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ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 ハヤカワ文庫NF
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ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 ハヤカワ文庫NF

マイケル・ピュエット(著者), クリスティーン・グロス・ロー(著者), 熊谷淳子(訳者)

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ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 ハヤカワ文庫NF

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2018/06/20
JAN 9784150505257

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商品レビュー

3.9

36件のお客様レビュー

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2024/08/22

歴史や環境が違うので当たり前ですが、東西思想の根本的違いのひとつは多神教と一神教の違いと思います。西洋は、この世は神の意思に沿って動いている、つまり何らかの理が存在する。だから信じる者は救われる、努力すれば報われる。報われない時は自分の努力が足りない、あるいは我々にはわからない神...

歴史や環境が違うので当たり前ですが、東西思想の根本的違いのひとつは多神教と一神教の違いと思います。西洋は、この世は神の意思に沿って動いている、つまり何らかの理が存在する。だから信じる者は救われる、努力すれば報われる。報われない時は自分の努力が足りない、あるいは我々にはわからない神のご意思が働いている、と考える。東洋では、大前提として努力が報われるとは限らない、試験合格のために勉強するといった具体的な話なら成立する、しかし合格しても大学が楽しいとは限らない。卒業後の就職がうまくいくとは限らない。最愛の人と結婚したが幸せかどうかはわからない。世の中は不条理であり、不公平なものである、それを受け入れてどうするか、が東洋思想だ。 明治維新以降の日本自体が東西哲学の間を行き来をしているのだと思うが、なにしろ日本社会は西洋の方が正しいかのような風潮もあり、努力すれば報われる、それが美徳と思っているので、努力してるのにうまくいかないと途轍もないストレスになります。そこが現代の閉塞感の根源なのでしょうね。 次のようなことも語られます。孔子や孟子が考えたように、この子は勉強家だ、あの人は気分屋だといったレッテルを我々はつけたがるが、それは反応のパターンにすぎず時とともに蓄積されたものでしかない。自分はこういう人だと思い込むことで人間は多くの可能性を潰している。我々は自分の一面だけクローズアップして一言でまとめたがる。そしてやるべきことがわからないからと自分探しまでやりたがる。自分探しをしたところで、存在しない「単一の真の自己」という幻想に閉じ込められるだけだ。そうではなく、興味を持ったことにどんどん挑戦していく。「私はなんだろうとなりたいものになれる」ではなく「自分は何になれるかまだわからない」と考えて、いろいろ試してみるのだ。 私は医者になる、私はサッカー選手になる、なれなければ人生失敗だ、ではなく楽しそうなことどれもやってみるのです。そしたら予想外の発見があるかもしれません。若い頃「自分探し」流行りましたが、中国哲学では否定されちゃうんですね。確かに、「自分」なんて見つからないですものね。 次に老子の考え。「真の影響力は、あからさまな強さや意志ではない。影響力はあまりに自然で誰も疑問を持たないような世界を作り上げるところから生じる」。強い個人のリーダーシップや力が世界を変えるという一人の神(主人)に大衆(奴隷)が從うような考え方ではなく、より自然にスムースに空気を変えて世界を変えていく聖人の手法を説く。 本当の自分を見つけよう、ありのままの自分でいよう、そして自分を信じて頑張れば夢は叶う、あなたには無限の可能性がある!といった言葉をよく耳にする。しかし、耳触りの良い言葉に酔ってるだけで非常に薄っぺらい言葉であることも自覚している。これらの言葉を信じて不条理に打ちのめされて途方に暮れる人たちも多くいる。 一面的な言葉に閉じ込めてしまいかねない個性や、奴隷社会が生んだ自由、階級社会が生んだ平等といった概念が、なにか素晴らしいものであるかのように解釈し、欧米人と同じ閉塞感に囚われてあっちこっち行ったり来たりで、また東洋哲学を勉強し直すことの不条理さにモヤモヤするのでした。

Posted by ブクログ

2024/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結論から言うと、なかなか良かった。 こういってしまうのも少し癪なのです。 というのは、『ハーバード式』『スタンフォード式』『成功者が実践する~』などというタイトルが個人的には大嫌いだからです。 ではなぜ買ったか。 東洋哲学には興味がある。でもまんま『論語』とか書いてあったとしても、やはり手は伸びなかったと思う。 やはり一流大学の生徒がなるほどと思うその担保性、これゆえに買ってしまったのだろうと思うに至りました。 その意味でブランドの力・担保は大きく、タイトルをつける編集者の戦略は正しく、多少マンネリがあっても読者には売れる、という事になります。ほら、だって嫌だっていいつつ買っているし。。。 ・・・ で、結局内容はというと、諸子百家イントロダクション。これに尽きます。でもこれがまた面白い。 本書の白眉は、そんな諸子百家の考えを現代の事例にたとえて説明するところです。また時々で、諸子百家の生い立ち、境遇、さらに時代背景も丁寧に説明し、その上でも思想を具体的に述べてくれいるところです。 孔子の礼とは、『かのように』振舞うこと。例えば幼子とごっこ遊びをするとき、『かのように』遊ぶ。相手の幼子が喜ぶように役を全うする。役を果たすことで、相手の気持ち・求めることを理解し、それに応える。ある意味これは相手へのempathyを全力でやりきること、と解しました。誤解を恐れずに言えば、礼とは、相手の理解を尽くすこと。なんて言われるとほら、孔子も何だか現代的!?に感じますよね? 他方、世界史の教科書や資料集はとにかくぺらっとしか説明しないんです。孔子:礼を説く、孟子:性善説、荀子:性悪説、老子:無為自然。 まあ分からない。結果暗記です。だから歴史がつまらなくなります。 因みに内容としては、孔子以外に、孟子、老子、荘子、荀子についての章立てがあります。 ・・・ それ以外に印象的だったのが洋の東西を比較する9章と、最後の解説です。 どこに書いてあったか見失ったのですが、西洋の倫理がカントに代表される定言命法『汝の意志の格率が常に同時に普遍的立法の原理として妥当しうるように行為せよ』という、言わば普遍的善を成せ、みたいなことが有りますと。ところがこうした絶対性や普遍性というのが無理っぽいことが皆うすうす分かってきた、みたいなことが書いてあったと記憶します。嘘はいけないって、まあそうだけど、DV男を前にして女性をかくまっていることを正直に言うアホはいませんよね。 理解が間違っていなければ、やはり定言命法はそろそろ限界なのかもしれません。 カウンターカルチャーというわけではないのですが、微分的西洋哲学より、包括的というかホーリスティックな東洋哲学的考え方の旗色が良くなってきているように思います。 個人的に思ったのですが、西洋のこの微分的思考は、言わばto be correctを目指しているような印象で、対してこの諸子百家はto be rightを目指しているような印象でした。Correctと言いうるには、誰が見ても計測可能で再現可能な客観性が求められます。他方rightであることは常に同じ行動・態度であるとは限らず、人によって、時間や場所によって行い・ふるまいが変わるのではないでしょうか。 極東という東洋の端に生を受けた私としてはどちらも分かりますが、最後は東洋的考え方のほうがしっくり来てしまうという感覚は否めませんでした。 ・・・ ということで、ハーバード教授による東洋哲学入門の本でした。 タイトルがちょっとイヤでしたが、結果、内容は良かったです。 諸子百家、これもまた本気で読んでみたくなりました。読んだらまた本書に戻って来たいですね。

Posted by ブクログ

2024/03/03

難しいところも多く、一度で理解はできないと思った 1番記憶に残ったのは 行動パターンを打破すること! 役割に縛られて、コミュニケーションがパターンに陥ってる関係 例えば 口うるさい母親←私だ! と反抗的な子供←うちの子だ! パターンに陥ってると自覚し、自分で変えられると気づ...

難しいところも多く、一度で理解はできないと思った 1番記憶に残ったのは 行動パターンを打破すること! 役割に縛られて、コミュニケーションがパターンに陥ってる関係 例えば 口うるさい母親←私だ! と反抗的な子供←うちの子だ! パターンに陥ってると自覚し、自分で変えられると気づくこと! この文章を読めただけでも、この本を読んでよかったと思いました。

Posted by ブクログ

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