つながりの蔵 の商品レビュー
今の時期にちょうど良い。夏だし。お盆が近い。 あちらの世界とこちらの世界を繋ぐ不思議な蔵の話し。 児童書?と思う位にほぼ小学生時代の回顧。
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祖母から母、そして娘へ。悩める少女たちに伝えたい感動物語。 感動、感動しました。小学5年生の少女たちの友情、ゆれ動く心、その3人の関係が緻密に描かれいてすんなり読めました。ラスト同窓会の再開も感動しました。
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若い頃、恋人の突然の死を体験した遼子、同窓会の知らせをきっかけに小5へとときは戻る。お盆の時期にぴったりな、大切なものが凝縮された物語り。
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※このレビューにはネタバレを含みます
椰月さんの本はこれが二冊目。 前に読んだ物語もとても好きだったけれど、この本は読み始めた一文目から「あ、この人の文章すごく好きだ」と感じた。主人公の遼子のあっけらかんとした、自分に素直な口調にシンクロするように、思った。こんな風に一文読むたびにうれしくなるのは久しぶりだった。 児童書、と分類に書いたけれど、正しいかは分からない。でもこれを叶うなら遼子たちの年代の時に読んでいたら物凄く生き方に染みこむ一冊になっただろうなと思ったら、児童書にしてしまった。 遼子の家はおばあちゃんが病気になり、それを機にお母さんは仕事を辞めた。父親のお母さんなのにお父さんはおばあちゃんの世話をお母さんに任せているのも、中学生のお兄ちゃんが家のことを手伝わないことも、それを許している家族にも遼子は少し不満をもっている。不満、まではいかないけれど、不信の種のようなものが植えられていくような。 遼子の友人の美音は五年生になって仲の良かった友達とクラスが離れ、少し怒りっぽくなっていた。彼女には亡くなった小さな弟がおり、その存在が彼女のなかで大きく重たい重りとして彼女の小さな体を揺らしている。 そんな二人はクラスメイトの四葉と仲良くなる。四葉の家は幽霊屋敷と噂されるほど大きな家で、その家には四葉の母、四葉の祖母、そして四葉に詩吟を教えてくれている曾祖母がいっしょに暮している。 彼女にはどこか不思議なところがあり、遼子は彼女に魅かれる。 ある日四葉が詩吟を見てみないかと美音と遼子を誘ってくれたのだが、そこから彼女たちは魂同士の触れ合いを体験することになる。 遼子のおばあちゃんが病気になり、いままで大好きだったおばあちゃんが少し疎ましく、可哀想なのにイラつきを覚える存在になったことに動揺し、自分のことを残念に思う気持ちがよくわかる。 美音の亡くなった弟が賽の河原で石を積んでいるなんて可哀想だと泣きじゃくる場面、ひどい言葉を四葉に投げつけながら、いっしょに傷付いている姿がありありと浮かんだ。 四葉という子のにこにことした顔を、遼子がお地蔵さんのようだと気づく前から、私は同じことを考えていた。 四葉ちゃんってお地蔵様みたいな顔で笑うなぁと。 彼女たちの問題が蔵に入ったあと劇的に変わっていくわけではないけれど、自分の心の在り方が定まったら、それだけで大丈夫になることがある。 一度知った真実が、それからの大きな自分の時間を、遠くに来ても照らしてくれる。 そういうお話だった。
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子供から大人に至るまで、実はシームレスに時間が続いているのに、どうして子供の頃の思い出や感情というのは特別に感じるんだろうか。 絶対だと思っていた友情も、卒業や転校であっという間に雲散霧消します。自分が取り残されたような気がするのに、実は自分の心がもうそこには無かったりします。 ...
子供から大人に至るまで、実はシームレスに時間が続いているのに、どうして子供の頃の思い出や感情というのは特別に感じるんだろうか。 絶対だと思っていた友情も、卒業や転校であっという間に雲散霧消します。自分が取り残されたような気がするのに、実は自分の心がもうそこには無かったりします。 本書では、大事な時間を共有した3人の少女たちが、30年後の同窓会で再会します。 皆、人生色々あって、子供の頃思い描いたようにはなっていないけれど、3人で過ごした時間が宝物のようにピカピカしています。 学校や放課後遊んだ思い出の描写がとてもいいです。男子とはまた違った精神的なやり取りではありますが、幼さの中に少しだけ大人の要素の混ざった微妙な機微を書くのが本当に上手い。 筆者の不朽の名作「しずかな日々」の牙城は崩せませんが、十分にいい作品に仕上がっていると思います。 ファンタジックな部分が若干邪魔に感じられましたがこれは好き好きですね。
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40代に入った主婦のもとに、かつての同級生からクラス会へ誘う電話がかかる。欠席の通知をしていたが、彼女のもたらした知らせに出席することを決める。2人には共通の秘密があった……。 というような導入から始まり、小学生の少女の日常が延々と続く。つまらなくはないが正直どうでもいい。共通す...
40代に入った主婦のもとに、かつての同級生からクラス会へ誘う電話がかかる。欠席の通知をしていたが、彼女のもたらした知らせに出席することを決める。2人には共通の秘密があった……。 というような導入から始まり、小学生の少女の日常が延々と続く。つまらなくはないが正直どうでもいい。共通する秘密も、なんと言うか……道徳的なもので、いい年こいたおっさんが読むのはちと恥ずかしい話であった。
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この作者は、子どもの気持ちを表現することが本当に上手い。 小学生の遼子や美音の思いが、まるで小学生の作文みたいに伝わってくる。 同級生の四葉ちゃんは、お地蔵様みたい、と表現されていたが、子どもの時にすでにそんなふうな人柄ってちゃんと際立っているものだよな~、と過去を思い出しながら思った。 ご詠歌がでてくる下りでは、思わず泣いてしまった。 これまで関心も興味もなかったものだけれど、内容の説明でその深さを感じることができた。
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夫と二人の子供と一緒に幸せに暮らしていた遼子の元に小学生時代のクラス会の知らせが届いた。 その会には、懐かしいあの子四葉も参加するという。… 悲しい別れ、残った人達はそれを引きずっていつまでも悲しんでいてはいけない。先に逝った人はずっと見ていて、残された人達が笑顔でいることだけ...
夫と二人の子供と一緒に幸せに暮らしていた遼子の元に小学生時代のクラス会の知らせが届いた。 その会には、懐かしいあの子四葉も参加するという。… 悲しい別れ、残った人達はそれを引きずっていつまでも悲しんでいてはいけない。先に逝った人はずっと見ていて、残された人達が笑顔でいることだけを望んでいる。 遼子と美音は、四葉の家の蔵で不思議な体験をし、その事を知った。 少なからず悲しい別れの経験はあっても、さらに近しい人との別れはこれからの私には、グッとくる話でした。 小学生の日々が生き生きと描かれ、優しく素敵な話でした。 何時か来るその時に、また思い出す話になると思います。
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小学生の女の子の日常と、少しの非日常、友だち、学校、家族、小さな世界にも悩みや喜びがあるのがよい。 生きてること、大切な人との別れと、その後の生き方…。 蔵の出来事がファンタジーすぎないのがよかった。 大人になり、同窓会で再会の様子をもっと見たかったような、でもこれでいいのかな。
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