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発達障害と少年犯罪 の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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2022/06/29

■発達の障害凹凸だけでは触法とか問題行動になることは非常に少ない。そこに「プラスαの要因」がなければならない。それは何かというと迫害体験である。過剰な叱責、学校でのいじめなど。そういう子供虐待のような迫害体験が加算されたときに発達の凹凸を持った人は非常に調子がおかしくなる。 ■虐...

■発達の障害凹凸だけでは触法とか問題行動になることは非常に少ない。そこに「プラスαの要因」がなければならない。それは何かというと迫害体験である。過剰な叱責、学校でのいじめなど。そういう子供虐待のような迫害体験が加算されたときに発達の凹凸を持った人は非常に調子がおかしくなる。 ■虐待によって入院治療していた子供36人のうち注意欠陥・多動性障害や自閉症スペクトラム障害を持っている子供は53%にも上る。 ■発達障害を持つ子供の特性は虐待の「リスク要因」になっている。つまり発達障害という先天的な脳の病気によって子供はいわれのない暴力や虐待を受ける可能性があるということ。 ■「非行や触法行為を行っていない」ものに子供虐待がある割合が28%であるのに対し、「非行や触法行為を行った」ものの場合は56%と倍にも至る。つまり自閉症スペクトラム障害を持つ子供に虐待という要素が注ぎ込まれると非行に走る可能性が2倍になるということ。 ■「犯罪などの不良行為をしたりするおそれがある」 子供が収容されている静岡県のある児童自立支援施設の入所者のうち、およそ95%が虐待経験を持ち、37%は性的虐待を受けていた。 ■「困っている子供」の6つの特徴 ①認知機能の弱さ ②感情理解の乏しさ ③融通の利かなさ ④不適切な自己評価 ⑤対人スキルの乏しさ ⑥身体的不器用さ ■自己肯定感が低い原因 ①周りから認められたり褒められたりしたことがない、若しくは少ない ②家族や近親者から過剰な叱責や肉体的な虐待を受けてきた ③能力や行動を一定期間、否定され続けてきた ④選択肢を与えられてこなかった、そのため自分で決められない ⑤周りが耳を傾けてくれない、若しくは無視をされ続けてきた  これらは広い意味での虐待に含まれる。 ■発達障害と父親の年齢の相関  2012年、アイスランド、デンマーク、イギリスの共同チームは親の遺伝子にはないゲノム配列の変化を見つけるため、両親と子供の親子3人、計78組と対象群数百組のゲノム解析を行った。その結果遺伝子に起こる新生突然変異の発生率の増加は、要因の97.1%が受胎時の父親の年齢にある可能性が示された。一方、新生突然変異の発生率の増加と受胎時の母親の年齢には関連は見出されなかった。  現在の新生児は平均して約60の小規模な新生突然変異を持ってい生まれてくるとされている。父親が20歳の場合、新生突然変異の平均数は25だが、40歳の場合では65だった。新生突然変異が起こる確率は受胎時の父親の年齢が上がるほど上昇する。父親の年が16歳違うと発生率は倍になる。つまり20歳の父親に比べて36歳の父親の方が、子供に新生突然変異が起こる確率が2倍になるという結果が出た。  まだ研究途上の分野ではあるが、このデータからは女性ではなく男性の結婚が遅れることによって発達障害を持つ子供が多く生まれている可能性が高いということが言える。

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2022/03/17

途中、何だか読みにくいところがあり、発達障害と少年犯罪が本当に関係があるのか分からないところがあった。 発達障害に+α(虐待など)が加わると、犯罪に繋がる可能性が高くなる。脳の障害。 日本は子の虐待にかけるお金が少なすぎる。

Posted byブクログ

2022/03/11

発達障害と無差別殺傷の関わりが気になって拝読。 少年院でのインタビューが質問も的を射ってない感じがしたりそれの解釈が「ん?」って感じだったりした。 止められてみたが家族のことについて訊いてみることにした。じゃないよ!

Posted byブクログ

2021/12/07

少年犯罪と発達障害の関係を取り扱った作品。 発達障害を持つ子と親から適切な養育を受けていないと思われる発達障害を持つ子たちへのケアが大切になってくるなぁと感じた。

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2021/09/27

ほんの数十年前には 「発達障害」という言葉を 見かけることはなかった その言葉が 巷にあふれるようになったのは ここ十数年のことのような 気がする その研究が進んできたがゆえに 見通しが良くなってきたこと いや そうであるがゆえに この国では まだまだである部分が 浮き彫りに...

ほんの数十年前には 「発達障害」という言葉を 見かけることはなかった その言葉が 巷にあふれるようになったのは ここ十数年のことのような 気がする その研究が進んできたがゆえに 見通しが良くなってきたこと いや そうであるがゆえに この国では まだまだである部分が 浮き彫りにされてきた 他人事ではない 自分自身の問題として 受け止めていきたい事実が 粛々と綴られている一冊

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2021/09/21

1,感覚障害 不器用  動作がぎこちない、三輪車、自転車の補助輪がとれない、ボール遊びが苦手、箸が上手に使えない、 運動は全く苦手なのに、ビアノは上手に弾いたり、字は下手だが絵は上手だったり、 不器用さは模倣 途中

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2021/07/24

発達障害と少年犯罪の関係性に焦点を当てた本。 最後の後書きで著者がある事実を告白するのだが、そこがなんだかじーんときてしまった。 私も当事者だからか。 時々ニュースで目にする、わけのわからない動機でひとを殺す少年少女たち。殺してみたかっただの、人の血を流すところが見たかっただの、...

発達障害と少年犯罪の関係性に焦点を当てた本。 最後の後書きで著者がある事実を告白するのだが、そこがなんだかじーんときてしまった。 私も当事者だからか。 時々ニュースで目にする、わけのわからない動機でひとを殺す少年少女たち。殺してみたかっただの、人の血を流すところが見たかっただの、自閉スペクトラム障害特有の「こだわり」「執着」が高じるととんでもないことになる。 発達障害があると虐待されやすいというのはなるほど確かに、と思う。親だって育てにくい子だと疎ましく感じやすいんだろう。発達障害が虐待を呼び込み、いじめを呼び込む。

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2021/06/18

しっかり取材した労作である。 たしかに発達障害のせいで犯罪に走った子供たちは気の毒ではある。しかも家庭環境が障害を生んだり、さらに助長するというのであればなおさらだ。 本書でも紹介されているが、こうした少年たちの治療と更生に心血を注いでいる関係者の根気と労苦には頭が下がる。 た...

しっかり取材した労作である。 たしかに発達障害のせいで犯罪に走った子供たちは気の毒ではある。しかも家庭環境が障害を生んだり、さらに助長するというのであればなおさらだ。 本書でも紹介されているが、こうした少年たちの治療と更生に心血を注いでいる関係者の根気と労苦には頭が下がる。 ただ、本書では被害者が置き去りにされている感が否めない。 本書のテーマ上、仕方のないことだろうとは思うが、「加害者は発達障害だった。罪を憎んで人を憎まず。発達障害ゆえに罪を犯した人の治療に取り組むべき」というだけで、ひっかかりを感じる。 明らかに被害者とその家族がいるわけで、被害者にしてみれば「そうですか、私の家族を殺した犯人は発達障害ですが、じゃあ仕方ありませんね」などとは到底思えないだろう。「加害者も実は(病気の)被害者」だからといって、犯した罪がちゃらになるわけでもない。 あと、ジャーナリストの本によくあることなのだが、「1年以上待って」「施設まで2時間半かかった」「5か月後に取材OKの決裁がおりた」「3時間で6人に取材」「子供であってもため口はきかない」「私はかなりの変わり者だと思われているフシがある」など、著者の「大変だったんです」的な表現と強い我のようなものがところどころあらわれてイライラした。 そういうものなしに、取材した結果をルポできればよかったのに。

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2021/05/31

日本が児童相談所や施設にかけている費用は年間1,000億円らしい。 これは米国の30分の1、オーストラリアの3分の1。 日本の人口が米国の約2分の1、オーストラリアの約5倍であることを考えると、いかに少ないかが分かる。 子供を支えるということは将来的な生産性を担保する事に他ならな...

日本が児童相談所や施設にかけている費用は年間1,000億円らしい。 これは米国の30分の1、オーストラリアの3分の1。 日本の人口が米国の約2分の1、オーストラリアの約5倍であることを考えると、いかに少ないかが分かる。 子供を支えるということは将来的な生産性を担保する事に他ならないが、それをしないのが我が国ということ。 民主主義、多数決の選挙ゲーム自体を見直さないと生産性の悪化は止められないだろう。

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2021/05/24

発達障害を持つ子どもが『プラスαの要因』(虐待や迫害体験)を受けることで、問題行動につながる可能性がある。 それはなぜか?日本では児童精神医療が乏しく、発達障害への理解も低いため、”変わった子””育てにくい子”として誤解が生まれ、正しい接し方できずに、結果として虐待や間違った接...

発達障害を持つ子どもが『プラスαの要因』(虐待や迫害体験)を受けることで、問題行動につながる可能性がある。 それはなぜか?日本では児童精神医療が乏しく、発達障害への理解も低いため、”変わった子””育てにくい子”として誤解が生まれ、正しい接し方できずに、結果として虐待や間違った接し方(心理的虐待)に繋がってしまっているからだ。 虐待や学校でのいじめ、過度な叱責は脳を破壊し犯罪のスイッチとなる。 ではその負の連鎖を断ち切るにはどういった教育が必要なのか?周囲の人間は何をすればいいのかをまとめた一冊。 問題行動に繋がる諸悪の根源は、もちろん発達障害ではなく、周囲の不理解や不十分なサポートから生じる虐待や迫害なのだ。著者もそれを訴えたいと思うのだが、序盤はセンセーショナルな少年犯罪を例にあげ、あたかも発達障害が原因のような書き方をしているのが気になった。 読み進めていくと、だんだんと虐待などが問題行動の原因だとわかるのだが、序盤から中盤にかけては、発達障害を持つ人たちへの偏見を助長するように思えた。

Posted byブクログ