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ハーバードの人生が変わる東洋哲学 の商品レビュー

3.9

36件のお客様レビュー

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2022/01/17

高校の倫理の授業で習って以来の中国古代哲学思想。学び直しの復習として興味深い上に、西洋哲学思想やそれを基盤に現代の私たちが当然だと考えている世界の見方との違いも示唆してくれる、入門書として素晴らしい本でした。 西洋社会が、人間とは変わらない存在だ、と自覚的に考えているのかは正直わ...

高校の倫理の授業で習って以来の中国古代哲学思想。学び直しの復習として興味深い上に、西洋哲学思想やそれを基盤に現代の私たちが当然だと考えている世界の見方との違いも示唆してくれる、入門書として素晴らしい本でした。 西洋社会が、人間とは変わらない存在だ、と自覚的に考えているのかは正直わからない。ただ、世界には普遍の秩序があるだろう・あるべきだ、と考えている自分に確かに気付かされた。もっと生なまとした物事の繋がりや、論理的に説明しきれない感情の役割。実際生活している上でもどかしさを感じる自分の感情の動きに向き合うためにも、もっと個々の思想家の本を読んでみたくなった。

Posted byブクログ

2022/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n/n3f4cf6cc5ef3 数年前に読んで、思いのほか気に入って、手元に残してある本。新たなときめく知見に出会えたのが嬉しかったー!たぶん、そもそも古代中国哲学好きなんだろーけど。 詳しくは知らないのだけれど、元々は孔子がなんとなく苦手だった。老荘の方がすんなり共感できていた。しかし、本書を読んでからは、孔子の教えにも俄然興味がわいてきた。 その他、孟子や墨子、荀子、「内業」などについてが語られる。ほとんど知らないものだったので、大まかにだとは思うが知れて良かった。それぞれに学ぶべきところがあった。 「礼を実践して周りの人との関わり方を向上するよう努める。体内のエネルギーを養って、もっと活力に溢れた生き方をする。心、即ち感情と理性の修練に務め、パターンを打ち破って日々の決断をくだす。経験するのが億劫になりがちな自分に抗い、常に新しいことを受け入れられるようにする。」

Posted byブクログ

2021/08/13

超越的/超越論的な価値に基づいて行動するのではなく、日常の積み重ねの中で「道」を生成していくという思想観。超越的な普遍性ではなく積み重ねていくことそのものに普遍性を見出す。 孔子:「人生の脈絡や複雑さを凌駕する倫理的、道徳的枠組みはない。あるのはわずらわしい現実世界だけで、わた...

超越的/超越論的な価値に基づいて行動するのではなく、日常の積み重ねの中で「道」を生成していくという思想観。超越的な普遍性ではなく積み重ねていくことそのものに普遍性を見出す。 孔子:「人生の脈絡や複雑さを凌駕する倫理的、道徳的枠組みはない。あるのはわずらわしい現実世界だけで、わたしたちはそのなかで努力して自己を磨く以外ない。ありきたりの<かのように>の礼こそ、新しい現実を想像し、長い年月をかけて新しい世界を構築する手段だ。人生は日常にはじまり、日常にとどまる。その日常のなかでのみ、真にすばらしい世界を築きはじめることができる」 孟子: 「孟子流のやり方で理性面と感情面を統合するとすれば、自分の感情的な反応に注目し、それを改善するよう努力することだ。理性を使って感情を修養する。日々、なにが自分の感情や反応を誘発するか意識する。君が世界をとらえるときのパターン化した習癖、つまり深く刻み込まれた物語はなんだろう」 「はっきりした指針や安定した世界があるという観念を捨て去れれば、わたしたちに残るのは道案内をしてくれる心だ。心がすべてであり、わたしたちはともにすごす人たちとの関係を通してそれを育てていく。心はものごとを正しく感じとり、成長のための地ならしをし、自分にあるものを生かすのを助けてくれる。そうすれば、自分はこういう人間だと思っていたものがすべて変わりはじめるはずだ。存在することさえ知らなかった自分の隠れた一面が見つかる。かつては安定していると思っていた世界が、無限の可能性に満ちた世界に見えてくる」 老子: 「道は、今ここに、みずから能動的に生じさせられるものだと説く。わたしたちはだれしも、自分の生きる世界を変容させられるほどの影響力を秘めている。道はつくりかえることができるのだ」 「身のまわりのあらゆるものを能動的に一つに織りあげることで、わたしたちが道をつくりあげる。一人ひとりが、老子にー聖人にーなって新しい世界を生み出す可能性を秘めている」 荘子:「すべての視点から世界を見ることを学び、<物化>を理解できれば、宇宙のあらゆることへの理解が深まると考えた。そして、現実を経験する典型的なやり方から抜け出せるようになれば、日々の平凡な生活の一瞬一瞬で<おのずから>の境地にいたるとはどういう意味かがわかると説いた」 「考えすぎても分析的に取り組んでもいけない。どの肉も同じではないからだ。荘子によれば、“技よりもまさる<道>“に重きをおく必要がある。自分の神性に働きかけて、世界とつながり世界とうまく感応できるようにする。意識的な理性ではなく精神を使うことで道を感じる。そうなってはじめて、肉のさまざまなふぞろいを感じとれるようになる」 「役立てるためには、修練が目の前の技術に特化したものではなく、視野の狭さを打ち破るための修練でもあると認識する必要がある。視野の狭さは、自分でも気づかないうちに人生に大きな影響をおよぼしているからだ。それを自覚できれば、もっとほかのものも手にはいる。つまり、真の想像力と創造力を育てる心の状態が得られる。ゾーンにはいることと、想像や創造に関係があるとは意外かもしれないが、荘子にとって想像力と創造力は、たえまない<おのずから>のフロー状態からわき出てくるものだ」 「ほかのだれかが世界をどのように眺めるか常に自問し、自分の見方だけが唯一の見方ではないことをたえず意識しつづけることだ。荘子が示しているとおり、これがものごとを違った目で見る、すなわち視点を変える原理であり、視点を変えれば、新鮮さと情熱をもって人生を経験できるようになる」 荀子: 「人間の本性は悪であって、それを善にするのは人為によるものだ。今、人の本性には生まれつき利益を好む傾向がある・・・また、生まれつき人をねたみ憎む傾向がある・・・そうだとすれば、人の本性に従い、感情のままに行動すると、かならず争い奪い合うことになり、社会の秩序が乱れ、ついには天下に混乱をきたす」 「これは自然ではない。人間が世界を飼いならした結果だ。人間が手を加えて、まるでばらばらの現象を調和のとれた一連の過程にしたのだ」 「わたしたちは自然を飼いならし、構造を与え、パターン化する。どのようにそれを実行するかはわたしたちしだいだ」 「自己の神性を修養し、周囲の世界と感応することは、人間性を超越することにつながりかねないと考えた。この人間性こそ、よりよい世界をつくり出す力をわたしたちに授けると荀子が論じたものだ。感応する神の気のようになろうなどと望んではいけない。わたしたちをつくっているややこしい人間らしさの部分でなんとかするべきだ」

Posted byブクログ

2021/06/16

孔子の「礼」の部分だけでも読む価値あり。 「かのように」ふるまうことで普段と違った反応を引き出し、より良い関係を築ける。この連続こそが世界を変える力になる。

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2021/02/23

ハーバードの人気教授が、東洋思想の重要性を改めて説いた本。 西洋的な「自己に忠実になる」信仰へのチャレンジ。 下記にいろいろな思想があるが、それぞれ、世界をどうみるかによって力点が異なる 孔子:礼によって仁を促す 孟子:世界は安定していない。命(運命、天命、宿命等の「命」だが、...

ハーバードの人気教授が、東洋思想の重要性を改めて説いた本。 西洋的な「自己に忠実になる」信仰へのチャレンジ。 下記にいろいろな思想があるが、それぞれ、世界をどうみるかによって力点が異なる 孔子:礼によって仁を促す 孟子:世界は安定していない。命(運命、天命、宿命等の「命」だが、孟子にとっては人生の偶然性)に従う。性善説 老子:分化していないのが道(タオ) 荘子:物化(物の変化のこと)。物事は変転する。変転するものとの一体化が荘子にとっての「道」 荀子:ことわりをつくったのは人間。人為の適用の仕方が重要

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2020/12/27

孔子からはじまり中国哲学の流れが西洋哲学と対比しながらコンパクトにまとめられています。 各思想について、厳密さという面では詳しい方から見ると不足があるのかもしれませんが、入門書としては読みやすいと思います。 本書を読んで、中国哲学というのはいわば日常の哲学と言えるのではないか、と...

孔子からはじまり中国哲学の流れが西洋哲学と対比しながらコンパクトにまとめられています。 各思想について、厳密さという面では詳しい方から見ると不足があるのかもしれませんが、入門書としては読みやすいと思います。 本書を読んで、中国哲学というのはいわば日常の哲学と言えるのではないか、と思いました。 日常生活のなかで、礼をもって「かのように」振る舞い、自分を、そして世界をより良いものにしていく。 小難しいことを考えるのではなく、日々の生活に取り入れることによって、まさにタイトル通り「人生が変わる」のではないかと感じました。

Posted byブクログ

2020/10/24

様々な東洋哲学のエッセンスが書かれている。初めの孔子の話が印象的であった。人は日々の様々な出来事に対してパターンに凝り固まって反応している。その行動の中には「仁」のない、感情に任せた行動や合理的なだけで感情を無視した行動も多くある。しかし、何か出来事が起きたときにいつもと違うパタ...

様々な東洋哲学のエッセンスが書かれている。初めの孔子の話が印象的であった。人は日々の様々な出来事に対してパターンに凝り固まって反応している。その行動の中には「仁」のない、感情に任せた行動や合理的なだけで感情を無視した行動も多くある。しかし、何か出来事が起きたときにいつもと違うパターンで行動してみる。その行動を「礼」といい、「仁」のある「礼」を日々、意識的に行うことによって人は様々な出来事に対する反応が研ぎ澄まされていき、どんなことが起きたとしても柔軟にふさわしい反応を起こすことができる。

Posted byブクログ

2020/08/02

儒教というと、厳しい社会階層、男女の役割分担、礼儀正しさなど、正直古い考えというイメージがありましたが、そんな考えを改めさせてくれました。 文章は簡潔ですが、内容は深く、大学入試の現代文で出てきたら卒倒しそう(笑)。 自分なりにまとめた要旨はこの2つ。 ・なぜ「礼」を大切にする...

儒教というと、厳しい社会階層、男女の役割分担、礼儀正しさなど、正直古い考えというイメージがありましたが、そんな考えを改めさせてくれました。 文章は簡潔ですが、内容は深く、大学入試の現代文で出てきたら卒倒しそう(笑)。 自分なりにまとめた要旨はこの2つ。 ・なぜ「礼」を大切にするか、それはあえて別の自分になりきることで「礼」をくり返し、自分の多様な側面を開発でき、自分を変えていくことができるから。 ・私たちは条理ある安定した世界を築こうとしているが、現実は果てしない衝突と不完全な人間関係のまっただ中にあり、そこに秩序を生み出せるかは、理性と感情を合わせた「心」を修養することにある。 疾病、災害など世界は不安定で、絶対的なもの(ゼロリスクなんかそうですね)や力を求めがちですが、日々の様々な状況下での行いの一つ一つで、人生をよりよくできるのかな。 変えられない他人や社会に怒ったり嘆いたりするより、変えられる自分の日常を大切にしていきたいと思いました。 <印象に残った文章> 人生の脈絡や複雑さを凌駕する論理的、道徳的な枠組みはない。 あるのはわずらわしい現実世界だけで、わたしたちはそのなかで努力して自己を磨く以外ない。 ありきたりの<かのように>の礼こそ、新しい現実を想像し、長い年月をかけて新しい世界を構築する手段だ。 人生は日常にはじまり、日常にとどまる。 その日常のなかでのみ、真にすばらしい世界を築きはじめることができる。

Posted byブクログ

2020/02/09

なかなか面白かった。西洋からみた中国思想といった形で、より明確に中国思想の輪郭が見えてくるようでした。 ありのままの自分に満足するとか、強さを求めるとか、西洋人らしい考え方とは違う魅力が、中国思想にはあることがわかった。 西洋哲学と比べると、いかに自己研鑽するか、人と繋がるかと...

なかなか面白かった。西洋からみた中国思想といった形で、より明確に中国思想の輪郭が見えてくるようでした。 ありのままの自分に満足するとか、強さを求めるとか、西洋人らしい考え方とは違う魅力が、中国思想にはあることがわかった。 西洋哲学と比べると、いかに自己研鑽するか、人と繋がるかということを問題とした東洋哲学は実践性があるのかなとも思いました。 西洋と東洋の考え方や価値観の違いも見られて興味深かった。 自分を変容させる、弱さによって物事を動かす、世界の断片をつなぐ、自然かどうかよりも人為的なものが正しく作用しているか判断する、などなど、知ってるつもりの中国思想が、日常でも生かされる形に具体化されていました。 多少砕いて説明しすぎな感もありますが、ビュエット氏の解釈はかなりわかりやすく現代の問題に置き換えられているので、ある程度中国思想を学んだ人にも楽しめる本。

Posted byブクログ

2019/09/24

自分の心と身体の状態を外側から看るために手にとった一冊。 感情をコントロールすることと感情を修養すること。 この類似する表現の全く異質な目的に気づくことができました。

Posted byブクログ