彼女は頭が悪いから の商品レビュー
女子大に進学した美咲と、東京大学理科Ⅰ類に進学したつばさ。ふたりは恋に落ちたはずだった。渦巻く人々の妬み、劣等感、格差意識。そして起こった集団わいせつ事件。しかし、世間に叩かれたのは被害者の美咲のほうだった…。 頭のいい人って,人の心の痛みが分からないよね。
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東大生が複数人で女子大生にいたずらをした事件がモチーフ。 たしかに東大に入ることができる頭脳を持っていることは尊敬するし、そういう頭脳を持っている人が社会を動かしていくのだろうが、それはひとつの「ものさし」であって、誰もが自分にしかない「長所」を持っているはず。言いたかったのは「...
東大生が複数人で女子大生にいたずらをした事件がモチーフ。 たしかに東大に入ることができる頭脳を持っていることは尊敬するし、そういう頭脳を持っている人が社会を動かしていくのだろうが、それはひとつの「ものさし」であって、誰もが自分にしかない「長所」を持っているはず。言いたかったのは「ものさし」はひとつではないということ。いろいろと考えさせられた。あるものさしでレベルが上の者が下のものを見下すのもだめだし、下の者が「どうせ」と卑屈になるものいけないと思った。最後の方に登場する女子大教授が良かった。被害者の心が癒えることを願う。
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実際のわいせつ事件を基にした小説。は被害者・美咲の生い立ちを丁寧に追っているため、読後に作中でも現実世界でも溢れかえった「被害者は勘違い女だ」という批判はできないだろう。 客観的な立場から表面だけを見ている読者を、適切に「考える」ところまで引き摺り下ろしている。これは、ルポルター...
実際のわいせつ事件を基にした小説。は被害者・美咲の生い立ちを丁寧に追っているため、読後に作中でも現実世界でも溢れかえった「被害者は勘違い女だ」という批判はできないだろう。 客観的な立場から表面だけを見ている読者を、適切に「考える」ところまで引き摺り下ろしている。これは、ルポルタージュでも完全なフィクションでもないこの作品だからこそ成功していると言える。
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深夜のマンションで実際に起こった、東大生5人による強制わいせつ事件をモチーフに描かれた作品。 ワイドショーで表面的に報道されたことしか知らなかった私は、その後の被害者へのバッシングには無知でした。 被害者の美咲が、つばさと付き合うことになっり、ドキドキ過ごしていた期間が微笑ま...
深夜のマンションで実際に起こった、東大生5人による強制わいせつ事件をモチーフに描かれた作品。 ワイドショーで表面的に報道されたことしか知らなかった私は、その後の被害者へのバッシングには無知でした。 被害者の美咲が、つばさと付き合うことになっり、ドキドキ過ごしていた期間が微笑ましくて、それがあったからこそ、先の事件に更なる嫌悪感を感じました。 『彼らがしたかったことは、偏差値の低い大学に通う生き物を、大嗤いすること。彼らにあったのは、「東大でない人間を馬鹿にしたい欲」だけだった。』という文章に、著者を含めた美咲サイドの人達の怒りの気持ちが表されていると思いました。
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https://www.sankei.com/affairs/news/161212/afr1612120011-n1.html 二年前に実際にあった東大生による強制わいせつ事件を題材というか「トレース」した作品。 男子側主人公である東大生の「つばさ」と、女子側主人公である偏差値...
https://www.sankei.com/affairs/news/161212/afr1612120011-n1.html 二年前に実際にあった東大生による強制わいせつ事件を題材というか「トレース」した作品。 男子側主人公である東大生の「つばさ」と、女子側主人公である偏差値の高くない私大生の「美咲」を中心に、作品の半分以上は「育ち」「容姿」そして「学歴」によるマウントの取り合いが繰り広げられる。 その中で選民思想剥き出しの下衆な東大生とその家族の書かれ方のまあ酷いこと酷いこと。 主人公の美咲は間違いなく頭が悪いが、人を信じて良いものを良いといえる心の綺麗なヒロイン。そしてつばさは最後まで人の心が理解できないモンスター。 インターネットという糞溜めの雰囲気もよく書かれている。 だが読後感が悪すぎる。 題材にした事件もそうだし、スーパーフリー事件や、我慶応ぞ?とか、最近でも我が国の最高学府かそれに近い大学生の蛮行はよくニュースになる。 もうこの国はダメなんじゃなかろうかと心配になる。
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初彼(?)ができたときの女の子の描写がキラキラしてた。わかるなー、わかるよー、って思った。世界がきらめいて見えるよね。 性の対象にすらならないってのがちょっと衝撃。 なんで女の子が怒ったか、全くわからない断絶。 そんで無防備な彼女を責め立てる外野。 これはフィクションだけど、悪...
初彼(?)ができたときの女の子の描写がキラキラしてた。わかるなー、わかるよー、って思った。世界がきらめいて見えるよね。 性の対象にすらならないってのがちょっと衝撃。 なんで女の子が怒ったか、全くわからない断絶。 そんで無防備な彼女を責め立てる外野。 これはフィクションだけど、悪魔のような女の子もいれば普通の女の子もいる。それをわかっとかないとなーって思った。 姫野カオルコの畳み掛けるシュールギャグと皮肉が冴え渡っている。
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なんて嫌な話なんだーと思うけど、さもありなんという展開でもある。図らずも広島まで出てきて微妙な気持ちに拍車がかかった。なんかここまで人って厚顔無恥になれるのか、と思わされる一作。話題になるのも納得。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こんなにも他人の気持ちを考えられないもんなのか?挫折なしのエリートはある意味バカだな。飲み会の東大門東大目…で盛り上がるとこ、すごい嫌な感じ出てた(笑)
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読んでいる途中、この本の中からむかむかする不穏なモノが指を伝わって自分の中に入り込んでくるような、そんなじわじわとした嫌な感じがしていた。 実際にあった東大生による集団強制わいせつ事件を姫野カオルコの目を通して小説に仕上げたものだから、ノンフィクションではないし、完全なフィクショ...
読んでいる途中、この本の中からむかむかする不穏なモノが指を伝わって自分の中に入り込んでくるような、そんなじわじわとした嫌な感じがしていた。 実際にあった東大生による集団強制わいせつ事件を姫野カオルコの目を通して小説に仕上げたものだから、ノンフィクションではないし、完全なフィクションでもない。もしかすると本当の事件とは違った描き方をしているのかもしれないし、偏った見方をしているのかもしれない。けれど、けれど、このむかつきは尋常じゃない。 彼ら(本当はヤツらと言いたい)がなぜ、強姦するつもりもなく彼女にひたすら辱めたのか、なぜ彼女はもう一人の女性と一緒に逃げ出さなかったのか。そこに至るあれこれは、とうてい納得も共感も理解もできないもので、帯にある「そして私たちの物語である」という言葉に違和感を感じていた。の、だ、けれど。 彼ら(ヤツら)が「東大生」という鎧のなかで自己と自尊心を肥大させていったその責任の一端が、私たち、社会の、この国の、意識にあるのかもしれない。 ラスト、つばさが元同級生の女子から言われる一言。それは彼ら(ヤツら)を包み込んでいるむかむかとする不穏なモノに少しだけ風穴を開けてくれた、ように、思えたのだけど、そこから光を見せない姫野カオルコの容赦なさがとどめを刺す。
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初出の記載なく、たぶん書き下ろし 東大生による輪姦事件で被害者が非難されたことに怒って書かれた物語らしいが、感情移入できず、5日かかって半分読んだところで放棄。 ムカムカした。
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