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選べなかった命 の商品レビュー

4.3

46件のお客様レビュー

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2024/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

考えさせられせ本。 出生前診断は誰のためなのか。診断をするかしないか悩むのも親、診断後の中絶するか悩むのも親。それに対するカウンセリングも不足してる。 自分は出生前診断はしなかったけど、病院からの説明もなかったと思う。 裁判をした親の気持ちも分かるし、批判する人の気持ちも分かるし、正解がないからこそ難しい問題。 もし自分が障害のある子を産んだら、かわいいって思えるまでどれぐらいかからのかな。外に連れて出れるまでどれぐらいかかるのか。

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2023/04/16

まずタイトルに衝撃を受ける。出生前診断というのは命の選別に繋がり、遺伝病のリスクやダウン症児の出生の可能性が高くなった時に中絶を選ぶのかというのは本当に難しい問題だと思う。人は知識を持たずによく知らないものを体験すると正しい判断が出来なくなるもので、この本に出てくる医師も母親に正...

まずタイトルに衝撃を受ける。出生前診断というのは命の選別に繋がり、遺伝病のリスクやダウン症児の出生の可能性が高くなった時に中絶を選ぶのかというのは本当に難しい問題だと思う。人は知識を持たずによく知らないものを体験すると正しい判断が出来なくなるもので、この本に出てくる医師も母親に正しい結果をなぜ伝えなかったのか、見たら一目瞭然の検査結果が送られてきているのに誤診をしたのか。結果の見落としなんてあるのだろうか。私は意図的に正しい結果を伝えなかったのではを邪推してしまう。

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2022/11/29

出生前診断で検査をしたにもかかわらず、主治医の見落としで生まれるまでわからなかったダウン症の赤ちゃん。 陽性だったら中絶をしたのか、しなかったのか。 何より衝撃的だったのは、生まれてから治療をせず、亡くなるまで何もしないという選択があるということ 看護師たちのメンタルも想像し...

出生前診断で検査をしたにもかかわらず、主治医の見落としで生まれるまでわからなかったダウン症の赤ちゃん。 陽性だったら中絶をしたのか、しなかったのか。 何より衝撃的だったのは、生まれてから治療をせず、亡くなるまで何もしないという選択があるということ 看護師たちのメンタルも想像して以上だろう

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2022/06/21

ダウン症だと告知なく謝罪してほしいとの訴えやダウン症のとりまく家庭、世間についての話 苦しんで亡くなった命、告知していなかったことはよくないと思うがダウン症で苦しんだのは医師のせいではない。生まれなかったら倫理的問題が無いとも言えない。 世の中の全ての障害は医師が背負えない、医療...

ダウン症だと告知なく謝罪してほしいとの訴えやダウン症のとりまく家庭、世間についての話 苦しんで亡くなった命、告知していなかったことはよくないと思うがダウン症で苦しんだのは医師のせいではない。生まれなかったら倫理的問題が無いとも言えない。 世の中の全ての障害は医師が背負えない、医療措置で障害が残る例もある 生まれてみないとわからない、ヒトはミスをする、したくてする人はまずいない、だからといってそれが免罪符とはならない 命の選別、改良など、人に許される行為ではないが、当事者でないとわからない ただ非難するのは誰でもできる 非難するのではなく、命に対しての見識をただしくもち、お互いを労りあう社会が必要 ただ訴訟を起こしていなかったら問題提起できず、人が傷つき苦しんだことは風化していったでしょう

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2022/01/06

今年の一冊目。 診断が手軽になっていく中、根本の議論や法律は置き去りで、当事者が苦悩しぶつかり合う構造を知る。 白黒つけられるものでもなく、誰かが絶対的に正しいわけでもない。ただ、一つ一つの命を大切に考えながら、たくさんのケースのこと、気持ちを共有しあって考えあうことが、市民レベ...

今年の一冊目。 診断が手軽になっていく中、根本の議論や法律は置き去りで、当事者が苦悩しぶつかり合う構造を知る。 白黒つけられるものでもなく、誰かが絶対的に正しいわけでもない。ただ、一つ一つの命を大切に考えながら、たくさんのケースのこと、気持ちを共有しあって考えあうことが、市民レベルでは現状の最善なのかなと思う。

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2021/12/07

ロングフルライフ訴訟。この世に生を受け、苦しみに耐え、短い人生をまっとうした子。苦痛は避けられた。21トリソミー。責任は見落とした医師にもある。我が子に謝罪して欲しい。それが動機で起こした提訴。勝訴判決。だが、主張は汲み取られていない。訴訟は議論を巻き起こす。生きたことが”ロング...

ロングフルライフ訴訟。この世に生を受け、苦しみに耐え、短い人生をまっとうした子。苦痛は避けられた。21トリソミー。責任は見落とした医師にもある。我が子に謝罪して欲しい。それが動機で起こした提訴。勝訴判決。だが、主張は汲み取られていない。訴訟は議論を巻き起こす。生きたことが”ロングフル”なのか。そもそも胎児の障害を理由での堕胎は法的に許されない。現実は違う。きれいごとで済まされない。生きにくさを拭えない程度にしか進歩していない科学。”障害”を与え続ける社会。「答えがない」は逃げ。たどり着けなくても考え続ける

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2021/11/23

月並みだが、大きな問い。 生まれてくる子供が障がいを持っていると分かっていても、生むという決断を下せるか? そして、それでも尚、出生前診断を実施する意味とは何か? 当事者にはなり得ない立場となった私には、到底答える事はできない問いだ。 しかし、そういった当事者の周縁にいる...

月並みだが、大きな問い。 生まれてくる子供が障がいを持っていると分かっていても、生むという決断を下せるか? そして、それでも尚、出生前診断を実施する意味とは何か? 当事者にはなり得ない立場となった私には、到底答える事はできない問いだ。 しかし、そういった当事者の周縁にいる人ではあるのだ。 誰もが、障がいを持つ子供を、何の心配もなく産める社会を目指すべきではないのか。 問いは深く、重い。

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2021/11/07
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出生前診断で誤診があり生まれた我が子はダウン症だった。 子どものことに関するノンフィクションは、読んでいても辛いものがある。 子どもを持つ親であれば気持ちに寄り添えるところもある。 両親が、精神的打撃を受けたことに対し、慰謝料は認められた。 判決は勝訴。 お金より子どもが苦しんで亡くなったことに対して謝罪が欲しかった…と。

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2021/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とても考えさせられた。一度でも出産に向き合ったことがある人なら心抉られる内容だった。 我が子は長く生きられないと分かっていながら中絶をせず、目一杯赤ちゃんを抱きしめた人のエピソード。障害を抱えている事を理由に延命を拒否し、一度も愛情を注がなかった人のエピソード。対極にある2つのエピソードに胸が締め付けられた。 中絶する機会を奪われたこととそれによって生まれた子が受けた苦しみに対して賠償を求めた裁判。理屈で考えれば矛盾しているかもしれない。しかし、原告の母親が語ったように2つは全く別の問題であると考えた方がいいと思った。この問題を複雑にしているのは法律にある「中絶は母体の健康を損なうおそれ、もしくは経済的困難の理由のみが認められる」というものにある。全く実情に則してない。これを変えるためには大きな議論をする必要がある。しかし障害を理由にした中絶を認める事は障害を持つ人達を認めないことにつながる。そして、究極を言えば命を選別を行って良いのかという議論になる。答えは出ないだろうし、この問題に対して社会的コンセンサスをつくってはいけない。 結局のところ、母親(とその家族)に判断が委ねられる。 出生前診断は善でも悪でもなく、それをどう捉えて利用するかが大切なのだろう。

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2021/09/07

きっかけとなった誤診はあまりにもお粗末なヒューマンエラーで、出生前診断というテーマでなくても問題になりそうなことだなと感じてしまったが、 著者のインタビュー力とまとめ上げる力、このお母さんの思いの強さはすごいと感服した。 古い法律と進歩する技術の乖離をどう埋めるのか。 現場の医...

きっかけとなった誤診はあまりにもお粗末なヒューマンエラーで、出生前診断というテーマでなくても問題になりそうなことだなと感じてしまったが、 著者のインタビュー力とまとめ上げる力、このお母さんの思いの強さはすごいと感服した。 古い法律と進歩する技術の乖離をどう埋めるのか。 現場の医師や父母の思いはいかばかりか。 妊娠出産にまつわる困難なことが、もっと知られてもよいのではないかと考える。

Posted byブクログ