金魚姫 の商品レビュー
荻原作品としては『押入れのちよ』と「メリーゴーランド」を上手くブレンドしたかの様な小説に仕上がっていると思う。金魚の物の怪のりゅうとブラック企業で疲弊し切ってる潤が出会い、それぞれ成仏?していく中でのやり取りが愛おしい。
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平成最後の一冊となりました。 購入した時は有川浩が作者だと思っていたら読む直前に荻原浩!? 縄文人の話の【二千七百の夏と冬】や無人島の話の【オイアウエ漂流記】など作者の作品は三作品目となりました。 ブラック企業に勤める主人公が夏祭りにすくった金魚にリュウという名前を付ける...
平成最後の一冊となりました。 購入した時は有川浩が作者だと思っていたら読む直前に荻原浩!? 縄文人の話の【二千七百の夏と冬】や無人島の話の【オイアウエ漂流記】など作者の作品は三作品目となりました。 ブラック企業に勤める主人公が夏祭りにすくった金魚にリュウという名前を付ける。ところがその金魚は只の金魚ではなく世にも美しい謎の美女の化身だった・・・ リュウの生い立ちと、何故リュウは金魚になってしまったか? 読んでいて楽しいところと切なくなるところに高低差があり過ぎて感情が大きく揺さぶられます。 本書を読んでいて、金魚を飼っていた時の事を思い出しました。私は色んな種類の金魚を一つの水槽で飼いたかったのですが、暴れん坊の金魚が他の金魚を傷つけたりで大変でした。余談ですが熱帯魚の方が飼育は簡単なような気がします。
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ひさびさの荻原浩。 ものすごく面白かった。ミステリ要素もありつつ、主人公とリュウが心を通わせていく様子にとても引き込まれ、ぐいぐいあっという間に読み終わった。 エピローグのようなラストも、思わず泣いてしまった。 今まで読んだ萩原作品の中で、個人的にはこれが一番良かった。
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狂おしいほどに大人ファンタジー 現代が抱える闇と過去の哀しい歴史から目を逸らさずに、だけどちゃんとファンタジーでラブストーリー。 恋人の為に転職したはずの転職先はブラック企業。そのために恋人にも去られ、業績も上げられず、鬱病に手招きされるようにただ日々を過ごしてる僕は、ある日、近所のお祭りで、一匹の琉金をすくい上げてしまう。 「すべては繋がっている。」 その日から、僕の生活は一変する。 琉金は女の子(リュウ)となって現れるし、死者が見えるし…どうなってんの? 去った恋人を忘れられずにいるはずの僕は、いつしか琉金のリュウに恋をして…。 リュウは何者なのか?何故、僕のところへやってきたのか? 2人の自分探しの旅は始まる。 そして…哀しい結末はどこへ向かうのか。 テレビやレストランで見る女の子らしさを真似するリュウが可愛くて愛しくてたまらない。 哀しい過去を少しずつ思い出しながら、現代を一生懸命に生きようとする女の子。 ラストシーンを思い出すたび涙が溢れて止まらない。 決してバッドエンドではないのに… これをハッピーエンドというにはあまりにも残酷で切ない。 そんな恋。 今年の5冊目 2019.3.3
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金魚の姫が出てくるファンタジー。ウルウルもするしテンポも良いし読みやすくてかなり良い。金魚のキャラも好きだな。可愛い。堕落した人間が恋に落ちて、ちゃんとした人間に成長していく。というとこも良い。 最後の方のページをめくったあの一行目な。あの一言。震えるわ。 しかし、金魚の歴史って深い。金魚好きの闇が見える。
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「お前だ」 この一言から走馬灯のように 一気に過去へ・・・過去へ 時間が戻る・・・そんな感覚。 切ない怨念 切ない出逢い 切ない時間 全てにおいて、切なさを感じた。 リュウのテレビを真似する姿。 「新麦ひえてるよぅ~」とか 直ぐに知ったかぶりして、指摘されて はにかむ姿。...
「お前だ」 この一言から走馬灯のように 一気に過去へ・・・過去へ 時間が戻る・・・そんな感覚。 切ない怨念 切ない出逢い 切ない時間 全てにおいて、切なさを感じた。 リュウのテレビを真似する姿。 「新麦ひえてるよぅ~」とか 直ぐに知ったかぶりして、指摘されて はにかむ姿。 どれをとっても可愛くて仕方ないのに その裏にある 怖いほどの怨念と執念。 何もかも繋がり 偶然などではない必然。 きっと・・・こうだろうな・・・と展開が分かってはいたけども、物語の出来の良さに 最後の最後まで楽しめました。 楽しめた・・・というより、愛しく読めた。 2人の過ごす時間も、潤の変化する姿も リュウが普通の金魚に戻ってしまう姿も 人間として現れることが出来るのに 潤の前に姿を現さなかった長い時間も。 長い長い間、復讐の為だけに成仏しなかったリュウが 果たさずに潤を想うとこ。 最後は悲しくて切なくて仕方なかったけど 潤とリュウのユーモアあり、悲しみあり・・・の 時間が読者として 愛しくて忘れられない作品になりました。 また大切な一冊が増えました。
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いやぁ、参った!萩原さんはズルい。 散々笑わせておいて、ホロっとさせるんだから、読者としてはたまったもんじゃない。 恋人に振られ、やりがいのない仕事に追われ、いつも死にたいと思っている潤は、夏祭りの金魚すくいで気紛れにすくった金魚にリュウと名付けた。 その夜、...
いやぁ、参った!萩原さんはズルい。 散々笑わせておいて、ホロっとさせるんだから、読者としてはたまったもんじゃない。 恋人に振られ、やりがいのない仕事に追われ、いつも死にたいと思っている潤は、夏祭りの金魚すくいで気紛れにすくった金魚にリュウと名付けた。 その夜、赤い衣装を着た美女が現れる。金魚と暮らし始めた潤は、死者が見えるようになり、営業成績がグングン上がるようになった。 美女に振り回されながらも、毎日の生活に幸せを見出していく潤。そんな生活も唐突に終わりを迎える。 よく、この一行で世界が一変するという物語があるが、その一言で思い描いていた世界が一気に変わってしまった。それは、これから読む人のお楽しみということで。 切なくて楽しくて、愛おしい。そんな物語。萩原さんは本当にズルい。
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ブラック企業に勤める主人公と、金魚になったり人間になったりする美女とのファンタジー。 金魚の蘊蓄が意外にも面白く、昔お祭りで釣った金魚のことを思い出しました。 割と長生きしてくれたけれど、飼育法、いっぱい間違っていたなぁ。
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完全なファンタジー。 主人公と金魚姫の関係性や金魚姫の容姿性格は、青年漫画にありそうな物語でした。 漫画だったら一コマで終わるようなところが細かく描写されているので、想像力豊かでないとなかなか難しい。 ということで、想像が追いつかないところもあったけれど、いろんな伏線がありどんど...
完全なファンタジー。 主人公と金魚姫の関係性や金魚姫の容姿性格は、青年漫画にありそうな物語でした。 漫画だったら一コマで終わるようなところが細かく描写されているので、想像力豊かでないとなかなか難しい。 ということで、想像が追いつかないところもあったけれど、いろんな伏線がありどんどん読み進められます。 ただファンタジーを抜いても、やっぱり漫画感が強かったかな。
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