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ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと の商品レビュー

3.7

45件のお客様レビュー

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2019/12/28

0147 2019/10/02読了 自分が思っている「当たり前」がよそでは当たり前ではないことがよく分かる。文化によってこんなにも常識は変わるのか。 反省することがないって何だ?こんにちはやありがとうという言葉がない?そのくせ男性は「勃起してる?」という挨拶があるって何?など、そ...

0147 2019/10/02読了 自分が思っている「当たり前」がよそでは当たり前ではないことがよく分かる。文化によってこんなにも常識は変わるのか。 反省することがないって何だ?こんにちはやありがとうという言葉がない?そのくせ男性は「勃起してる?」という挨拶があるって何?など、そんな文化があるなんて考えたこともなかった。とても驚いた。 教育を受けていれば幸せだと思っていたけど、日本の教育を見ると虐待や競争、いじめとかあるし、プナンの人たちのように家族や周りの大人たちとともに森へ行って狩りを覚える方がいいのかな、教育ってなんだ?と考えてしまった。 死に対する考え方も、そこまでするか?と思うけどプナンの人たちの考え方も良いかもと思ったり…。 最後までとても興味深く読めた。 ニーチェも気になる。

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2019/11/09

タイトルそのままの本.人類学者が考えたことを読んでこちらも考えさせられた.ただ,章ごとの始めに出てくるニーチェの言葉がハードル高く関連性も含めて意味不明だった.

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2019/09/13

ジャレド・ダイアモンド氏のいう「昨日までの世界」=狩猟採集民の実態というのは、いろいろなパターンがあるようですが、本書はその内のひとつであるボルネオのプナンの人たちのパターン。 彼らとともに一年以上一緒に生活した文化人類学者が、プナンの価値観というか世界像とわれわれ現代人との違い...

ジャレド・ダイアモンド氏のいう「昨日までの世界」=狩猟採集民の実態というのは、いろいろなパターンがあるようですが、本書はその内のひとつであるボルネオのプナンの人たちのパターン。 彼らとともに一年以上一緒に生活した文化人類学者が、プナンの価値観というか世界像とわれわれ現代人との違いを浮き彫りにするなど、人間の価値観とは何か?を考えさせられる本です。 ニーチェの「絶対的な価値観はない」という哲学を引用していますが、今の哲学は現代現象学として、だいぶアップデートされてて、世の中は無価値なんじゃなくて、プナンにはプナンの、現代人には現代人の共通了解に基づく価値観があって、それが違うということです。

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2019/05/19

ボルネオ島の狩猟採集民族のプナンとともに暮らした文化人類学者によるドキュメント。 反省しない、謝罪しない、貸し借りの感覚がない、年月日の感覚もなく、何かに備えたりしないそうだ。 反省しすぎ、謝罪しすぎ、何かに備えすぎる自分は何だかなー、と思わざるを得ない。とっても面白かった。

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2019/05/09

感謝も反省もない、狩猟民族プナンの生き方。貸し借りの概念もなく、モノは率先して皆に分け与えるのが良い心がけとされる。また、カミも、感謝を捧げる対象ではなく、人間と動物はカミの前に平等であるとの考え方。 哲学方面の話は難しかったが、近代のデカルト的自我に対して、プナンの人々はニーチ...

感謝も反省もない、狩猟民族プナンの生き方。貸し借りの概念もなく、モノは率先して皆に分け与えるのが良い心がけとされる。また、カミも、感謝を捧げる対象ではなく、人間と動物はカミの前に平等であるとの考え方。 哲学方面の話は難しかったが、近代のデカルト的自我に対して、プナンの人々はニーチェのいう永遠回帰を生きているという考察は興味深かった。

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2019/03/07

興味深い。人も含めたあらゆるモノについて個人所有という概念を持たない暮らしは、原始共同体を維持するために必然的なかたちだったのかもしれない。現代の日本の暮らしに全身どっぷりと浸かっている私には不可能な生き方なのだろうけれど。

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2019/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ニーチェなんだけれど。なんでニーチェなのかは中にも出てくる。でも、あまり合わない気がする。ニーチェいらないんじゃないか。この人たちの話はとてもとても興味深いし、面白かったけれど。

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2018/12/28

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと。奥野克巳先生の著書。ボルネオ島の狩猟採集民族であるプナン人との交流から奥野先生が学んだことがまとめられています。人間の幸せの意味について改めて考えさせられる良書です。お金儲けのための森林破壊や森林伐採でプナン...

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと。奥野克巳先生の著書。ボルネオ島の狩猟採集民族であるプナン人との交流から奥野先生が学んだことがまとめられています。人間の幸せの意味について改めて考えさせられる良書です。お金儲けのための森林破壊や森林伐採でプナン人が苦しむようなことがないように願います。

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2018/12/23

ボルネオ島の森に暮らす狩猟民族プナンと生活を共にした文化人類学者による レポートです。 本のタイトルからも想像がつくように、プナンの人々は、反省するということがない、向上心というものがない、感謝の気持ちを伝える言葉がない、将来どうなりたいとか、どうしたいという心構えがない、薬指を...

ボルネオ島の森に暮らす狩猟民族プナンと生活を共にした文化人類学者による レポートです。 本のタイトルからも想像がつくように、プナンの人々は、反省するということがない、向上心というものがない、感謝の気持ちを伝える言葉がない、将来どうなりたいとか、どうしたいという心構えがない、薬指を表す言葉がない、方角という概念がない等々、先進国に暮らすわたしたちには、思いもよらない文化や習慣が紹介されています。そもそも時間の概念、捉え方が、わたしたちとはまったく異なります。  どちらの文化や考え方が良いとか悪いとかいうのではなく、あらためて気づかされることがたくさんありました。でもどちらかというと、プナンの人たちの生き方のほうが、無理がないのではないかという風に感じられます。先進国で暮らすわたしたちは、どこかで自分を偽っているような気がしますが、プナンのひとたちの振る舞いは、すごく自然であるように思われました。生き方を問い直す、良い機会となる一冊でした。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

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2018/12/04

いやこれ、久々に脳ミソ揺さぶられた著作だった。反省することや感謝することがそもそも存在しない世界に生きるボルネオの狩猟採集民プナンと暮らした著者である人類学者が、軽妙な文体で現代に生きる、いや過去から文化的に生きてきたと思っていた人間の価値観を揺さぶり続ける。それが今も生きてるプ...

いやこれ、久々に脳ミソ揺さぶられた著作だった。反省することや感謝することがそもそも存在しない世界に生きるボルネオの狩猟採集民プナンと暮らした著者である人類学者が、軽妙な文体で現代に生きる、いや過去から文化的に生きてきたと思っていた人間の価値観を揺さぶり続ける。それが今も生きてるプナンの人々の暮らしの事実と、思いもよらぬ視点からの考察で、今の我々の生き方の根元に疑問を投げかけてくる。それは今の我々が間違っているというわけではなく、こういう考え方もあるよという可能性の提示であるので、イヤな気持ちにもならない。これは面白いものを読んだ。久々得した気分の読書だった。

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