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はじめての沖縄 の商品レビュー

4.2

38件のお客様レビュー

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2018/11/13

“沖縄病”を発症し、沖縄を語ること、考えることを職としながら、沖縄をたやすく語ることへの逡巡、葛藤を書く。ゴーヤチャンプル、58号線、ビーチ、基地問題、表層的に“ナイチャー”の視点で語られる言説は、ほんとうの沖縄を覆い隠し、その先を知ろうとすることで初めて見えてくるのは“はじめて...

“沖縄病”を発症し、沖縄を語ること、考えることを職としながら、沖縄をたやすく語ることへの逡巡、葛藤を書く。ゴーヤチャンプル、58号線、ビーチ、基地問題、表層的に“ナイチャー”の視点で語られる言説は、ほんとうの沖縄を覆い隠し、その先を知ろうとすることで初めて見えてくるのは“はじめての沖縄”だ。とてもいい本で、何度でも読み返したい。そのたびに沖縄は“はじめて”の顔を見せるのだろう。

Posted byブクログ

2018/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者がコミュ強すぎてだんだんよむのが辛くなることをのぞけば良著。タイトルは詐欺。今後沖縄の議論をする際に参照されてしかるべき著者であることがよくわかる。概説でありエッセイ的な本。沖縄の戦後復興は基地がなくても可能だったという指摘は大きい。

Posted byブクログ

2018/10/04

岸さんの本はこれで3冊目。誠実で自省的な文章にいつも惹かれます。 本書に関しても、これだけナイチャーとして誠実に沖縄に向き合った本はあるのかな、と思います。

Posted byブクログ

2018/10/02

とても身近に沖縄がある内地の者として、この本のあらゆるシーンで共感と感銘と、唸りが漏れ出た。スーパーやモールのような場所でも肺一杯感じられる沖縄らしさを同じく体感し肯定している人が居ること、そして様々な境界線を、内側と外側から、愚直に筆致する事の大事さ。 沖縄と接すれば誰もが感...

とても身近に沖縄がある内地の者として、この本のあらゆるシーンで共感と感銘と、唸りが漏れ出た。スーパーやモールのような場所でも肺一杯感じられる沖縄らしさを同じく体感し肯定している人が居ること、そして様々な境界線を、内側と外側から、愚直に筆致する事の大事さ。 沖縄と接すれば誰もが感じられるやさしさと苦味、知るほどに言葉にすることを諦めるような、曖昧で複雑で多様で根深くて、単純には語れないものを、しかし恐れない為に、複数の物語と共に丁寧に描き出す。それは沖縄(へ)の愛おしさでもある…知事選が終わって…果たして俺達は沖縄の何を知っている? この本自体の成立が、たいへんなバランス感覚であり、勇気であると思うようなそれだった。『はじめての沖縄』というタイトルから勘違いして手に取るような人がいっそ増えればいい。 寄り添う視点から腹に残る歯応え、島豆腐のように何度も噛み締めたくなる、そしてこの国を捉え直すことさえできる本。 https://twitter.com/magoshin/status/1046812080324542466

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2018/07/19

岸さんの研究スタイルは、その個人のライフヒストリーをインタビューで聞き取る人生史を紡ぎとって、大きな歴史の流れのなかでは掬い取れないものを捉える、というものだと思う。 沖縄に対しても、そうした姿勢で臨んでいる。自分も沖縄に魅せられている一人だから、それは参与観察でもあるかもしれな...

岸さんの研究スタイルは、その個人のライフヒストリーをインタビューで聞き取る人生史を紡ぎとって、大きな歴史の流れのなかでは掬い取れないものを捉える、というものだと思う。 沖縄に対しても、そうした姿勢で臨んでいる。自分も沖縄に魅せられている一人だから、それは参与観察でもあるかもしれないし、沖縄好きな本土の人として、沖縄の人と相互作用を起こしている。 沖縄と本土、日本という関係は大きな歴史の流れ無しには語れないけれど、それとは別に沖縄の人はそれぞれの生活を生きている。たくましくもあり、ずるがしこくもあり、どうしようもなく辛いこともあるだろうけど、それはいろんな人の人生に必ずあるものでもある。 それでも沖縄的ななにか、がやっぱりそこにはあって、それを魅力に思う多くの人がいる。「はじめての沖縄」は、そうした不思議な沖縄の世界を垣間見せてくれる。 中高生の初学者向けの本としてはやや読みづらいけれど、やっぱり面白い。

Posted byブクログ

2018/06/05

観光で沖縄を訪れた時、地元の方から「辺野古基地建設反対運動をやっているのは地元以外の人がほとんどで日当をもらってるんだ」などという話を聞いた。「日当をもらって基地反対運動に参加」というのはネトウヨのデマだと思っていた私は地元の人からそんな話を聞いたことに驚き、沖縄の人は本当はどう...

観光で沖縄を訪れた時、地元の方から「辺野古基地建設反対運動をやっているのは地元以外の人がほとんどで日当をもらってるんだ」などという話を聞いた。「日当をもらって基地反対運動に参加」というのはネトウヨのデマだと思っていた私は地元の人からそんな話を聞いたことに驚き、沖縄の人は本当はどう思っているんだろう、というのが気になり、この本を読んでみることにした。 そしてこの本を読んでわかったことは…まあシンプルな話ではない、ということだ。 私の疑問に関しては、著者は「教員や公務員や組合活動家が『日当』をもらって社会運動に参加する、というデマ」(p.224)と書いておられるから、それがデマであると確信しておられるようだ。 ただ、「沖縄の指導層の人々の、左右の政治的対立を超えた結びつき」(p.209)の例が語られているように、政治的立場が違うからといって日常の生活のうえで対立しているわけでもないのだ。 私が沖縄で話を聞いた方も、「日当をもらって反対運動をしている人と飲んで…」なんて話していて、「立場が違う人からも話を聞くんだよ」ということを言っていた。 「戦争を否定した平和憲法のもとへ復帰するのだという期待が、基地をそのまま残した復帰という現実に裏切られ」(p.65)た沖縄。「 存在してはいけなかったものたちと長い間、沖縄の人々は共に生きてきた。」(p.89) そんななかで基地も必要なのだ、という声も生まれてくる… 「腐れナイチャー」(p.217)という言葉がつらい。著者は「社会というものの本質は『交換できない』ということにある」のではないか、と言う(p.245)。他者の感じることを言葉で理解しても他者になることはできないのだ。沖縄と「日本」とはそういう関係なのでは…と。 「沖縄」と「日本」の間には確かに壁はある気がする。うちなんちゅという言葉が象徴するように、沖縄人であることの矜持を感じる。沖縄の自然や音楽や食べ物。独特の味わいに惹かれるナイチャーの私が「辺野古の海を守りたい」と言ったとしても、それは必ずしも沖縄の人々の思いと一致しないのか… もやもやは残ったままだ…

Posted byブクログ

2018/05/30

沖縄についてというよりも、自分の立ち位置についての本。どんな問題にしろ環境にしろ、当事者でない場合、自分は、どう立ってどう見てどう語りうるのか。

Posted byブクログ

2018/05/21

簡単なラベリングや美談にして済ませずに、誠実に向き合うことはできるのだろうか。 「沖縄」は「沖縄」にしかないが、それはまたどこにでもある。

Posted byブクログ