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人口減少社会の未来学 の商品レビュー

3.8

46件のお客様レビュー

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2023/10/08

内田樹 人口減少に伴う雇用環境の変化によって、今後必要とされる職業とは。日本人は、起こり得る悪い結末についてのリスク評価や対応を考えることに対して消極的であり、そういった姿勢は世界大戦やリニア新幹線、五輪招致といった例に顕著に表れている。現状を冷静に分析し、後退戦においていかに生...

内田樹 人口減少に伴う雇用環境の変化によって、今後必要とされる職業とは。日本人は、起こり得る悪い結末についてのリスク評価や対応を考えることに対して消極的であり、そういった姿勢は世界大戦やリニア新幹線、五輪招致といった例に顕著に表れている。現状を冷静に分析し、後退戦においていかに生じる被害を最小限に抑えるかを考えることは、その時点で過去の行為に対する責任が発生するからこそ、自己の保身のために誰が見て見ぬ振りをする。今後の社会構造の劇的な変化によって生じる被害を最小限に抑えるために必要なことは思議である。

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2023/02/08

めちゃめちゃ面白かった。 特に池田さんの生物学的観点から少子化の影響を説明してくれるような文章初めて読んだから、もやもやしてたことがすごくスッキリした! 藻谷さんや平川さんの文章も社会学に不慣れな私でもわかるような丁寧な説明で面白かった。

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2022/10/02

人口が減るから経済が成り立たなくなる、という常套句から、さらに人口減少社会の解像度を高まる良書。 国民経済や制度論のイシューとしてではなく、その中で人はどうすれば豊かに生きることができるか、村落はどうあるべきかなどを「文化による社会包摂」「関係人口」「経営者目線」の否定など、いろ...

人口が減るから経済が成り立たなくなる、という常套句から、さらに人口減少社会の解像度を高まる良書。 国民経済や制度論のイシューとしてではなく、その中で人はどうすれば豊かに生きることができるか、村落はどうあるべきかなどを「文化による社会包摂」「関係人口」「経営者目線」の否定など、いろんな切り口で考えさせてくれる。

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2022/05/08

問題提起として 解決策は俺たちが なんか足りない コミュニティに戻るだけでは 攻めのデザインと守りのデザインを

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2022/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【人口減少社会の未来学】内田 樹 編 移民を受け入れるだとか脱成長とか、元々は経済成長が達成しずらい環境(不足があまりない状態)から今後どうしていくかという課題感を持っている、 人口動態としても減少をするとされている中で、どういう社会を目指しているのか参考にしようという目的で手に取った。 色んな観点があるが、生物学的に、人口が本当にやばくなったら今の人口減少グラフは意味なくなるてことや、2200年頃には世界的に人口が安定してその頃にはベーシックインカムが主流となるだろうだとか、長期的に見すぎると個人としては何もできなくなる、大きなうねりに身をゆだねるしかないように感じるので、一旦割愛する。 東京は東京ブラックホールと呼ばれるほど、若者を魅了して流入数は多いので、確かに東京は人口増加していてそれ以外は低下しているような構造に見られがち。だが、東京は再生産率が低く、60歳前後の数ももともと多いため、労働人口の推移で見ると、最近は減少しているとのこと。そのため今後は東京で負担する高齢医療の負担が大きくなるし、分母も少なくなるので一層社会負担が大きくなることが分かる。また、人口動態の議論の中で移民受け入れが挙がるが、移民は短期的には労働人口増に寄与するが、結局彼らの労働環境が悪かったり、給料が低かったりして再生産率の増加とはならない。そのため、構造的に産みやすい環境づくりをするというのが中長期的に求められる。 地方ではすでに高齢者数の減少に転換していて少子化が止まっている地方自治体もあるよう(=親と同じ分くらい子が子供を産む)なので、地方に魅力(平田オリザのいう文化による社会包摂)を作ることで産みたい人の地方への移動の動きを作ることが大事だとしている。(この結論は藻谷浩介も同じ) またブレイディみかこみたいに沈みゆく舟から逃げるというのもあると思う。少し前は自分も同様の立場だった、ただシンガポールにいる今では、改めて生の意味や日本の良さを改めて考えるとやっぱり日本で過ごしたいと感じるようになった。また地方という産みやすい環境や文化、雰囲気があるところへの流れを作るというのも正しいが、個人的には東京のあの人の多さは好きだし、そこにいたい。 そもそもこの本自体も論集であるので、いろんな立場の人がその立場から人口動態に対して書いている。なんていうか事実は変わらないがそれをどうとらえるか事実をもってどういう生き方をするのかは個人的なものだなと感じた。 僕の個人的な東京の好きもそれを拡大して東京の再生産率の向上のための何かを行うような仕方でアクションを起こすことができるし、それでいいんだと感じた。 人口動態に対する新しい事実・知見を得ることができたし、その事実を踏まえても結局は個人として何をすべきかは個人に当たり前だけどゆだねられていることを再認識できた。 個人的には包摂は気になっているので、それに対してボランティア?や仕事もITの立場からそういうところに迫っていきたい(確かにもともとインフラに関心があったのは誰でもアクセスできるものだったからであるし。)。 ただボランティアとか、関係人口や地方創成とかをググるとどうもみんな笑顔ばっかり優しくて正直しんどいとも感じる。それでも自分の関心領域をちゃんと構えて、チャレンジしてみようと思う。たぶんやってみて分かるものもあるはずだし。好きなもの、きれいなことだけで終わらせない。

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2023/05/23

先のことを考えないことにする日本人に、人口減少という確実に起こる未来への処方箋を各界の代表者の意見を通してあぶり出し、国民的な議論を巻き起こす、という趣旨でまとめられたものだそうだが、その試みはうまく行っていないように思える。 よく言えば百家争鳴だが、まったくまとまりのない意見の...

先のことを考えないことにする日本人に、人口減少という確実に起こる未来への処方箋を各界の代表者の意見を通してあぶり出し、国民的な議論を巻き起こす、という趣旨でまとめられたものだそうだが、その試みはうまく行っていないように思える。 よく言えば百家争鳴だが、まったくまとまりのない意見の集合体で、どれも説得力があるような無いような中途半端なものばかり。全体を通読して持った感想は、人口減少は自然現象であり、人間があれこれ思い悩んだり、ましてやそれに故意に抗うことは自然の摂理に反している、というもの。全然自信の持てない意見だけど。

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2021/12/03

こういう論考集は解答としておかしいならおかしいで色々な主義主張見ること自体が開闢であり、視点は多様であったため面白かった。

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2021/09/18

ブレイディみかこさんは「縮小社会はたのしくなんかない」という一文を寄せている。日本で縮小社会への本に「楽しい」とか「怖くない」などの枕詞がついている本があるが、イギリスに住む身としては、かつての「ゆりかごから墓場まで」の社会はどこへやら、緊縮財政のなか、生活保護の打ち切りや失業者...

ブレイディみかこさんは「縮小社会はたのしくなんかない」という一文を寄せている。日本で縮小社会への本に「楽しい」とか「怖くない」などの枕詞がついている本があるが、イギリスに住む身としては、かつての「ゆりかごから墓場まで」の社会はどこへやら、緊縮財政のなか、生活保護の打ち切りや失業者はあえぐ現状、それは「楽しく」も「怖くない」なんてこともない、という。 (調べると「楽しい縮小社会」2017.6筑摩書房 があった) 氏の別な本でも公共投資も縮小され、保育園がフードバンクになったり、図書館が閉鎖され福祉施設になったりする現状が語られていいた。それはとりもなおさず子供たちの学習の場を奪うことになり、「未来のために借金を残さない」政策が逆に増やしている、と述べる。 紹介されていた映画「パーディーで女の子に話しかけるには」2017 ジョン・キャメロン・ミッチェル監督の内容がすごい。主人公の女の子は遠い惑星から来た宇宙人という設定。この惑星では「ペアレント・ティーチャー」と呼ばれる指導者が若者を率いて「コロニー」を作っているが、種族の保存のためには子供たちは親に食べられてしまう、というのだ。(大人たちの思想的物質的)現状維持のためにはそうやるのがいいという考え。日本版パンフレットに氏は文を寄せ、この映画は緊縮財政に対する警鐘だと思ったので、パンフレットにはそう書いた、という。ただ原作には親が子を食べるというのはないそう。70年代後半が舞台の著者の半自伝的小説らしい。 2018.4.30第1刷 図書館

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2021/05/09

序文の内田樹の文章がそのとおりだよなあと思い、彼が声をかけた人の文、というのを意識して読んだ。 色々な方向から書かれていることで、勉強にもなったし、自分のもやもやの言語化にもなった。

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2021/01/29

確実に進行する人口減少を前にしても、「国のかたち」についての国民的な議論は始まっていない。人口減少によって何が起きるのか、どう対処したらよいかについて誰も正解を知っていないが、「衆知を集める」ことはできるとして、各分野の専門家の見識を集めたのがこの本である。最初に執筆している思想...

確実に進行する人口減少を前にしても、「国のかたち」についての国民的な議論は始まっていない。人口減少によって何が起きるのか、どう対処したらよいかについて誰も正解を知っていないが、「衆知を集める」ことはできるとして、各分野の専門家の見識を集めたのがこの本である。最初に執筆している思想家の内田樹氏の内容は面白い。日本社会では、「最悪の事態を想定してその対処方法を考える」習慣がなく、それが日本の大きなリスクだと指摘している。日本社会は負け幅を小さくする後退戦が苦手であり、将来のダメージをより大きくしてしまう傾向があることは残念だが納得してしまう。とはいえ、人口減少に合わせて社会構造を変革していく議論や処方箋は、この本を執筆した各分野のほとんどの専門家が触れていないことからも、この問題の難しさがよくわかる。やはり、個人的な覚悟と準備が必要になるのだろう。文筆家の平川克己氏の見解はわかりやすい。少子化の主因の晩婚化は自由と発展の代償であり、婚外子を日本の社会が認めるというモラルの変更が鍵になるという。 

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