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人口減少社会の未来学 の商品レビュー

3.8

46件のお客様レビュー

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2021/01/26

複数名の論客がそれぞれの視点で人口減少について語るという内容。 序論において少子化や高齢化が進行しているということは頻繁に耳にするものの、出口戦略を持った議論が不足しているという指摘があった。さらに、これに対して日本人は最悪の事態を想定して対策を講じるという習慣がなく、明らかに...

複数名の論客がそれぞれの視点で人口減少について語るという内容。 序論において少子化や高齢化が進行しているということは頻繁に耳にするものの、出口戦略を持った議論が不足しているという指摘があった。さらに、これに対して日本人は最悪の事態を想定して対策を講じるという習慣がなく、明らかに問題が深刻化しているのに責任を取りたくないから問題の解決を放棄する性格があるという。実際そうかはともかく耳が痛くなったが、確かに問題だと大騒ぎするだけでなく、場合によっては(むしろこちらの方がありそうだが)敗戦処理的な内容になることも受け入れて具体的な対策を講じないと今以上の大問題がやってくるのは目に見えている。 個人的には統計データに基づいてなんとなくでしかなかったイメージを更新できた藻谷浩介さんと、緊縮財政を進めてきたイギリスに住んだ人の目線で縮小社会は楽しくないと述べるブレイディみかこさんの章が印象に残った。 この本では最終的な結論に至ろうとしているわけではなく、多角的な意見を交えて議論する土壌を作る契機としたいという狙いはよく伝わってきた。ただもう少し各章に紙面が多くあっても良かったのではないかとも思う。

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2020/12/31

2020/12/31内田樹☆☆☆人口減少社会の未来学 独自の哲学を持ち、「人間尊重」のもと、 日本を多様な社会にと目指している志を感じる 1.スケールが大きい! 人口減少問題もこれぐらい大局から捉えてみることも大事 狩猟時代ー農耕時代 豊かになるほど争いが増える 奪えるモノが豊...

2020/12/31内田樹☆☆☆人口減少社会の未来学 独自の哲学を持ち、「人間尊重」のもと、 日本を多様な社会にと目指している志を感じる 1.スケールが大きい! 人口減少問題もこれぐらい大局から捉えてみることも大事 狩猟時代ー農耕時代 豊かになるほど争いが増える 奪えるモノが豊かになり、収奪の仕組みも複雑になる 帝国主義・植民地拡大より金融帝国主義による搾取・収奪 2.日本人は撤退戦が出来ない 大東亜戦争と人口減少 リスクを直視し、マネジメントすることが出来ない 負の状況に脳死 exコロナ禍で国のリーダーは為す術を知らない 安倍・菅政権と東條政権は似ている 日本人の宿痾を感じる →待っているのは「敗戦の焼け野原」

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2020/09/03

 以前、「未来の年表」という本を読んでみたのですが、その流れで手に取ってみました。  内田樹さんをはじめとして、バラエティに富んだ方々が寄稿されているのですが、本書の体裁は、各論客の主張をそれぞれの個性の任せるのままに“ただ1冊にした”との様相です。  それ故か、最後の章を受け持...

 以前、「未来の年表」という本を読んでみたのですが、その流れで手に取ってみました。  内田樹さんをはじめとして、バラエティに富んだ方々が寄稿されているのですが、本書の体裁は、各論客の主張をそれぞれの個性の任せるのままに“ただ1冊にした”との様相です。  それ故か、最後の章を受け持った姜尚中教授のパートは行きがかり上「最後のまとめ」を引き受けたかのようで、この論考の掲載順序も内田さんの判断だとすると流石としか言いようがありませんね。

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2020/04/03

藻谷浩介さん 東京の人口増加は、高齢者の増加(引退せずに居座り続ける) それを補うために若者世代が地方から流入 ただし、東京の次世代再生産比率は全国最低であるため、子どもの数は減り、国全体で人口減少。 日本でよくあるマジョリティによる周辺部の搾取構造。 対策。国策として、東京...

藻谷浩介さん 東京の人口増加は、高齢者の増加(引退せずに居座り続ける) それを補うために若者世代が地方から流入 ただし、東京の次世代再生産比率は全国最低であるため、子どもの数は減り、国全体で人口減少。 日本でよくあるマジョリティによる周辺部の搾取構造。 対策。国策として、東京に若者を送り込まないでよいようにする。 分散型社会にする。

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2020/01/24

- 11人の異なる立場の人から見た人口減少社会についての考えを読む本。 - 個人的には隈研吾、池田清彦、井上智洋辺りが面白かった。 - 各所に通じてるのは「人口減少は推定できることである」ということ。わかってて何もやってこなかった、の話。 - 人口減少を当然くるものという前提でじ...

- 11人の異なる立場の人から見た人口減少社会についての考えを読む本。 - 個人的には隈研吾、池田清彦、井上智洋辺りが面白かった。 - 各所に通じてるのは「人口減少は推定できることである」ということ。わかってて何もやってこなかった、の話。 - 人口減少を当然くるものという前提でじゃあ何する、ということを自分のできること・興味の持てることから考えて動いていく、ということか。

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2019/12/07

☆☆☆2019年9月☆☆☆ 『人口減少社会』を、経済成長や人口のV字回復で乗り切るのでなく、人口減少を受け入れつつ、いかに豊かに暮らしていくかに焦点を当てた本だと思う。僕は藻谷浩介氏の著作に感銘を受けることが多く、この本でも藻谷氏の論が気になった。東京都が人口のブラックホール...

☆☆☆2019年9月☆☆☆ 『人口減少社会』を、経済成長や人口のV字回復で乗り切るのでなく、人口減少を受け入れつつ、いかに豊かに暮らしていくかに焦点を当てた本だと思う。僕は藻谷浩介氏の著作に感銘を受けることが多く、この本でも藻谷氏の論が気になった。東京都が人口のブラックホールだというのは、自ら東京にいて実感できるところだ。地方にこそ生き残りの道があるというのも理解できる。 高橋博之氏の『都市の地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する』という論にも勇気づけられた。必ずしも都会か、地方かみたいな100か0かみたいな話でもないんだ、と思った。

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2019/07/17

あまり書かれたものを読んだことがないブレンディみかこさん、隈研吾さん、平田オリザさんの論考が新鮮だった。

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2019/07/07

ごく近い将来、日本に人口減少と超高齢化がやってくるのは確実。しかしロクな対策は実行されていない。また、上から下まで危機感を持っている人はごくごくわずかで、心配になる。特に若い人が平然としているのが不思議。大丈夫か? ”最悪の事態に備えて、様々なプランを用意するという事を日本人は嫌...

ごく近い将来、日本に人口減少と超高齢化がやってくるのは確実。しかしロクな対策は実行されていない。また、上から下まで危機感を持っている人はごくごくわずかで、心配になる。特に若い人が平然としているのが不思議。大丈夫か? ”最悪の事態に備えて、様々なプランを用意するという事を日本人は嫌いますけど、それはかなりの程度まで日本人の民族的奇習だと思います” ”日本の社会では最悪を想定し、その対処法を考えるという行為そのものが、悲観的な態度とされ、悲観論者として非難される” ”アカデミアの場でさえ、敗北主義が敗北を呼び込むという論法が、永遠の真実として堂々と語られていた”(これは旧日本軍の作戦運用と通じるところがある) ”ホモサピエンスとネアンデルタールは混血しており、DNA解析によれば、現人類はどうやら男がネアンデルタールで女がホモサピエンスのハイブリッド” ”農耕と狩猟 狩猟は労働時間が短い。農耕は働けば働くほど収穫増加→人口増→更に労働増というループ。農耕が広まったことは戦争を激増させた。(貯蔵を可能にしたこと、天候(地域)に左右されることなどの要因) ”文化による社会貢献、経済的に困窮している人々にシャワーと清潔な古着を用意し、美術館に招待。ただ食事を提供するだけでは、それでおしまい。文化に触れることで、少しの人たちだけでも社会性を出してくれればよい。 生物学的見地から地方再生や、この問題への取り組み方など、多方面に渡った人口論。勉強になります。

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2019/05/27

55 ・人口減少社会を人口増させようとしている著者たちではない。 ・とはいえ、イギリスの例などを出しながら、対策を間違ってはいけないとある。 ・人口問題と経済政策を分けて考えるべき。

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2019/03/22

 内田樹 池田清彦 井上智洋 内田樹 小田嶋隆 姜尚中 隈研吾 高橋博之 平川克美 平田オリザ ブレイディみかこ 藻谷浩介、これが著者一覧。  初めて文章を読む人が4人。井上智洋、小田嶋隆、藻谷浩介、高橋博之。中の高橋博之という人の「関係人口」というのが初耳。書かれていることをネ...

 内田樹 池田清彦 井上智洋 内田樹 小田嶋隆 姜尚中 隈研吾 高橋博之 平川克美 平田オリザ ブレイディみかこ 藻谷浩介、これが著者一覧。  初めて文章を読む人が4人。井上智洋、小田嶋隆、藻谷浩介、高橋博之。中の高橋博之という人の「関係人口」というのが初耳。書かれていることをネットで調べると、うーんそういうことか。  この時点で、「少子化」について疑ってたことを、スパッと言ってたのは小田嶋隆。この人の物言いは嫌いじゃないかも、少々回りくどいけど、コラムを売るっていうのはそういうことかも。  ぼくにとって、未来はそんなにあるわけじゃないから、どうでもいいかと思っていたけど、書いている人もそう若いわけではないことに笑った。まあ、笑ってる場合じゃないかもしれないけど。  高度経済成長なんて、そんなに良かったと思わないし、小さな国で、貧しく暮らす平和っていうのはダメなのかな?

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