女が死んでいる の商品レビュー
定期的に読みたくなる、貫井さんのイヤーーなミステリー。 後味が悪すぎて、ほんと嫌なんだけど、 世の中ってこういうふうにぐるっと裏返してみるとこう見えるんだ! ということに気がつかせてくれます。 やっぱり読んで後悔だけど、それでもやっぱり読んで良かった。
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貫井徳郎さんの5冊目の短篇集で、タイトルになっている「女が死んでいる」他、「殺意のかたち」、「二重露出」、「憎悪」、「殺人は難しい」、「病んだ水」、「母性という名の狂気」、「レッツゴー」の合計8篇で構成されています。どの御話も貫井さんらしい、「読者の持つ常識や固定観念の裏をかいミ...
貫井徳郎さんの5冊目の短篇集で、タイトルになっている「女が死んでいる」他、「殺意のかたち」、「二重露出」、「憎悪」、「殺人は難しい」、「病んだ水」、「母性という名の狂気」、「レッツゴー」の合計8篇で構成されています。どの御話も貫井さんらしい、「読者の持つ常識や固定観念の裏をかいミステリー作品」でした。個人的には「二重露出」が良かったです。
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短編集(全8話) どの話も真相が分かってから数ページ戻った(笑) 個人的には『殺人は難しい』『母性という名の狂気』『レッツゴー』が好き!
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短編集。年代も内容もバラバラ。どれもスルッと読めるし、内容も十分楽しめる。ひねりをきかせたり工夫もあるし、この作者って短編も上手いんだな。 女が死んでいる。2015年。ホストが目を覚ますと知らない女が死んでいた。手帳を手がかりに住所を訪ねると、親友だという女に出逢う。疑われながらも思い出したのは、かつて自分が手酷く振ってきた女性たちだった。 殺意のかたち。1997年。パートナーを殺された女性。復讐のために、車をぶつけた男性を毒殺する。警察は男の妻を疑うが、はっきりしない。一応参考のために近所の主婦にも話をきく。 二重露出。1997年。公園前の蕎麦屋と喫茶店。居着いたホームレスの悪臭がひどくて、客足が落ち経営が苦しくなっている。どちらの夫婦も殺害を実行するが、死体を発見されてしまう。蕎麦屋の夫婦は自分たちの殺害場所と発見場所が違うことに驚く。 憎悪。1997年。愛人契約を結んだ男の素性を調べると、有名デザイナーの年下夫だった。妻には成人した息子がいるが、夫は殺される危険を感じているらしい。息子には、長年の母親に対する憎悪が渦巻いていた。 他4編。
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7編からなる短編ミステリー。オチが読めた作品も何作かあったが、7編全てがワンパターンではなく、違った雰囲気だったので結構楽しめた。中でもクズ男が主人公『女が死んでいる』、女性の純愛が悲しい『憎悪』、本書内では異色の作品、可愛い女子高生が主役の『レッツゴー』がお気に入り。『母性とい...
7編からなる短編ミステリー。オチが読めた作品も何作かあったが、7編全てがワンパターンではなく、違った雰囲気だったので結構楽しめた。中でもクズ男が主人公『女が死んでいる』、女性の純愛が悲しい『憎悪』、本書内では異色の作品、可愛い女子高生が主役の『レッツゴー』がお気に入り。『母性という名の狂気』は怖い.....。全く予備知識なく、新刊コーナーにあったというだけの理由で読んでみた。今までこの作者の本を読んだことがなかったので、入門編としては非常によかったと思う。長編も読んでみたくなった。
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二日酔いで目覚めた朝、寝室の床に見覚えのない女の死体があった。玄関には鍵がかかっている。まさか、俺が!?手帳に書かれた住所と名前を頼りに、女の正体と犯人の手掛かりを探すが―。(「女が死んでいる」)恋人に振られた日、声をかけられた男と愛人契約を結んだ麻紗美。偽名で接する彼の正体を暴...
二日酔いで目覚めた朝、寝室の床に見覚えのない女の死体があった。玄関には鍵がかかっている。まさか、俺が!?手帳に書かれた住所と名前を頼りに、女の正体と犯人の手掛かりを探すが―。(「女が死んでいる」)恋人に振られた日、声をかけられた男と愛人契約を結んだ麻紗美。偽名で接する彼の正体を暴いたが、逆に「義理の息子に殺される」と相談され―。(「憎悪」)
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デビューから圧倒的な重厚作品を発表する著者の初期短編を中心にした作品集。騙されることが必至のどんでん返し8連発。 驚愕するほどではないが、すべて平均以上のトリッキーさがある。キャラクターにも無理がないので、普段ミステリーを読まない人でも馴染みやすいのでは。個人的に「二重露出」がお...
デビューから圧倒的な重厚作品を発表する著者の初期短編を中心にした作品集。騙されることが必至のどんでん返し8連発。 驚愕するほどではないが、すべて平均以上のトリッキーさがある。キャラクターにも無理がないので、普段ミステリーを読まない人でも馴染みやすいのでは。個人的に「二重露出」がお気に入り。
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一作ごとにテーマも雰囲気も文体もまるで違う(^ ^; 「一冊通しての感想」を書くのは無理だ(^ ^; 書かれた時期もバラバラらしく、 正直ちょっと「こなれてないな」とか 「分かりづらいな」と思った部分もあった(^ ^; 「先が読めてしまった」作品も(^ ^; ちゃんと調べてな...
一作ごとにテーマも雰囲気も文体もまるで違う(^ ^; 「一冊通しての感想」を書くのは無理だ(^ ^; 書かれた時期もバラバラらしく、 正直ちょっと「こなれてないな」とか 「分かりづらいな」と思った部分もあった(^ ^; 「先が読めてしまった」作品も(^ ^; ちゃんと調べてないけど、そう思った作品は 「若い頃」の作品だったりするのかも?(^ ^; もちろん、おぉ、さすが、そう来たか、 と思わず膝を打つような展開の作品もちゃんとある(^ ^ ミステリなので、細かく書けないけど(^ ^;
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※このレビューにはネタバレを含みます
貫井徳郎さんの新刊は、文庫オリジナルの短編集である。解説にある通り、貫井さんの著作に短編集は少ない。初出時期が古い作品が多いという点でも注目される。 デビュー作『慟哭』に代表されるように、初期の貫井作品は、結末の驚きに重点を置いていたように思う。本作収録の8編は、いずれも結末の驚きを狙っている点で共通している。自信満々の帯。実際、自分もかなり騙された。 女にだらしない男が、自宅で目覚めると、「女が死んでいる」。本作中唯一、薄々真相が読めたかも。男の職業は伏せておこう。2015年発表と最も近年の作品だが、最も貫井さんらしくないような。 「殺意のかたち」。一言で言えば復讐譚。ありふれた構図なのかと思ったら、貫井作品はそんなに甘くなかった。読み終えてタイトルになるほど、「二重露出」。正直、このシチュエーションには大変同情するが、やはり短絡的と言わざるを得ない。 タイトルはシンプルな「憎悪」。盗み聞きなんてしなければねえ…。成功者の破天荒な人生が生んだ構図に、苦笑するしかない。「殺人は難しい」。彼女はどこで間違ってしまったのか。貫井作品には珍しいネタ。 「病んだ水」。身代金が格安な、誘拐事件の裏とは。社会派作品とだけ書いておこう。短編でよかったと心底思う「母性という名の狂気」。この長さでも十分しんどいのに、結末が…。こういうニュースを耳にする度に、やりきれなくなる。親の立場としては、反面教師にするしかない。 最後に、本作中最も意外と言える「レッツゴー」。恋の物語です。純愛です。青春です。確かに、現実にあってもおかしくないケースではあるけど…。本作中、最大の収穫と言っても過言ではない。貫井徳郎の恋愛物なんて、もう読めないかも。 ずしんと重い長編も読み応えがあるけれど、貫井さんが隠れた短編の名手であることを知らしめる、貴重な作品集だ。貫井徳郎を知らない読者にもお薦めしたい。これほどの内容が、文庫オリジナルで読めるのだ。
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