ペインレス(上) の商品レビュー
心に痛みを感じない女医の万浬。体に痛みを感じない森悟。万浬は研究の素材として、森悟は万浬の魅力に惹かれ、互いが互いを深く求め合うようになる。 それぞれの章で、万浬の母親や祖母の物語があり、万浬がこういう性質になったことの側面を知ることができる。また、森悟はテロの被害に遭い、...
心に痛みを感じない女医の万浬。体に痛みを感じない森悟。万浬は研究の素材として、森悟は万浬の魅力に惹かれ、互いが互いを深く求め合うようになる。 それぞれの章で、万浬の母親や祖母の物語があり、万浬がこういう性質になったことの側面を知ることができる。また、森悟はテロの被害に遭い、そうした体になったのだが、森悟のエピソードも興味深い。 この作品には、かなりエロティックなシーンが多いのだが、ともすればただのエロ本になり得るところを、そうしたエピソードを描くことで物語を深みのあるものに仕上げている。 問題は下巻。私の中ではまだどっち付かずの感想。面白くなるのか、読まなければ良かったと思うのか。作者のお手並み拝見といこう。
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初出 2014〜17年「新潮」 上巻は第2部前半まで 美貌のハーフの麻酔科医万浬は、痛みに異常に強い興味を持っている。フランス人である母は心の痛みを強く感じすぎる人で、出産後心を病み、成長した万浬を娘と認められるようになって退院したが、自殺してしまう。しかし万浬は心の痛みを感じ...
初出 2014〜17年「新潮」 上巻は第2部前半まで 美貌のハーフの麻酔科医万浬は、痛みに異常に強い興味を持っている。フランス人である母は心の痛みを強く感じすぎる人で、出産後心を病み、成長した万浬を娘と認められるようになって退院したが、自殺してしまう。しかし万浬は心の痛みを感じなかった。 万浬にとって「愛している」は嘘。 愛は執着であり、苦痛を伴う。万浬には愛がないから心に痛みがないのだ。人の心が分からないやつだと言われてきた私も同じようなものだ。今や執着も苦痛もなくなった。 万浬は何人もの男性と愛のない快楽のためのセックスを楽しんでいたが、爆弾テロで負傷し、肉体の痛みを失った男性に強く興味そそられ、自分の心が無痛であることも話して、肉体と精神の高みを分かち合うようになる。求婚され子供を持つことを提案されるが、家族を捨てられるかを試して別かれる。万浬は渡米の日、空港で自分の腹を刺してまで引き留める男を振り切って旅立つ。格好いい。 大作ではあるが、中学の時に教育実習生と処女同士で性感の開発を学習したり、高校の時に犯罪者が自分と同じ精神の無痛ではないかと確かめに行ったエピソードや、かなりのウェイトを占める戦後の時期のSMの3Pでの精神と肉体の苦痛の話は、別立ての話で良かったのではないだろうか。
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人と痛みの関係性を問う長編意欲作。 上巻は第一部と第二部の途中までで、第一部で心に痛みを感じない主人公と事故で物理的な痛みを感じない男との出会いが描かれ、第二部では主人公の成り立ちが祖母の生い立ちから語られています。 エロスなシーンが多いので要注意です。
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体に痛みを感じない男、心に痛みを感じない女。 痛みとは、愛とは、性とは、生とはー。 単に忌避するものから、愛や生を深め実感するものへ。 その転換を味わう。 数代に渡り続く痛みを求める性。 世界を広げ、下巻へ。
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読み終わった、というか、かなりすっ飛ばしてしまった。 (ギブした、ともいう) 「永遠の仔」は良かったのと、「痛み」がテーマという新聞の広告を見て面白いかなと期待し過ぎたか? もう、女医さんのやることに??? (実際にそうやって診察している医師もいるのでしょーか??) とにかく意...
読み終わった、というか、かなりすっ飛ばしてしまった。 (ギブした、ともいう) 「永遠の仔」は良かったのと、「痛み」がテーマという新聞の広告を見て面白いかなと期待し過ぎたか? もう、女医さんのやることに??? (実際にそうやって診察している医師もいるのでしょーか??) とにかく意味がわからない。 下巻もきっと読まないと思う。
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20180327リクエスト 楽しみに待っていた作品なのに、途中挫折。下巻はたぶん読まない。 2020/04/18再読、でもやっぱり無理。途中挫折。
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