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猫を拾いに の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

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2019/03/15

ここ最近仕事で活字を追うことが多かったので、自分のための読書は久しぶりだった。リハビリ的にも、川上さんの文章は何の負荷もなく沁み入ってくるので。 わたしたちの世界とは少し違う世界の話、と切り離してしまうのも違うし、夢のような話、というのも違うな。 そういうのもあるのかな、みたいな...

ここ最近仕事で活字を追うことが多かったので、自分のための読書は久しぶりだった。リハビリ的にも、川上さんの文章は何の負荷もなく沁み入ってくるので。 わたしたちの世界とは少し違う世界の話、と切り離してしまうのも違うし、夢のような話、というのも違うな。 そういうのもあるのかな、みたいな。 形のないものが、川上さんによって名前や体温や色を与えられてそれぞれの物語になっている。わたしが好きな川上弘美が掌編としてきゅうっと詰まった一冊だった。 九月の精霊、朝顔のピアス、が好き。

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2019/01/04

 真ん中くらいまでは、結論がなくて何ともないただの描写じゃないのかと思っていましたが。「そういうことは、なんとなく、わかるものなのだ」という、村上春樹みたいな文章あたりから、その結論の無さが好ましくなってきました。  「地球上の生活には金がかかるかもしれないけど、太陽のまわりを年...

 真ん中くらいまでは、結論がなくて何ともないただの描写じゃないのかと思っていましたが。「そういうことは、なんとなく、わかるものなのだ」という、村上春樹みたいな文章あたりから、その結論の無さが好ましくなってきました。  「地球上の生活には金がかかるかもしれないけど、太陽のまわりを年に一周する旅が無料でついてくる」なんていうちょっとくさい文章もなんだか許せてしまいます。  川上さんはあまり読んだことはありませんがちょっと気を付けて読んでみようと思いました。

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2018/11/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2018.11.01 読了 どのお話も好き。 最初の 《朝顔のピアス》 もとても好き。 ラブレターの依頼。 他の依頼の話ももっと聞きたいし、 「文章業」のこの人のことも知りたいし、 「恵子さん」のことも知りたいし、 私の好きな世界なんだな。 《ハイム鯖》のホットケーキを食べたいけど、ちょっと怖いかも 《ぞうげ色で、つめたくて》 衣世さんのその後と 丹ニさんのその後も知りたい。 あーどれも 続きを知りたくなるような、 その世界にもっといたいような そんなお話ばかりだったんだな。 《誕生日の夜》 こんな風に誕生日を祝える友達がいて羨ましいなあと思った。でも読み進めているうちに、 こんな誕生会に参加したら、 私はどうするのかドキドキしてしまいました。 《はにわ》 息子がゲイだとカミングアウトされた母の話も。 わかるような気がしたけど、 なんであろうと、いい息子だからいいじゃない と思ってしまった。 私の絵文字にもはにわはあるんだろうか。 《新年のお客》 1つの派遣業だな。 「にせ」仕事。 私は演技力皆無なのでできないけど、ちょっとやってみたいよね。 他の仕事ももっと教えて欲しい。 《ドンボ玉》 この男いいと思うけどな。 《ひでちゃんの話》 こんな友達も欲しいね。 21話分書こうと思ったけど、 もうきりがないからやめる。 とにかく、私のちょっと好きな人たちが沢山いるしあわせな小説だった。 川上弘美さんの本も読んでみよう。

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2018/10/30

とても面白かったです。このテンションが丁度良くて好きです。 小さな短編がいくつも、でもこれまで読んできた川上さんの短編集と地続きの世界が嬉しかったです。修三ちゃんも、多分山口さんと同じ村?のまるいさんも。 お話は表題作が一番好きでした。これから世界はほろびていくのだろう、でもこん...

とても面白かったです。このテンションが丁度良くて好きです。 小さな短編がいくつも、でもこれまで読んできた川上さんの短編集と地続きの世界が嬉しかったです。修三ちゃんも、多分山口さんと同じ村?のまるいさんも。 お話は表題作が一番好きでした。これから世界はほろびていくのだろう、でもこんなゆるゆるとした諦念なら良いかなと思います。そして、本当にこんな風になるんだろうな、と感じました。 「でも、恋をすると、誰でもちょっぴりずつ不幸になるよ。」これは…!と思いました。 壇蜜さんの解説も嬉しいです。「つっつけ、不幸。つんつん。」

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2018/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

川上弘美の作品の中では、わりとマイルドで読みやすい短編集です。表題作の「猫を拾いに」よりも個人的には「ミンミン」「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」の続けて3作と、「九月の精霊」がなんといってもお気に入り。順番に。「ミンミン」…小人のお話。ああ良いなぁこういう感覚が持てたら幸せだなと、純粋に思ってしまう童話のようなお話。コロポックル的。「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」…登場人物が同じ、視点が違う女性の作品。まず前作を読むと、後作の話がすっと入ってきます。いますよねぇそういう人、でも憎めないし同性としても好きだけれど、でも少し憎らしいっていう感覚は素敵。無意識のうちに人を惹きつける人は、おそらく本来自分では気付いていなくって、だからこそ稀有で美しい存在。「九月の精霊」…今作品集の中で、個人的には一番お気に入りの作品。川上弘美らしい作品で、不思議で、幸せで、奇妙な感じ。先祖や血の繋がりはどうしても切っても切れないし、どうしても過ぎる時に涙が出てくる。成長して、歳をとって、だんだん死が近くなる。それは辛いことのようで本当は幸せなことでもあって、それを作品から感じることで幸福な気持ちが溢れてきました。生きていく、それぞれ女性にとって生き方が違うように、幸福のかたちや幸せを感じることも違うなぁと思わせられる作品集。

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2018/07/04

やっぱり弘美さんの文章ってイイですねぇ。 ほっこりした安心感があります。 短編集なので、 いろんなタイプのお話を 堪能することができますよッ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブ...

やっぱり弘美さんの文章ってイイですねぇ。 ほっこりした安心感があります。 短編集なので、 いろんなタイプのお話を 堪能することができますよッ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

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2018/06/30

川上弘美さんの本は6冊目。 以前、こちらでも書いたことがありますが、「川上弘美の文章は美しい」 どこかでどなたかが書いていたこの一文がずっと頭の片隅に。 実際に読んでみると、川上さんの文章はとても優しく、心地よい。 お気に入りは『これでよろしくて』 この【猫を拾いに】はちょっと...

川上弘美さんの本は6冊目。 以前、こちらでも書いたことがありますが、「川上弘美の文章は美しい」 どこかでどなたかが書いていたこの一文がずっと頭の片隅に。 実際に読んでみると、川上さんの文章はとても優しく、心地よい。 お気に入りは『これでよろしくて』 この【猫を拾いに】はちょっと不思議な短編集。 時々、あたまのなかに”?????”の嵐が巻き起こる物語もあるけれど (笑)

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2018/06/24

著者の作品に通底する日本らしさを日常で体感できなくなっている自身の日々の生活の貧しさが何に由来しているかはわかっている。それを取り戻さなくてはと思わせてくれる素敵な短編の数々でした。

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