ののはな通信 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
年をまたいで読了。昨年最後で、今年最初の1冊。 ある女子学生の往復書簡集と思ってたら、とんでもない往復書簡集だった。1章は高校時代の愛の盛り上がりと決別。ここから先どうなるのかと思ったら、それぞれの生活がありながらも、時間と共に1章の記憶がどんどん神聖化されていく。2人が会ってるのは2章の大学生以降ないからってのもあると思う。大きく3回、2人は別れをするわけだけれど、3回目のはなの決意が一番決定的な別れで、交わる可能性もない別れ。だから余計に心掻き乱されたのだと思う。 はなは内戦地で、ののは東日本大震災の被災地で、それぞれ人を助ける活動を行いにいくのがシンクロしていて繋がりを感じてしまった。
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まず美しい装丁に惹かれて手に取った。 LGBTのことはよくわからない。個人のことだから尊重したいけど、正直嫌悪感が全くないかと言ったら嘘になる。かなりの長編で同性愛の女性同士の手紙のやりとりが延々と続き、読むのが少しつらかった。 同性愛という設定は今日的だし、主人公ふたりに限ら...
まず美しい装丁に惹かれて手に取った。 LGBTのことはよくわからない。個人のことだから尊重したいけど、正直嫌悪感が全くないかと言ったら嘘になる。かなりの長編で同性愛の女性同士の手紙のやりとりが延々と続き、読むのが少しつらかった。 同性愛という設定は今日的だし、主人公ふたりに限らず、ののと悦子さんの関係性も美しくて切ない。ふたりの人生がドラマチックなので、なおさら書簡形式じゃない方が良かったように思う。 はながなぜ最後の決断をするに至ったのか、何だか腑に落ちない。また、東日本大震災を出す必然性があったのかどうか。細かい点では与田の病死とか、どういう意図かよくわからなかった。 読者としては、ハッピーエンドにするかはともかく、最後はふたりを再会させてあげたかった。 いろいろと残念な点が目立ったので星2つにしました。
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表紙がとにかく可愛くて、この柄のワンピースがあったらぜひ着たい!でも、表紙と中身は別物で、特に最初の方はビックリする。こんな話だってまったく知らなかったので。 2人の女性の内面が大人になる過程が分かる。 こんな風に手紙のやり取り、心のやり取りができる人がいたらどんなにいいことか。...
表紙がとにかく可愛くて、この柄のワンピースがあったらぜひ着たい!でも、表紙と中身は別物で、特に最初の方はビックリする。こんな話だってまったく知らなかったので。 2人の女性の内面が大人になる過程が分かる。 こんな風に手紙のやり取り、心のやり取りができる人がいたらどんなにいいことか。 ただ、途中、飽きてくるところもあるし、全部必要なところなのか!?と思ったり。手紙だから仕方ないんだけど。それに、最後はなんというか、消化不良。オチのない話なんです。でも、それが人生なのかな。
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LGBTに興味があるため読むことにした。 前半はすごく切ない。 同性愛を現代よりもさらに大っぴらにできない時代での本気の恋愛。激しい嫉妬。 別れのシーンでは涙が出そうになった。 しかし物語が進むにつれて読むのがしんどくなった。 そもそもこの話をわざわざ書簡形式にする必要があった...
LGBTに興味があるため読むことにした。 前半はすごく切ない。 同性愛を現代よりもさらに大っぴらにできない時代での本気の恋愛。激しい嫉妬。 別れのシーンでは涙が出そうになった。 しかし物語が進むにつれて読むのがしんどくなった。 そもそもこの話をわざわざ書簡形式にする必要があったのか? 本当の手紙でここまで高尚な表現する奴おらんだろ。 その時の心情をせっかく高尚な表現で描いて読み手をジーンとさせることができるのだから、書簡形式にしたのはもったいない。 そして、時間が飛びすぎ。大学生から急におばさんに、、、 さらに、やりとりがメールに変わってからの1通の長さにはうんざり。読む気をなくした。そこまで詳しく書かんでええやろって内容だったし。 途中から流し読みになりました。 終わり方も納得いかない。時間返してほしいレベル。 本当は評価するほどでもないと思ったが、 前半の同性愛の切なさ、二人の熱い気持ちはすごくよかったので、1つだけつけておきます。
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ののこと野々原茜と牧田はなの書簡で構成されている。第1章は高校2年生。1984年、女子校のクラスで回したメモまで含まれている。第2章では大学生になった二人の書簡。第3章では一気に約20年の間が空き、メールでの通信が復活する。第1章は、さすがに女子高生の手紙を読むのは気恥ずかしくて...
ののこと野々原茜と牧田はなの書簡で構成されている。第1章は高校2年生。1984年、女子校のクラスで回したメモまで含まれている。第2章では大学生になった二人の書簡。第3章では一気に約20年の間が空き、メールでの通信が復活する。第1章は、さすがに女子高生の手紙を読むのは気恥ずかしくて挫折しそうになったのだけれど、第2章以後、急に面白くなる。女の友情は、歳を取ってからのほうが面白いのかも。時代背景も大事な意味があるし、成長する中で、彼女たちが考えることが手紙に書かれていて、引き込まれていく。でも、読者を選ぶというか、苦手な人は苦手だろうなとも思う小説だった。
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のの、と、はな。このふたりの手紙だけで語られる、タイトルはまさに、なんだけれど、深かった。 友情、以上の感情を持った女子高の二人の往復書簡からはじまり、その後それぞれの20年の半生を、すべて書簡形式で描かれる物語。 前半はただただ百合百合しいし、個人的に同性愛には理解と共感もすこ...
のの、と、はな。このふたりの手紙だけで語られる、タイトルはまさに、なんだけれど、深かった。 友情、以上の感情を持った女子高の二人の往復書簡からはじまり、その後それぞれの20年の半生を、すべて書簡形式で描かれる物語。 前半はただただ百合百合しいし、個人的に同性愛には理解と共感もすこしはあるけれど、若さゆえの痛々しさが読んでて辛かった。性格的にはのの寄りなので、はなの天真爛漫さが刺さった。しかし愛の物語で終わるかといえば、そうではなく。まあ根幹はそこなのかもしれないけれど、生きることに対するさまざまな葛藤が描かれていて、ラストのあたりでは、こういう存在に巡り合えた二人を羨ましく思いながら読んだ。結局そばで生きる人生ではなくとも、ずっとその存在が支えになったり、届かなくても語りかけつづけたい愛の相手がいるというのは、彼女たちのそれぞれの生きる意味をどれだけ強くしたことだろう。物語が途切れたあとの時間、これからどうなっただろうな、こうであってほしいと、その先の展開に心をしばし寄せて浸ってしまう余韻を持たせてくれる1冊だった。だれかに手紙を書きたくなったな。三浦さん多才だなあ。いろんなカラーを持っておられる。
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高校生2人のメモのやり取りから始まる、「のの」こと野々原茜と「はな」こと牧田はなの2人の女性のお話。 はじめは高校時代を懐かしく思い出しながら読み始めたが、とんでもない事件が起こり、だんだんと事態はおかしな方へ。ちょっと普通にいそうで、どうなのかな、これ、ということが重なって、ち...
高校生2人のメモのやり取りから始まる、「のの」こと野々原茜と「はな」こと牧田はなの2人の女性のお話。 はじめは高校時代を懐かしく思い出しながら読み始めたが、とんでもない事件が起こり、だんだんと事態はおかしな方へ。ちょっと普通にいそうで、どうなのかな、これ、ということが重なって、ちょっと読むのがしんどくなった。最終的にはそれぞれ自分の思うように生きていき、現在進行形でオープンな終わり方だった。読後、やりたいことを思い切りやるのに年齢は関係ないと勇気づけられた作品。
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タイトルから想像すれば良かったけれど、私の苦手な「手紙だけで進行する作品」でした。『錦繍』しかり『往復書簡』しかり。主人公は二人の女性、高校で出会って色々あって、卒業して前のように会わなくなり手紙のやり取りは中断したり再開したりしながら続きます。大人になってからの章では手紙の文体...
タイトルから想像すれば良かったけれど、私の苦手な「手紙だけで進行する作品」でした。『錦繍』しかり『往復書簡』しかり。主人公は二人の女性、高校で出会って色々あって、卒業して前のように会わなくなり手紙のやり取りは中断したり再開したりしながら続きます。大人になってからの章では手紙の文体も落ち着きだいぶ読みやすくなりました。女子高の女だけの世界と、外交官妻たちの世界の違いの批評などはとても興味深かったです。
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どんな内容か知らずに図書館にて。 いやぁ切ない… 女子高生ののと、はな。二人の手紙のやり取りは懐かしさもありほのぼの読んでたら、あらら、ガールズラブ!でも危うい二人の関係は終わり、大人になり、ある意味ますます親密になっていく。 いつまでも女子高生ではない二人の生き辛さと、たくまし...
どんな内容か知らずに図書館にて。 いやぁ切ない… 女子高生ののと、はな。二人の手紙のやり取りは懐かしさもありほのぼの読んでたら、あらら、ガールズラブ!でも危うい二人の関係は終わり、大人になり、ある意味ますます親密になっていく。 いつまでも女子高生ではない二人の生き辛さと、たくましさを感じつつ。 女子高時代、かっこいい先輩に憧れたりしたけど、あくまでも男子の代替であり、恋愛対象は男子だったけど、自分よりちょっとお姉さんの二人が、あの頃本当にいた気がして、かなりツボだった。 最後まで手紙、メールのやり取りで完結してるのが秀逸。はながどうなっていても、いつかきっと会えると信じたい。
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高校で出会った「のの」と「はな」。 二人の20年以上の歴史を往復書簡の形で描いた作品。 友情、恋愛、結婚… 一言では言い表せない長く濃密な関係。 最後の終わり方の余韻が…。 はなさん…
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