下町ロケット(2) の商品レビュー
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先月読んだ作品の続編。 こちらも数年前にドラマ視聴していての原作初読み。 同じ感想になるが、心臓の弁を医療用バルブで、、と読んでもピンとこない。 そこでドラマの映像が、子どもたちの入院シーンや福井の中小企業にあった医療用の繊維を織る器機がよみがえってきた。 ガウディ編では病名、医療機器の名称、お役所への申請(PMDA)など、これまた小説だけでは難解すぎる。 本作のさいごにあった解説をよんで初めて知ったが、原作の小説の執筆中に、ドラマの放送開始。 しかもドラマ1作品のなかに「ロケット」と「ガウディ」の小説2作分を詰めこんであったそうだ。 たしかに文字だけでは伝わらない部品の形や開発の苦悩、ロケットの打ち上げや人工弁ガウディが正常に動く様には感涙だった。 池井戸作品で忘れてならないのは、悪人で奈落へ堕ちていく者もあれば、改心して次の道を進む人もいること。 敗者でも二通りあるんだと示してくれる。 主人公 佃も一度失敗したロケット開発とはちがう、新しい夢にむかうように、前を向いていこうという力を与えてくれる。 あっぱれ!!
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今回もよかったね。 確かに開発は損得勘定があるのよ。 残念だけれども世の中はカネ。 だけれども、それに関わって その結果できたものはリスクは大きいけれども それ以上に未来を作り出すことができるの。 今回の相手はそれを急ぎすぎたわね。 そして急ぎすぎたあまりに完成していないデータを 盗み出してしまったというね。 まああの人の逮捕は必然でしょうね。 そんなことをする人にNASA(笑)の技術は 微笑みかけてくれるわけないでしょうに。
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やっぱり面白い。『ガウディ』のネーミングも粋です。 どんでん返し系なのは分かっているが、文体や構成によって憎らしさの度合いが映像化していなくとも伝わって来る。池井戸先生の作品だからこそ味わえる臨場感。ドラマがうろ覚えだったからこそ楽しめたのかも知れないが、スッキリさせてくれました...
やっぱり面白い。『ガウディ』のネーミングも粋です。 どんでん返し系なのは分かっているが、文体や構成によって憎らしさの度合いが映像化していなくとも伝わって来る。池井戸先生の作品だからこそ味わえる臨場感。ドラマがうろ覚えだったからこそ楽しめたのかも知れないが、スッキリさせてくれました。
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Audible読了 ロケットの次は先端医療だ! 人間の命、もっというと心臓病の子どもたちの笑顔がドラマの重みをグッと引き上げている。子を持つ親ならばウルっときてしまう場面もあり、改めて池井戸作品の幅の広さを感じた。 作中、佃社長の仕事に対する捉え方に目を引かれた。 「仕事は二階...
Audible読了 ロケットの次は先端医療だ! 人間の命、もっというと心臓病の子どもたちの笑顔がドラマの重みをグッと引き上げている。子を持つ親ならばウルっときてしまう場面もあり、改めて池井戸作品の幅の広さを感じた。 作中、佃社長の仕事に対する捉え方に目を引かれた。 「仕事は二階建ての家」 1階は文字通り生命維持に必要な台所やトイレがある。 対して2階にあるのは見晴らしの良い部屋や遊び部屋。つまりは夢や理想を意味する。 仕事に必要なのは、生活も夢もどちらもで、どちらが欠けてもダメだと。去り行く部下に、社長が言い聞かせるシーンにズシーンときた。シンプルに共感できるし、佃製作所という組織を見ればこそ、頷けるセリフ。こんなに熱量あるリーダーが作る、グルーヴ感。逆に残る側の部下からは「ウチの家なんか、風通しが良すぎて寒いくらいですよ」と軽口が飛ぶ。笑えるくらい、うらやましい。 私が身を置く会社は、良くも悪くも帝国重工寄り。すでに陳腐化しつつある自動車産業の一角。組織の硬直化は言わずもがな。この家に2階があるのか。流行りの平屋なのかもしれん、と笑えるくらい、諦めた。最近イキのいい若手に会えて、この人を社長にしたいと思ったほど。 そんな佃社長が会社のピンチをくぐりぬけ、達成感あふれる場面で放った名言がもう一つ。 ──会社ってこうやって成長していくものなんだな。みんなと同じ成功体験をくぐりぬけ、時に何かを失いながら何かを得ていく。その繰り返しなのかもしれない。それは楽な道ではないと思う。だからこそ、お互いに励ましあって支えていかなきゃならないと思う。 会社の成長と人の成長が見事にリンクした胸アツの一言。もうついていきたいですっ…社長!
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何のために仕事をするか 誰のためにその仕事をしているのか 人の命を救う医療機器を作りたい たくさんの子どもの命を救いたい そんな想いからはじめた仕事も 営業ノルマや収益目標に追い立てられるうちに いつのまにか自分の地位や利益に心が廃れていく その目的を見失ってしまった大手企業社員と自分の仕事の意義を自覚し その部品が完成してもなお良いモノ作りをしようと ひたむきに改良努力を続ける中小企業の若手社員 この対称的な姿になんとも言えない気持ちになった 前者もはじめは同じ夢を抱いていた どこでその道が分かれてしまったのか
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佃製作所第二弾。ロケットから医療へモノづくりの分野は変わったが仕事に対する情熱や姿勢は引き続き素晴らしいものを感じた。 展開が読めてしまうところもあったが文章が読みやすくのめりこめた。 前作の内容を忘れてしまわないうちに読むのがお勧め。
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1作目から時間が経過すると、「あれ、この人誰だったっけ」みたいな感じで頭を使ってしまう。でもそこは池井戸さん、本作から読んでもなんら支障がない作りになってる。でも個人的には第1作目の直後から読み始めると、さらに臨場感が出ていいんじゃないかなぁと感じました。
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中小企業の弱さと強さを信念が気持ちの良い結果をもたらすエンターテイメント! 時間を忘れて読める一冊です!
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池井戸潤さんの20冊目。直木賞「下町ロケット」の続編でロケットから今回は医療。 大企業に振り回わされたり、知名度で舐められたりと中小零細企業の立場の弱さや、病院内の権力争いなど、立ちはだかる壁が描かれ、それに向かう佃製作所とその仲間達の奮闘は読んでいて気持ちよかった。仕事に情熱を...
池井戸潤さんの20冊目。直木賞「下町ロケット」の続編でロケットから今回は医療。 大企業に振り回わされたり、知名度で舐められたりと中小零細企業の立場の弱さや、病院内の権力争いなど、立ちはだかる壁が描かれ、それに向かう佃製作所とその仲間達の奮闘は読んでいて気持ちよかった。仕事に情熱を注げる環境は素敵ですね。胸を打たれる場面もあります。勧善懲悪で最後は悪い奴が全滅する気持ちの良さもあります。 苦手意識もあり、ずっと積読になっていました。「下町ロケット3ゴースト」も発売されて5年近く。早速、読み始めました。
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後味のスッキリできる作品。 医療と技術を題材にされており、利権が絡むドロドロさ加減がとても面白かった。 単純に様々な技術が大きさや方法を変えるだけで役立つ用途の可能性が広がることにも感心させられた。
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