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猫を拾いに の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

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2024/06/30

少し常識と比べたら変わった境遇だったり、体験だったり、なんとなく謎な人とか宇宙人とか小さい人とか幽霊だったりが出てくるちょっと不思議なテイストの21編の短編集。みんなもやっとしたものを抱えながらも、「まあいいか」とそれでも前を向いていくような、寂しさや悲しみに寄り添う温かさを感じ...

少し常識と比べたら変わった境遇だったり、体験だったり、なんとなく謎な人とか宇宙人とか小さい人とか幽霊だったりが出てくるちょっと不思議なテイストの21編の短編集。みんなもやっとしたものを抱えながらも、「まあいいか」とそれでも前を向いていくような、寂しさや悲しみに寄り添う温かさを感じました。特に『信長、よーじや、阿闍梨餅』がいちばん面白かった。 1話1話が短いので思い出した時に少しずつ読み返したくなりそう。

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2024/06/24

「こないだ本よんでたらさあ。圭司はそこでぱさりとあおむけになった。こんなことが書いてあった。地球上の生活には金がかかるかもしれないけど、太陽のまわりを年に一周する旅が無料でついてくるって」

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2024/05/28

めちゃおもろ。 日常の何てことないようなお話にちょっとした不思議や全然「ちょっと」じゃない不思議が出てきたり、出てこなかったり。21話も短編が収録されています。なんかすごくお得感がありました。一話一話が短いので、サクサク読んでしまいますが、気に入ったものを読んだ後は「ぐふふ」と思...

めちゃおもろ。 日常の何てことないようなお話にちょっとした不思議や全然「ちょっと」じゃない不思議が出てきたり、出てこなかったり。21話も短編が収録されています。なんかすごくお得感がありました。一話一話が短いので、サクサク読んでしまいますが、気に入ったものを読んだ後は「ぐふふ」と思います。 私が好きだったのは、「誕生日の夜」「新年のお客」「クリスマス・コンサート」「九月の精霊」「信長、よーじや、阿闍梨餅」です。 特に、「新年のお客」は「これは、私好きっぽいぞぉ」、と思いながら読み進めたら、その前に「はい、これ、好きー」って思った「誕生日の夜」の坂巻君が出てきて、「いや、やられたわ。完敗。」となりました。あぁ、うまく表現できない。こんな風に書くとめっちゃアホっぽい・・でも、本当にこんな勢いで読んで、楽しみました。 全体を通して、多くに共通していたのは「恋愛」でした。もうこんな歳だし、「恋愛モノ」はもういい、と思いがちな私ですが、なんかサラッとした感じの「恋愛モノ」ばかりで、読んでいて嫌じゃなかったです。 こういう短編集って、他の人はどの短編が好きだったのか、レビューで知るのが楽しいですよね。「同じー!」と思ったり、「そうきたか!」と思ったり、一人でニヤニヤしてしまいます。 そして、こういう短編集は後々、ふとした瞬間に思い出したりするんです。ひとつひとつのストーリーをずっと覚えてるわけではないんですよ。というかむしろほとんど忘れてる。なんなら読んだすぐ後にはもう忘れてる。なのに、後になって急に思い出すんです、ストーリーのいち場面を。本当にふ、と。で、それがどの短編集の中のひとつのお話のいち場面かが、なかなか思い出せない。作者さえわからないこともある。で、しばらく悶々として結局思い出せずに、また忘れる。そもそも、そのいち場面も本当に正しいかわからない。自分の脳内で書き換えてるかもしれない。そんなあやふやないち場面のために悶々とする。悶々とする時間は短いながら、こう、なんとも歯がゆいんですよ。何が言いたいかというと、本書もそうなりそうってこと。それだけです。 あぁ、面白かった!読了後は、「ちょっと不思議な世界へ行って、帰ってきました、無事生還!!」、という感じ。読書って本当に最高の娯楽だな~と思いました。私は好きなタイプの本でした。あ、そういえば、川上弘美さんの作品は初読みでした。

Posted byブクログ

2024/08/18

結局、何度めかの再読の後、購入しました。 ↓過去の感想 何度目かの再読。 買うほどではないと思いつつ、忘れられない短編があり また図書館で借りて読んでしまう。 叶わなかった恋のようです。

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2024/03/12

試験前で読書を控えていた先月、ちまちま家にある"センセイの鞄"を読み、川上弘美欲が高まってしまった。 21の短編から成るこちらの作品は、どれも川上さん節が強く、みょうちくりんで魅力的な小説ばかりで心が満たされた…! このくらいなら書けそうだと思わせてくる。だ...

試験前で読書を控えていた先月、ちまちま家にある"センセイの鞄"を読み、川上弘美欲が高まってしまった。 21の短編から成るこちらの作品は、どれも川上さん節が強く、みょうちくりんで魅力的な小説ばかりで心が満たされた…! このくらいなら書けそうだと思わせてくる。だけど、絶対に書けないユニークな表現や世界観たち。高等テクや…! お気に入りは"誕生日の夜"。 いつも通りナナの部屋で、のぞみとナナにお祝いされる誕生日。にぎやかな誕生日にするため、知り合いや、知りあいの知りあいもどんどん招待した結果、昌子たちや、のぞみの恋人の国枝くんとその友達、見知らぬおばあさんとおじいさん、タヌキのつがいと鶴にプレーリードッグ、そして地球外生命体のゆむ°て、どんどん参加者が増えていくカオスなのに穏やかで楽しそうな誕生日会。 出来すぎている息子の、性的嗜好だけが母である"私"を悩ませる"はにわ"も素敵。 交通調査で使うカウンター機で感情が揺さぶられた数を数える同級生に出会う"真面目な二人"。 女の阿部さんと男の阿部さんが出てくる"ラッキーカラーは黄"。 どれも最高にふにゃふにゃしていて、優しい夢みたいな物語で大好き。

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2024/01/16

つかめそうで、つかめない。それが心地良いと思う。 現実と非現実の間を描くのが本当に巧みだと感じる。 どちらかと言えば、今までも、これからも、この短編に出てくるような不思議なことが、私に起きることはないだろうけど、似たようなやりとりはするんだろうなっていう、身近な感じというか、親近...

つかめそうで、つかめない。それが心地良いと思う。 現実と非現実の間を描くのが本当に巧みだと感じる。 どちらかと言えば、今までも、これからも、この短編に出てくるような不思議なことが、私に起きることはないだろうけど、似たようなやりとりはするんだろうなっていう、身近な感じというか、親近感がある。 川上弘美さんの作品は、いつも夢の中みたいで、目が覚めたら夢のことなんか忘れてしまうみたいに、読み終わったら詳細に思い出せない。でも、夢で見た一場面とか、言葉とか、小さな要素は頭の片隅にちゃんと保管されていて、ふとした時に思い出す。これを思い出したときがまた不思議な感覚になって、読んで良かったなあとしみじみ思う。 表題作は、まさかのディストピアで面白かった。こういう世界も書く人だったのか! 私もどこかでカウンター機を見つけたら、物語の2人みたいに持ち歩いてカウントしたいなと思った。 個人的に、解説の壇蜜さんの文章が面白くてとても好みで、壇蜜さんの本も読んでみたいなと思った。解説も読む価値大アリです。

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2024/01/11

 大好きで何度も読んでる本。どれも本当に短いお話なのに印象的で心に残るし読み返したくなる。特に好きなものは、 「猫を拾いに」 あたしたちは、じきに、ほろびるんだね 空想のようで現実のような少し切ない日常。 「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」 一本の映画を見たような気持ち...

 大好きで何度も読んでる本。どれも本当に短いお話なのに印象的で心に残るし読み返したくなる。特に好きなものは、 「猫を拾いに」 あたしたちは、じきに、ほろびるんだね 空想のようで現実のような少し切ない日常。 「クリスマス・コンサート」「旅は、無料」 一本の映画を見たような気持ちになる恋の話。 川上さんの書くちょっと距離感のある女性たちと、現実や日常の延長線に成立する少し不思議な世界がとてつもなく好き。

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2023/12/22

恋愛の短編集 川上弘美さんの作品はとても好きだ。 個人や人間や生物という、みんなが持って生きている枠というか輪郭がとても曖昧なぼやけている世界を描くのがとても上手い。 それでいって、登場人物はみんな自分の意見をしっかりもってる。まあこの二つは矛盾していくわけではないのだけど ...

恋愛の短編集 川上弘美さんの作品はとても好きだ。 個人や人間や生物という、みんなが持って生きている枠というか輪郭がとても曖昧なぼやけている世界を描くのがとても上手い。 それでいって、登場人物はみんな自分の意見をしっかりもってる。まあこの二つは矛盾していくわけではないのだけど この二つのミックス度がとても素敵な本 しかも恋愛について深いことをさらっと言うので心に気づいたら突き刺さってる。

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2023/08/17

「地球上の生活には金がかかるかもしれないけど、太陽のまわりを年に一周する旅が無料でついてくる、って」(p.187) 川上ワールドにとっぷり浸かれる21篇。 肉体は太陽のまわりを旅しながら、精神は本のなかへと旅に出る。同時に2つの旅ができるのは、読書家の特権だと思った。 一番好き...

「地球上の生活には金がかかるかもしれないけど、太陽のまわりを年に一周する旅が無料でついてくる、って」(p.187) 川上ワールドにとっぷり浸かれる21篇。 肉体は太陽のまわりを旅しながら、精神は本のなかへと旅に出る。同時に2つの旅ができるのは、読書家の特権だと思った。 一番好きだったのは、「誕生日の夜」の、のぞみの台詞。「2000年は20世紀だったわけだから、31歳になってはじめて20代の世紀が終わる」という言葉が、ちょうど先日31歳になったばかりの自分にがつんと響いた。悦子に倣って、わたしも何かをひとつ、新しくしてみようかな。

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2023/06/08

川上さんの作品は、いつもハッとさせられる。これまで気が付けなかった視点や、言語化できなかった気持ちに出会える。

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