国宝(下) の商品レビュー
上巻を読み終わって、予約取り置き済みだった下巻を借りに行こうと思っていた矢先、コロナで図書館が閉館になってしまったので、上巻を読んでから3か月近く経ってから下巻を読んだ。内容を細かいところまで覚えているか不安になりながら読み始めたけれど、割とすぐにこの世界に戻ることができた。それ...
上巻を読み終わって、予約取り置き済みだった下巻を借りに行こうと思っていた矢先、コロナで図書館が閉館になってしまったので、上巻を読んでから3か月近く経ってから下巻を読んだ。内容を細かいところまで覚えているか不安になりながら読み始めたけれど、割とすぐにこの世界に戻ることができた。それってたぶん、この小説の世界がしっかり築かれていて、上巻を読んでいる間私自身その世界に没頭できていたからじゃないかな。 それにしても吉田修一さんの守備範囲の広さにびっくり。歌舞伎もたまに観に行くけれど、歌舞伎座で観た舞台や空気感、匂い、三味線の音、唄などがリアルに浮かんできた。 明るく強い光は濃く暗い陰を作るという。表向きは華やかな役者さんの凄まじさ、業を感じた。 吉田さんの作品は映像化されるものも多いけれど、原作からかけ離れ、原作への敬意が感じられないような映像化作品は正直言って見たくない。この作品ももし映像化するなら、安易に作らず、キチンと作ってほしいと思う。歌舞伎を愛する人はたくさんいる。もし映像化するなら、日舞や所作も含めてちゃんと作品にふさわしい役者を配役してほしいと願う。
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父権五郎の死をきっかけに、長崎から大阪へやってきた喜久雄。 二代目花井半次郎の息子俊介とともに、歌舞伎界の寵児となっていく。 ただ芸を磨くために。 もっと、うまくなりたい。 もっともっと、極めたい。 そんな二人の願いに立ちはだかるように、これでもかと宿命の嵐が襲いかかる。 ...
父権五郎の死をきっかけに、長崎から大阪へやってきた喜久雄。 二代目花井半次郎の息子俊介とともに、歌舞伎界の寵児となっていく。 ただ芸を磨くために。 もっと、うまくなりたい。 もっともっと、極めたい。 そんな二人の願いに立ちはだかるように、これでもかと宿命の嵐が襲いかかる。 策や要領などは通用しない。 逃げる訳にも行かない。 ひとたびは敗れ去ったかのようにみえても、喜久雄は不死鳥のように何度でも這い上がってきた。 いつまでも、舞台に立っていたい。 幕を下ろされるのが、怖い。 だから何があっても、前に進み続ける。 手紙から、携帯電話へ、そしてインターネットへ。 時代がいかに変わっていこうとも、変わらないものがある。 離れがたい親子の物語。 無償の友情の物語。 そして、すべてを貫く師弟の物語である。 歌舞伎の知識がゼロだったとしても。 圧倒的に引き込まれて、読むのをやめることができない。 この語りを、ずっと聞き続けていたい。 そして、歌舞伎が見たくてたまらなくなる。
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これは良かった! 関西弁の響きが、絶妙に心地よく。関西歌舞伎が舞台でなかったら、ここまで入れなかったかも。 狂気、葛藤、努力、ライバル関係、不遇、栄光、極み、面白い要素が詰まっている物語。
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素晴らしい!!! 個人的にはクライマックスにものすごい期待していたのですが クライマックスそのものはブラボーでも、 そこに向かうまでがちょっと駆け足というか…悪く言えば雑、というか… でも、いちいち描写がすごい!! 上巻冒頭のヤクザの乱闘シーンなんて 読みながら映画見てるみたい...
素晴らしい!!! 個人的にはクライマックスにものすごい期待していたのですが クライマックスそのものはブラボーでも、 そこに向かうまでがちょっと駆け足というか…悪く言えば雑、というか… でも、いちいち描写がすごい!! 上巻冒頭のヤクザの乱闘シーンなんて 読みながら映画見てるみたいだった。 めちゃくちゃ美しかった。 歌舞伎も大好きなので、誰かモデルがいるのかしら? とか思ったり、 ここんとこはあの人っぽいなとか 思いながら読むのもまた楽しかった。 頼むから映画化とかはしないでほしい。 できる役者いないし。 ていうかやるとなったらどうせ8代目染五郎とか使うんでしょとか思ってしまう。(いや染五郎さんはとても美しくて素晴らしい役者さんと思いますが) この作品は小説として完全美だと思うんですよ。 だから映像化はかんべん!!
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とても良かったです スゲー感動しました 1人の歌舞伎役者の生き様を淡々と書かれている感じがとても良く 小説を漫画に例えるのってダサいと思うんですが ヒカリの碁やアイシールド21みたいに題材となる事柄の事は結局よくわからないままなんだが それに相対する人間ドラマで書き上げていく...
とても良かったです スゲー感動しました 1人の歌舞伎役者の生き様を淡々と書かれている感じがとても良く 小説を漫画に例えるのってダサいと思うんですが ヒカリの碁やアイシールド21みたいに題材となる事柄の事は結局よくわからないままなんだが それに相対する人間ドラマで書き上げていくというのは本当に実力がなければ出来ないなーと感動しました 分厚い事もあり 中学生から晩年まで書かれている為に 読み終わった後の達成感が半端なかった
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2019年4月「眼横鼻直」 https://www.komazawa-u.ac.jp/facilities/library/plan-special-feature/gannoubichoku/2019/0401-7637.html
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装丁からも期待して。読み始めはちょっと進まなかったけど、次第に引き込まれていった。 歌舞伎は1度しか観たことないけれど、この描写はすごい… 誰かに教えたい、共有したい、また読み返したい。。 あっと言う間に下巻へ。
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特にモデルは無い、というなか確かに一人の歌舞伎役者の半生を共に感じられる名作。 なのだけど、終盤でご都合主義的な展開も続き、すこし面倒になったのかな、、と感じた。特にフィナーレに消化不良。最後まで、言葉にしてほしかった。
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主人公二人の対立の物語ではなく、二人が病気や家族に翻弄されながらも、一生懸命歌舞伎にまい進していく、というところがよかった。真面目に一途に生きていても、行く手を阻むものが現れる、それとどう戦っていくか…二人を応援しながら読みました。
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喜久雄はほんとうに人を犠牲にして芸道を極めたのか?そうではない。そう思おうと思ったんだ。何故だろう?もう少し考える時間が必要だ。
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