春はまだか の商品レビュー
お江戸の闇を人知れず駆けて依頼人を『くらます』裏稼業、くらまし屋シリーズの第二弾。軽快な筆致で描かれるお江戸事情に心躍る時代小説です。 今回くらまし屋に依頼をしたのは十一歳の少女、お春。田舎からお江戸へ奉公に出たものの、店の旦那から襲われそうになって抵抗してしまったが最後、...
お江戸の闇を人知れず駆けて依頼人を『くらます』裏稼業、くらまし屋シリーズの第二弾。軽快な筆致で描かれるお江戸事情に心躍る時代小説です。 今回くらまし屋に依頼をしたのは十一歳の少女、お春。田舎からお江戸へ奉公に出たものの、店の旦那から襲われそうになって抵抗してしまったが最後、店の金に手を付けたと嘘の噂を流され、同じ奉公仲間からは冷たくされ、女将からも手ひどく扱われる毎日。そんな中郷里の母が危篤だと聞かされ、なんとか母に一目会いたいと望むもお春は屋敷の土蔵に監禁されてしまう。頼みの綱は、一度だけ抜け出すのに成功した際、助けてくれた人が教えてくれた『くらまし屋』の存在。母親が命のあるうちに、一目会いに行くことを願ってお春はひたすら耐えていた。 今作は一部前作の内容から続いている部分があるため、薄れかけた記憶を探りながら読んだ部分もありました。読み進めているうちに登場人物のことを思い出し、読むごとに江戸の世界に入り込んでいくような感覚になれました。 作者の方の筆運びがいいのか、話し言葉が町人言葉と武家言葉で軽快に進むのがいいのかわかりませんが、とにかく読みやすいと感じます。目の前に江戸のリアルな生活が浮かぶようで、現代の話ではないのにとても現実的というか、違和感なく物語の世界観に入っていくことができます。 今回、くらましてもらうことになったお春は、十一歳とは思えないほどしっかりとしていて、賢く、よく自分を保っていると思います。きっと笑ったらおぼこい女の子なのでしょう。家族のため、おっかあのため、泣きたいのを一生懸命堪えて前を見据える姿がとてもいじらしいです。 つらいことも多いこの世だけれど、いつか彼女が心から幸せと感じられる日々がくるといいなと思います。 作中にはたくさんの剣術の流派なども登場しますが、るろうに剣心で目にした剣術も登場したりして、現実は小説より奇なりということをそのまま感じたような気がします。歴史上には、きっと今からは想像もつかないような技達者がたくさんいたのでしょうね。 前作に登場した裏の組織のようなものは、今作では存在をにおわせただけでした。次作以降でどう展開していくのかを楽しみにしています。
Posted by
The今村翔吾ワールド 火喰鳥のキャラクターが登場するは、新たな敵キャラが現れるは、主人公の過去に伏線が貼られるは……… 飽きさせませんねー。
Posted by
これで事件解決かな?と思うと、そこからまた二転三転と物語が動くので、最後まで息づく暇がない。少しずつト登場人物たちの輪郭も見えてきてまた次巻も楽しみ。
Posted by
気持ちのいい終わりかただった。今村翔吾は羽州ぼろ鳶組シリーズを追い、そのほかもいろいろ読んだがおもしろい。 今回は実験的に一部を本を見ながらaudible も使った。やはり自分で読む方が速いし入り込めるようだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2024/1/30 こっちいいですねぇ。 ちょっとだけぼろ鳶の人たちが出るのもにやける。 ま、出たの菩薩だけど。同じ時代なんだね。 大丸が早世したっていうのもヒュッてなったけど、ぼろ鳶と絡んでるのはその息子だよね? 何代目まで覚えてないよ… 敵がめっちゃ悪そうで強そうでヒヤヒヤしますが次も楽しみです。 正体知る人が増えたのだけど仲間になったてこと?
Posted by
くらまし屋の第2弾、一話目でもググッときたが、今回は、今村翔吾ファンである者としては、コレ挿入してくるかぁって感じ。 当然、ボロ鳶シリーズも読んでるから、九紋龍で出てきた『千羽一家』の話しじゃない?って思ったりすると、より一層引き込まれてしまう訳ですね。 こういうところはドラマの...
くらまし屋の第2弾、一話目でもググッときたが、今回は、今村翔吾ファンである者としては、コレ挿入してくるかぁって感じ。 当然、ボロ鳶シリーズも読んでるから、九紋龍で出てきた『千羽一家』の話しじゃない?って思ったりすると、より一層引き込まれてしまう訳ですね。 こういうところはドラマのスピンオフ的で感心しました。当然、第3弾も読まなくてはならない。
Posted by
2作目になって面白くなってきた。全然儲からんやん!? こういうシリーズは敵役が重要で、いいね、迅十郎。しばらくこのシリーズで楽しめそう
Posted by
くらまし屋シリーズ第二弾。 今回の依頼は菖蒲屋で奉公をしていた少女、お春。 くらまし屋の掟に反してまで依頼を受けることにした平九郎は、仲間である赤也と七瀬と仲違いを…。 更に、くらまし屋とは真逆である炙り屋なる存在が明らかになり、波瀾万丈なくらまし劇の始まり。 第一弾は触りのプ...
くらまし屋シリーズ第二弾。 今回の依頼は菖蒲屋で奉公をしていた少女、お春。 くらまし屋の掟に反してまで依頼を受けることにした平九郎は、仲間である赤也と七瀬と仲違いを…。 更に、くらまし屋とは真逆である炙り屋なる存在が明らかになり、波瀾万丈なくらまし劇の始まり。 第一弾は触りのプロローグのような存在でしたが、今回はなかなか内容の濃い、人情溢れる物語でした。 過酷な人生を歩むお春を助けるために、我が娘の面影を見ている平九郎と過去の罪を背負う風太の行動は、漢気があってカッコ良い。 また、ジャンル的には時代小説のはずなのに、どこかミステリーぽさがあって少し違った面白さもあります。
Posted by
今回も楽しかった! 今村翔吾先生の作品は、読むのが楽しみ。 期待を裏切らないし、読後感爽やかで最高!
Posted by