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サイレント・ブレス 看取りのカルテ の商品レビュー

4.3

160件のお客様レビュー

  1. 5つ

    63

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/10/06

死にゆく人が主人公の話はよくあるけれど、終末医療に携わる人の話はあまりないので、とても勉強になった。 緩和ケアをお願いしたいと思いつつも、ただ痛い思いは嫌だという気持ちばかりがあった私にも、医療サイドの事情を想像する手助けになった本だ。

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2023/09/20

水戸倫子が訪問クリニックの医師として多くの人を看取る物語だが、内容が人の死に係わるにしては何かホッとする筋立てが楽しめた.高尾花子の話は中国の暗部を象徴したようなストーリーだが、現実にありそうなことだと感じた.ゴン先生の場合は、本人が癌の専門家でもあり治療の段階でないことを悟りな...

水戸倫子が訪問クリニックの医師として多くの人を看取る物語だが、内容が人の死に係わるにしては何かホッとする筋立てが楽しめた.高尾花子の話は中国の暗部を象徴したようなストーリーだが、現実にありそうなことだと感じた.ゴン先生の場合は、本人が癌の専門家でもあり治療の段階でないことを悟りながら、元患者のことを思いやる素晴らしい話だと思った.人間の死亡率は100%であることを実感できる短編集だ.

Posted byブクログ

2023/09/05

涙ウルウルしっぱなし・・・・・・ 家族を想わずにはいられない。 父母、妻、子供。 在宅医療の現場。患者ごとに別れて書かれた短編集。 死にゆく人たちはどんな気持ちなんだろう。 自分の心の中に、覚悟のようなものを感じたり、自信を無くしそうになったり、子供の顔を浮かべたり。おじいち...

涙ウルウルしっぱなし・・・・・・ 家族を想わずにはいられない。 父母、妻、子供。 在宅医療の現場。患者ごとに別れて書かれた短編集。 死にゆく人たちはどんな気持ちなんだろう。 自分の心の中に、覚悟のようなものを感じたり、自信を無くしそうになったり、子供の顔を浮かべたり。おじいちゃんを思い出したり。 しばらく積読していた。このタイミングで読めたことは良かった。 あーなんか、考えさせられちゃったなぁ。 日常が少し変化するって感覚。久しぶりだ。 読了。

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2023/09/02

訪問医療に携わることになった女性医師。ケースがとてもリアルで、次々とページをめくり一気読みだった。「最期」について、考えさせられる。

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2023/08/02

終末期の在宅医療をテーマに書かれた作品。 終末期医療に携わる現役医師でもある著者が書かれただけあって、とてもリアルだった。 私も末期がんの方と関わる事があって"死"について考えさせられた事があった。 治る可能性の低い病気になった時、奇跡にかけて辛い治療をしなが...

終末期の在宅医療をテーマに書かれた作品。 終末期医療に携わる現役医師でもある著者が書かれただけあって、とてもリアルだった。 私も末期がんの方と関わる事があって"死"について考えさせられた事があった。 治る可能性の低い病気になった時、奇跡にかけて辛い治療をしながら延命するのか、それともそのまま寿命をまっとうするのか。 病気との向き合い方って人それぞれで、年齢とかでも違うだろうし、患者さん自身の気持ちも不安定だったり、治療の中変わっていく事だってあると思う。 それは家族の思いとはかけ離れてる事もあって、そこが難しいな〜と思った。 私は看取る側になった時、本人の気持ちに寄り添ってちゃんと終わらせてあげる事ができるかな? 色々考えさせられる作品だった。 緩和ケアって治す医療とは違うんだろうけど、心身ともに痛みを和らげ、最後まで人間らしく過ごしてもらうための人間味のあるあたたかい医療だと感じた。 知らない事も知れたし、連作短編だけどどの話も良かった〜! 読めて良かった。

Posted byブクログ

2024/02/28

こういう言い方は実に良くない。のだが、この手の話はどうやったって泣ける。ずるい。泣く以外の選択肢ない。 看取り、という題材の中でもクリティカルなのは、親子。そして夫婦。やめてほんと。小説で泣いてから、現実で笑うためのアクションがとれるような人には良いと思う。 同じ作者の、『いの...

こういう言い方は実に良くない。のだが、この手の話はどうやったって泣ける。ずるい。泣く以外の選択肢ない。 看取り、という題材の中でもクリティカルなのは、親子。そして夫婦。やめてほんと。小説で泣いてから、現実で笑うためのアクションがとれるような人には良いと思う。 同じ作者の、『いのちの停車場』を先に読んでいたが、こちらの方がデビュー作とのこと。確かに駆け出しは荒削りなようにも見えるが、エンディングでは涙腺へのハードパンチが待っていた。 だから、敢えてそのあたりを全て度外視した上で、3人目のカルテに出てくる「胃瘻」について触れたい。 いや、もう読み終わる前から語りたくて語りたくて仕方がなかった。 人は、食べる、という行為を失ったら死ぬと思う。心が死んでしまう。食べることと生きることは、ほぼ同義じゃないかと思う。もし自分の命に、自分以外の強い目的があれば、もしかしたら結果は違うのかもしれないが、胃瘻で笑顔を失う人を何人も見てきた。祖母もその1人だった。この小説の登場人物も、そうだ。それが重なる。 祖母は、誤嚥を防ぐ目的で病院側に処置された。その病院は、地域の人から殺人病院と呼ばれていた。全ては、葬儀が終わった後で知った話だ。 そこに入れてしまった家族の落ち度だと言われれば、その通りかもしれない。ただ、現実的に、咽かえり苦しみ喘ぐ親の歪んだ顔を前に、とりうる選択肢は決して豊富ではない。まるで坂を転げ落ちるように、終末期医療はその先に横たわっている。 奇跡は、、、ほぼ起きない。 その現実を知って、なお、立ち向かう意思をもつ。 作品中でも教えてくれる。死に立ち向かうのではなく、どう死ぬか、を逆算して考えておくのだと。 それが、泣くこと以上に、この作品に価値を与えているものじゃないかと思う。 自分の終末期医療は、今からもう始まっているのだ。 スーパーで、まずは人工甘味料を買わないようにしよ。 グッバイ!スクラロース! (そういうことじゃない)

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2023/06/01

医療には二通りの目的がある。 病気を治す医療と安らかに亡くなるように苦痛を軽減するための医療。 この小説は後者の終末期ケアを題材にしている。 医療は目まぐるしく発達しているので、どんな状態になっても生かしておくことは可能になってきつつあるが、 ご飯が食べれなくなったり意思の疎通...

医療には二通りの目的がある。 病気を治す医療と安らかに亡くなるように苦痛を軽減するための医療。 この小説は後者の終末期ケアを題材にしている。 医療は目まぐるしく発達しているので、どんな状態になっても生かしておくことは可能になってきつつあるが、 ご飯が食べれなくなったり意思の疎通ができなくなったり、自分で動けなくなってまで生きたくない…っていうのであれば、生前に「エンディング・ノート」に自らの希望「ただ死期を延ばすだけの延命治療を一切拒否する」と書き留めておくとよさそう。 「自然体で死に向かう人はほとんど苦痛を感じないと言われている」そうです。 現役医師の書いた医療ミステリー。 知念実希人さんの作品とはまた違った味で、 読みやすかった。

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2023/05/21

よき本に出会えた。 在宅で最期を迎えたいと私も思うし、そのような時、穏やかな気持ちで仲の良い家族に囲まれていたいと思う。 人はみな死ぬのだから、自分の人生のゴールに向かっていまの時間と関わる人を大事にしようと思えた。

Posted byブクログ

2023/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

看取りはしんどいなと。 でも気切や胃瘻までして無理やり生きるのは (本人が生きたいと思ってればいいけど) なんか違うなーとかいろんなことを考えた。 正解がない問題だからこそすごく難しい。

Posted byブクログ

2023/05/17

心が温まる一冊。主人公の周りの人々の温かさに触れ、こんな毎日を過ごせたら充実して幸せだろうなと思った。30代女性で、未婚で、仕事がこんなにも充実している点も女性のエンパワメントに繋がると思う。

Posted byブクログ