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蜜柑 の商品レビュー

4.1

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    9

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2024/09/01

私の心の上には、切ないほどはっきりと、この光景が焼きつけられた。 横須賀線に乗った私。発車間際に乗り込んできた小娘と2人きり、列車は動き出すのだが……。

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2024/08/16

世の中を憂い、平凡で退屈な出来事ばかりの記事を汽車の中で読む。3等車から来た田舎娘にうんざりしながらも存在感を消すべくうたた寝をしていると隧道に入る直前に娘が窓を開けようと悪戦苦闘している。煙が入るのに頓着する様子もなく、また、紳士らしく主人公も注意しない。長閑さが絵と共に溢れて...

世の中を憂い、平凡で退屈な出来事ばかりの記事を汽車の中で読む。3等車から来た田舎娘にうんざりしながらも存在感を消すべくうたた寝をしていると隧道に入る直前に娘が窓を開けようと悪戦苦闘している。煙が入るのに頓着する様子もなく、また、紳士らしく主人公も注意しない。長閑さが絵と共に溢れてみえる。 そして夕焼け色が芥川龍之介の作品らしい。 そして最後に3等切符を大切に持ちながら2等車に座っている。その描写にも長閑さが感じる。

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2024/08/08

芥川の「蜜柑」も、なんかよくこういうので持ってこられるよね…。 奉公とか、なんとなく現代にない概念を伝えやすいんだろうか…。 しかし、汽車のイメージが全然オサレでげみ氏のイラストレーション オサレ過ぎる

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2024/07/24

芥川龍之介文学忌、河童忌 1919年「私が出逢った事」から改題 横須賀線での出来事 あーまた読んでしまった 田舎娘は、これから東京へ働きに行くのだろう 2等列車に乗り込んだ田舎娘 娘の切符は三等切符 その音、身なりに作者の表現は手厳しい しかし、疲労と倦怠のどんよりとした陰を娘...

芥川龍之介文学忌、河童忌 1919年「私が出逢った事」から改題 横須賀線での出来事 あーまた読んでしまった 田舎娘は、これから東京へ働きに行くのだろう 2等列車に乗り込んだ田舎娘 娘の切符は三等切符 その音、身なりに作者の表現は手厳しい しかし、疲労と倦怠のどんよりとした陰を娘の投げた鮮やかなみかんの色が消し去っていく そして、今まで活字で読んでいた「蜜柑」を乙女の本棚で読んで びっくりした 長い間、この列車をボックスシートでイメージしていたのでした ロングシート! 車両の表現を探してみたら、そうです ロングシートでした 頭の後ろに窓があったり 娘が隣に来たり反対に行ったり 思い込みで読んではイメージ間違うね ありがとう、乙女の本棚 ありがとう、げみさん

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2024/03/24

乙女の本棚3連発、3つ目。 檸檬、蜜柑、と続きました。たまたまです。 イラストレーターさんが檸檬と蜜柑、一緒なのは敢えてですよね、きっと。 鮮明さは手前で読んだ檸檬のほうがビビッドなんですが、夕暮れどきの汽車、煤、蜜柑、の色の移り変わりと、主人公の世の中を胡乱でダウナーなところ...

乙女の本棚3連発、3つ目。 檸檬、蜜柑、と続きました。たまたまです。 イラストレーターさんが檸檬と蜜柑、一緒なのは敢えてですよね、きっと。 鮮明さは手前で読んだ檸檬のほうがビビッドなんですが、夕暮れどきの汽車、煤、蜜柑、の色の移り変わりと、主人公の世の中を胡乱でダウナーなところから、少女の勝手な行動に気持ちが落ちきって、そこから蜜柑と少女の光景に心が彩られる移り変わりが凄く伝わってきました。 芥川龍之介、好きなんです。 この作品、知らないと思ってたんですが読んでいる途中で思い出しました。 あ、この作品、芥川龍之介だったのか、やっぱり私、好きだ、芥川、って乙女のように自分の気持ちを再確認できました。 乙女のように、は流石にこのシリーズに託けすぎました笑 2024.3.24 53

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2024/02/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分の理解力がないからかもしれないが、なぜ小娘が蜜柑を投げる必要があるのか、さっぱり分からなかった。 弟に分かれを告げるなら、家で蜜柑を渡せばよかったのでは? 弟が隣町にいるとかで家で普段会えないからそうせざるをえなかったの? 踏切に来てと伝えたのは手紙? 印象的にするためにわざわざそういうシチュエーションを作った? 蜜柑って当時、高価なものだったの? 周りにすみませんとも何も言わずに窓を開けて煙で車内をモクモクにしてたけど、もっと乗客が多くても同じ事をしたの?    こんな疑問がわんさか湧いてきて、主人公とは違い、私は小娘に対する嫌悪感を払拭することができなかった。 しかし、それを差し置いても、イラストの美しさには天晴だ。イラストのお陰で、なんとも言えぬイライラ感が若干収束した気がする。 もっときちんと読めるよう、再読したほうがいいかなと思った。

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2024/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

絵本の醍醐味を堪能した!舞台情景が鮮明に(リアル)に脳内に飛び込んできた。汽車の二等席は自分しかいない。動き出す直前、みすぼらしい13,14歳の娘が入ってきた。不快に思う主人公。気を紛らわすために新聞を読むが、退屈な人生を感じる。ウトウトしたが娘は自分の席の横に移動し、窓を開けようとする。そして石炭の真っ黒い煙が入ってきた。咳き込む、怒りが。娘は蜜柑を汽車の外へ。見送りのため懸命に手を振っていた弟達だろうか。この娘はこれから奉公に行くのか。娘を見る目が一気に変わる。個々の人生模様、強く生きなくては。⑤↑

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2024/01/25

芥川龍之介の作品は子どもの頃以来かも。 蜜柑を汽車の窓から弟達に向かって投げる少女(おそらく)とその光景が文章から鮮やかに目の奥に浮かび上がるのだが、この絵本がさらに鮮やかなものにしてくれる。 辛い別れの場面なんだろうが、暮れゆく夕焼け空と金色の蜜柑、本当に綺麗な絵だ。

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2023/10/27

これはいいぞ! 今のところシリーズベストかと はい、12おネエは芥川龍之介&げみさんの『蜜柑』です 郷愁をそそる古いフイルム映画のようなげみさんの蜜柑の舞うイラストが良すぎです この一枚を見るためだけに手に取っても良いですね そして龍ちゃんの文章からは存分に日本語の...

これはいいぞ! 今のところシリーズベストかと はい、12おネエは芥川龍之介&げみさんの『蜜柑』です 郷愁をそそる古いフイルム映画のようなげみさんの蜜柑の舞うイラストが良すぎです この一枚を見るためだけに手に取っても良いですね そして龍ちゃんの文章からは存分に日本語の美しさを感じることが出来ました! まぁ半分はそんな分かったようなこと言いたかったのと半分は身贔屓と半分は心からそう思ったのです ん?

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2023/10/07

 乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとげみさんのコラボ作品「蜜柑」です。やっと手にすることができました!!  横須賀線の汽車の車中が物語の舞台…。鬱々としていた私が出会ったのは、見すぼらしい風情をした13,14歳くらいの少女だった…。そもそもなぜ自分とこの少女が一緒の車両に...

 乙女の本棚シリーズから、芥川龍之介さんとげみさんのコラボ作品「蜜柑」です。やっと手にすることができました!!  横須賀線の汽車の車中が物語の舞台…。鬱々としていた私が出会ったのは、見すぼらしい風情をした13,14歳くらいの少女だった…。そもそもなぜ自分とこの少女が一緒の車両に乗らなければならないのか…と感じながらも、その少女から目が離せない…。だけど、少女が車窓から見送りの弟たちに蜜柑を放る場面は、そこまでの重い雰囲気が一気に晴れて清々しさを感じさえ感じさせます。きっと、少女は家族のもとを離れて奉公先に行くのであろう…見知らぬ場所へ行くのに不安もあるだろうに、こうして家族の幸せを願っている…そんな風に思うと私の心も穏やかになって、車内にもあたたかな空気が流れる…というもの…。  「蜜柑」のあたたかみと清涼感を感じさせるオレンジ色、そして、汽車の車内に差し込む夕陽や空を染める夕焼け、じんわりと心に染み入るげみさんのイラストもとってもよかったです。あぁ…読めてよかったっ(*^^)v

Posted byブクログ