と感じられます。
それが印象的でした。

2023/06/18

東野圭吾さんの作品、ブクログ登録は27冊目になります。

本作の内容は、次のとおり。

---引用開始

『ガリレオ、再始動!』
シリーズとしては、6年ぶりの単行本が、長篇書下ろしとして堂々の発売!容疑者は彼女を愛した普通の人々。哀しき復讐者たちの渾身のトリックが、湯川、草薙、内海薫の前に立ちはだかる。

突然行方不明になった町の人気娘・佐織が、数年後に遺体となって発見された。容疑者はかつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。さらにその男が、堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を「憎悪と義憤」の空気が覆う。

かつて、沙織が町中を熱狂させた秋祭りの季節がやってきた。パレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたか。殺害方法は?アリバイトリックは?超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める。

第一作『探偵ガリレオ』の刊行から二十年――。シリーズ第九作として、前人未踏の傑作が誕生した。

---引用終了

本作は、ガリレオシリーズの第9作になります。
そのガリレオシリーズを9作目まで列挙すると、

・第1作『探偵ガリレオ』
・第2作『予知夢』
・第3作『容疑者Xの献身』
・第4作『ガリレオの苦悩』
・第5作『聖女の救済』
・第6作『真夏の方程式』
・第7作『虚像の道化師 ガリレオ7』
・第8作『禁断の魔術 ガリレオ8』
・第9作『沈黙のパレード』

この中で読んでいないのは、第5作『聖女の救済』だけです。
思ったよりも読んでいました。

2023/06/05

火災現場から見つかる2人の遺体、1人は住人、1人は3年前に行方不明になっていた歌手を目指していた女の子。
殺人の可能性があり、容疑者はなんと23年前にも殺人容疑で起訴されたけど証拠不十分で無罪になった男。
今回も逮捕されたけど起訴されず釈放、その後容疑者が死んでまう。多くの人に動機があり...なお話。

登場人物の背景が結構書かれていてなるほどねぇって感じで読みました。
面白かったです( ◠‿◠ )

2023/06/03

探偵ガリレオシリーズ。

東京都にある小さな街で起こった殺人事件の容疑者だった人物が殺害される。

その容疑者は、過去にも別の殺人容疑で捕まったのだが、無罪の判決が出ていた人物。

その２つの事件に関係していた多くの人物がその容疑者殺人に関与している。

本人も何をしているか理解していない関係者もいて、一人一人の役割を湯川教授が紐解いていく。

みんないい人なのだが、憎き容疑者を殺すことに手を染めていくところは読んでいて辛くなる。

相変わらずよくできたストーリーでした。

2023/05/25

ガリレオシリーズ

多くの登場人物と複雑に練り上げられたストーリーで読み応えのある作品でした。

黙秘で無罪となっている極悪非道な蓮沼に対抗する人々の人情と友情に心揺さぶられました。

また、犯人もトリックも二転三転するのが巧妙で本当に面白かったです。最後の最後まで、予想が見事に裏切られたおかげで、読後感も悪くはなかったです。

ただ、事故とはいえ新倉留美に対するモヤモヤが残ったままで少し消化不良です…

2023/05/17

　湯川先生の帰還を心待ちにしていた。
　シリーズが継続されることに安堵。
今作の物語の陰鬱さ、暗闇が立ち込めている様子は久々の感覚。不起訴になって過去の事件の関係者達の前に現れる男と、対象的に誰からも愛され可愛がられていた女性の対比が、最終盤、ドンデン返しの要領で明かされる真実の衝撃をいっそう大きくさせている。
　ガリレオシリーズは本格に通ずる、トリックや犯人が誰かという衝撃に期待しているが、今までの長編の中でも屈指の出来だった様に思う。
　被害者が殺害される事に対して、登場人物達は全くの憐れみを持っていない。街全体を通して殺害に加担している様な雰囲気は僕の大好きなとある古典ミステリーの大傑作を思い出し、東野圭吾ならここからどの様な結末になるのだろうと目が離せなかった。

2023/05/10

安定の面白さで、さすが東野さん。

事件も一段落して、もう終わりの筈なのにまだページあるなーと思ったら、やっぱりもう一捻り。
最後の湯川教授のセリフも良かった。

2023/04/30

久しぶりのガリレオシリーズ。
殺人を犯したものが無言を貫いて無罪となり、また同じことをして釈放される状況に、怒りというか無力感というか感じて前半は読むのが辛かった。
湯川教授が被害者の店に通い始めてからの展開は、やはりどう解決して行くのかと思って一気に読み進めて行った。新たな事件は湯川教授も騙されてしまったが、その後の展開はお得意の推理力で進んで行く。二転三転した目まぐるしい展開も解決と思ったら、そこから二転三転と単純には終わらないのが東野作品。
馴染みとなった店の人達よりも真実を追求する湯川教授の正義感に冷たさも感じたが、最後は同期の警部への友情と馴染みの人達への愛情も描かれ安心した。