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コンビニ人間 の商品レビュー

3.9

2765件のお客様レビュー

  1. 5つ

    659

  2. 4つ

    1130

  3. 3つ

    690

  4. 2つ

    112

  5. 1つ

    26

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2019/03/09

「人間は誰しも進化の途中の動物」と村田沙耶香の他の著書にも書いてあったけど、村田沙耶香は人間の不完全さを描くのが上手いな〜そこに疑問を持って見つめ続けちゃう人なのだな、という感じがします。 今作でも過去の時代に「正しい時代はなかった」というけど、それは当たり前で、進化の途中だから...

「人間は誰しも進化の途中の動物」と村田沙耶香の他の著書にも書いてあったけど、村田沙耶香は人間の不完全さを描くのが上手いな〜そこに疑問を持って見つめ続けちゃう人なのだな、という感じがします。 今作でも過去の時代に「正しい時代はなかった」というけど、それは当たり前で、進化の途中だからです。 そして進化する生体は、異常なのが当たり前です。全部同じだと絶滅するから、異常なのがいて当たり前です。異常なのが世界を作っていきます。と、私は思う。 先日池袋のコンビニに行くと「コンビニ人間」に出くわした。勤労する姿に元気を貰い、「コンビニ人間悪くないじゃん」と思った。 村田沙耶香の先の世界が現実には広がっているんだなーととても楽しくなった。

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2018/10/26

ちょっと主人公がぶっ飛び過ぎててあんまりしっくりこなかったかな……自分に文学的作品はやはり合わないらしい。 テーマがコンビニという身近なもので、さくさく読みやすかったのは良かったかな。確かに世の中「普通」であることを求めれる風潮は大いにある。多様化が進んでいるとはいえ、「普通」か...

ちょっと主人公がぶっ飛び過ぎててあんまりしっくりこなかったかな……自分に文学的作品はやはり合わないらしい。 テーマがコンビニという身近なもので、さくさく読みやすかったのは良かったかな。確かに世の中「普通」であることを求めれる風潮は大いにある。多様化が進んでいるとはいえ、「普通」から余りに逸脱している人からしたら、コンビニは過ごし易いのかもしれない。 でも確かにコンビニは無機質だ。個人的には、コンビニには必ず何かを買う目的で入っているし、何か楽しいものに出会うために……と思って入ることはない。食品であれば直売所やスーパーに、本であれば本屋に行く。便利さと無機質さは、切っても切り離せないのかもしれない。

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2018/10/25

わっ、芥川賞受賞作だ、小難しいかもしれないという予想を裏切り、とても読みやすい。 どこにもそうだとは書いていないけれど、どう読んでも主人公はアスペルガー症候群。幼い頃から「変わっている」と言われ続け、どこがおかしいのか自分ではわからない。コンビニでバイトしているときだけ、彼女は...

わっ、芥川賞受賞作だ、小難しいかもしれないという予想を裏切り、とても読みやすい。 どこにもそうだとは書いていないけれど、どう読んでも主人公はアスペルガー症候群。幼い頃から「変わっている」と言われ続け、どこがおかしいのか自分ではわからない。コンビニでバイトしているときだけ、彼女は完璧。 怒りの感情が湧くということもない彼女。人に見下されても気にならないどころか、人を見下しているひとの表情を観察している彼女に目からウロコ。こんなふうになれたら、日々のイライラもグッと減る。彼女は他人のことを見抜いています。コンビニのマニュアルどおりに動いているとしても、機械ではなくて、まぎれもなく「人間」。 「普通」とはいったい何なのか。彼女のことを「直す」だとか「治す」だなんて思うところがすでに傲慢。みんなそれぞれ、人とちがうところを必ず持っているはずなのだから。

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2018/10/25

村田沙耶香さんの本は 途中まであるある!と思いながら読むのですが 最後が鳥肌たちますね。 まわりと摩擦がおきないように同じように目立たないように生きている人ってたくさんいるとおもいます。 仕事場にいるときは マニュアルがあったり まわりにお手本になるような人たちがいたりと安心です...

村田沙耶香さんの本は 途中まであるある!と思いながら読むのですが 最後が鳥肌たちますね。 まわりと摩擦がおきないように同じように目立たないように生きている人ってたくさんいるとおもいます。 仕事場にいるときは マニュアルがあったり まわりにお手本になるような人たちがいたりと安心ですよね。

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2020/09/23

主人公は、いわゆる他の人と同じような感覚を持っていない人物として描かれている。そのため、かえって狭い舞台の中でも、味のある世界観を作ることができているのだと思う。 読者は、自分の視点と、主人公の視点、そして、小説内でいう「普通の人」であればこう考えるよねという視点で読み進めること...

主人公は、いわゆる他の人と同じような感覚を持っていない人物として描かれている。そのため、かえって狭い舞台の中でも、味のある世界観を作ることができているのだと思う。 読者は、自分の視点と、主人公の視点、そして、小説内でいう「普通の人」であればこう考えるよねという視点で読み進めることになる。 そのため、ちょっとした日常の出来事が随分と大した出来事のように感じてしまうのかもしれない。

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2018/10/23

すごく面白かった! 自分も「世の中の普通」にとらわれた人間なんだと思い知らされた。 世の中の普通に見せるために言い訳しなきゃいけないのもすごくわかる。。

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2018/10/23

短い小説だけど内容はすごく濃かった。変わり者で社会に溶け込めない主人公の小説はたくさんあるけど、この主人公の潔さは今まで読んだ中で一番だった。芥川賞っぽい奇妙な世界観がすごくよかった。

Posted byブクログ

2018/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文庫化されてようやく読みました。 アラフォー目前のコンビニバイトの女性の 普通とは?社会とは?そんな純粋な問いかけに 読みながら自分の普通が分からなくなっていくような 不気味な空気を纏いながら淡々とした文章。 読み終わってみれば特に大きな事件などは無く 結果的にコンビニバイト、ニート、コンビニバイト という、そう盛り上がりのない内容なのに コンビニという、国内外問わずどこにでもある 無機質なテーマと主人公の持つ無機質な性格が ガッチリ噛み合い、物語が進んでいく。 その中に巧みな比喩表現だったり ああ、こういうのあるよなぁと共感させられたり スラスラ読めちゃうけれど その奥にまだ何か隠されているようで つい読み返してしまいます。 村田沙耶香の才能が爆発した一冊。

Posted byブクログ

2018/10/19

人間とコンビニの一致、というのが細部にわたってまで繰り返されている(中身の流動する容れ物、聴覚と視覚、ガラスの容器)。 使われる固有名詞に現代を感じた。

Posted byブクログ

2018/10/19

170ページ程度の物なので、スラスラと読むことができた。しかし内容は凝縮されていた。白羽のクズ度には終始イライラしながらも、主人公である古倉さんが全く気にしない感じで対応するので、なんとも言えぬ異様な雰囲気を味わうこともできた。

Posted byブクログ