辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦 の商品レビュー
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ノンフィクション作家(高野氏)と日本中世史を専門にする歴史家(清水氏)が、課題図書をテーマに好き放題に対談、そのやり取りを本にするという、不思議な趣向の本。課題図書になっているのは、どれも普通に本屋の本棚を眺めていたら辿り着けないようなものばかり。どう考えたって、一冊で5,000円を超える翻訳ものとか、全8巻(しかも一冊あたり3,000円ぐらいする)の大旅行記なんぞ手に取ろうということにはならんだろう。 課題図書は流石に畑違いの科学や医療、国際政治とかにはいかないものの、文明論や歴史、民俗史、言語と人文系の主だったトピックが網羅されていて、文系のどこかにいた人なら楽しめる場所がいくつかあるハズ。 文明のメリットとデメリット、国家という枠に囚われないことによる自由、子どもを子どもとして扱わない民族の一人のヒトの捉え方、将門と頼朝の違い、世界の首都が港に面した街には成立しにくい理由…。もろもろ挙げるとキリがないぐらい、自由闊達に様々な議論がなされていて、読書一つでここまで世界は広がるものなんだなぁと感心させられる。 対談自体も面白いが、それぞれの発言の中にある専門用語や歴史的出来事、歴史上の人物について簡単な注釈が同ページ内についているのも良い。注釈が巻末にまとめてついてると、見にくいし何度か本文と注釈を往復してるうちに嫌になることもあるので、この体裁は読む側としては楽。注釈で触れられている文学者や研究者の代表作がいくつかついでに書かれているのもマル。読書はその本だけで終わるのではなく、関連するほかの本に渡り歩いていくのが面白いので、次に読みたい本のヒントが散りばめられている。 この本を起点に、課題図書になっている本に手を出してみるのも良し。 注釈にある作家の本に行ってみるのも良し。 それこそ、この本の著者の2人の本に渡ってみるのも良し。 後書きにも書かれているが、「ここではないどこか」を追い求める著者二人の対談によって、時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)を見つめ、「今、自分がどこにいるのか」を理解することができる。自分の立ち位置を見定め、次に何を知りたいか、何を知らないのかを探っていくスタート地点になる良書だと思われる。
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以前から気になっていた本。この手の本は好きだな。紹介されている本では、「ゾミア」と「ピダハン」を読んでみたい。
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その人がどんな人であるのかは その人の本棚を眺めてみると良い ここに紹介されたのは 八冊の「怪書」「驚書」ですが そこにいたるまでの お二人の驚異的な「読んできた本」の 歴史と考察が見事に お二人の丁々発止の対談に 自ずと現れているのが なんとも興味深い 「世界の辺境とハード...
その人がどんな人であるのかは その人の本棚を眺めてみると良い ここに紹介されたのは 八冊の「怪書」「驚書」ですが そこにいたるまでの お二人の驚異的な「読んできた本」の 歴史と考察が見事に お二人の丁々発止の対談に 自ずと現れているのが なんとも興味深い 「世界の辺境とハードボイルド室町時代」 に優るとも劣らずの秀逸本 やっぱり 第三弾を 期待してしまいます
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非常に面白かった。元々高野秀行さんの著書が面白かったので期待していたが、期待以上だった。選ばれている本がどれも興味深そうな面白そうな選書で、それを紹介するお二人の読み込みの深さ、お持ちの知識の広さから、読書会での内容が広がる広がる。結構選ばれている本は分厚く重い(質量も内容も)ハ...
非常に面白かった。元々高野秀行さんの著書が面白かったので期待していたが、期待以上だった。選ばれている本がどれも興味深そうな面白そうな選書で、それを紹介するお二人の読み込みの深さ、お持ちの知識の広さから、読書会での内容が広がる広がる。結構選ばれている本は分厚く重い(質量も内容も)ハードは選書なのに、これは読まなければ!と思わされてしまう。
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こんなにものすごく本を読んでいる人たちがいるんだなぁ、と感心する。将門記とか、大旅行記(いわゆる三大陸周遊記)とか、読みたくなったもの。とりあげられている本を実際に読んでみて、同じかそれ以上の楽しさを味わえるかどうかはわからない。これはやっぱり読書合戦として、著者ふたりの掛け合い...
こんなにものすごく本を読んでいる人たちがいるんだなぁ、と感心する。将門記とか、大旅行記(いわゆる三大陸周遊記)とか、読みたくなったもの。とりあげられている本を実際に読んでみて、同じかそれ以上の楽しさを味わえるかどうかはわからない。これはやっぱり読書合戦として、著者ふたりの掛け合いが面白いというのも、大きくあるだろうしね。楽しかった。
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クレイジージャーニーにも出ていた、アヘンなどちょっとヤバ目のノンフィクションの多い作家、高野秀行さんと歴史家の清水克行さんが、オススメの本を紹介し合いながら語り合うという内容の本。 紹介されている本は専門的であったり、かなりの長編であったりしてなかなか読む機会はなさそうだが、お二...
クレイジージャーニーにも出ていた、アヘンなどちょっとヤバ目のノンフィクションの多い作家、高野秀行さんと歴史家の清水克行さんが、オススメの本を紹介し合いながら語り合うという内容の本。 紹介されている本は専門的であったり、かなりの長編であったりしてなかなか読む機会はなさそうだが、お二人の対談を読むことでなんとなく概要がつかめるのでありがたい。 はじめに出てくる「ゾミア」という本では文明から離れ、辺境に住んでいる人たちが、文明から取り残されているのではなく、文明から意図的に離れたといった説を話されているが、なんか納得できる。 現代でも多数派であるサラリーマンなどの管理される生き方を嫌い、いろいろな生き方を選択する人たち(ノマドワーカーとか)が話題になることがある。そういう人たちも同じように、都市から離れて村なんか作っていくのかも(もうあるかもしれないが)。 あと紹介されていた本では唯一「ギケイキ」を読んだことがあった。平安時代なのに現代語がバンバン出てくるパンクな世界観が面白かったのだが、まさか歴史家からみても史実に忠実だったとは…。またはじめから読み直したい。 辺境と歴史から現在の世界というものを考えられる、良い本でした。
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日本中世の歴史家と辺境を旅するライター。 セレクトはいかにも〜。政府とか国家とかじゃない歴史、民衆とか民族とか伝承とかの文化人類学寄りなヤツら。 だけど、対話は期待したより、ずっとずっと面白い!飽く迄も課題本自体は話のキッカケ。両人の守備範囲が惜しげも無く披露されてる。しかしまあ、世の中には知らないことって一杯あるなあ。 ナウマンゾウはナウマン博士が発見したから…って、知ってます?お雇いドイツ人だったそう。あと、伊達家の「三濁点」とか。
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辺境作家の高野さんと、日本中世史研究者の清水さんによる、読書会対談。二人の対談はとても面白く、紹介されている本はどれも読んでみたくなります。対談中の用語の多くに脚注が付いているのですが、個人的にはところどころ脚注がツボにはまった。例えば「ピンポンダッシュ」に脚注が付いていたり。高...
辺境作家の高野さんと、日本中世史研究者の清水さんによる、読書会対談。二人の対談はとても面白く、紹介されている本はどれも読んでみたくなります。対談中の用語の多くに脚注が付いているのですが、個人的にはところどころ脚注がツボにはまった。例えば「ピンポンダッシュ」に脚注が付いていたり。高野さんが「おわりに」に書いているのですが、辺境と歴史っていうのは、空間軸・時間軸として自分の立ち位置から離れたところを知ることで、逆に自分が今どこにいるのかを知るために重要な知識なんだということが分かった。それこそが教養。我々は何処から来て何処へ向かうのか、それを考えるために必要なことが教養なんだな。
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"聞いたこともないような本、読んだことがない本について、二人の専門家が語る奥深い本になっている。「謎の国家ソマリランド」を書いたノンフィクション作家の高橋秀行さんと歴史家である清水克行さんがお互い本を紹介し、一方はその本を読んだうえでの対談となっているようだ。 中には全...
"聞いたこともないような本、読んだことがない本について、二人の専門家が語る奥深い本になっている。「謎の国家ソマリランド」を書いたノンフィクション作家の高橋秀行さんと歴史家である清水克行さんがお互い本を紹介し、一方はその本を読んだうえでの対談となっているようだ。 中には全8巻ある大書もあるので、この対談への準備は並大抵のものではなかったはず。地政学、歴史、文化、言語など様々な考察があり好奇心をくすぐられる。 テーマとなっている書物は以下 「ゾミア」ジェームズ・C・スコット 「世界史のなかの戦国日本」村井章介 「大旅行記」全八巻 イブン・バットゥータ 「将門記」作者不明 「ギケイキ」町田康 「ピダハン」ダニエル・L・エベレット 「列島創世記」松木武彦 「日本語スタンダードの歴史」野村剛史"
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