ゲームSF傑作選 スタートボタンを押してください の商品レビュー
ゲームを題材にした短編アンソロジー。 「リスポーン」、「1アップ」、「キャラクター選択」が面白かったが、驚くほど面白いというものには出会えなかった。
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ビデオゲームをテーマにした、現代SFを牽引する豪華執筆陣によるオリジナルSFアンソロジー。全12編を収録。 「リスポーン」「救助よろ」「1アップ」「NPC」「猫の王権」「神モード」「リコイル!」「サバイバルホラー」「キャラクター選択」「ツウォリア」「アンダのゲーム」「時計仕掛け...
ビデオゲームをテーマにした、現代SFを牽引する豪華執筆陣によるオリジナルSFアンソロジー。全12編を収録。 「リスポーン」「救助よろ」「1アップ」「NPC」「猫の王権」「神モード」「リコイル!」「サバイバルホラー」「キャラクター選択」「ツウォリア」「アンダのゲーム」「時計仕掛けの兵隊」を収録。 創元文庫がときどき出すSF系アンソロジー。本書は『スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) 』というタイトルである。これを見て手に取った人なら、間違いなく楽しめる傑作ぞろい。書いているのはもちろんSFで著名な作者ばかりだ(……といっても自分は3人くらいしか知らなかったのだが^^;)。 「救助よろ」はMMOのあるあるを思わせる体験者ならニヤリとしてしまう面白さ。ネットスラングなどをうまく日本語に訳してくれた。 「リコイル!」はそのまま映像化できそうな、スリル満点のアクション佳作。オチがゲーム小説らしくて良き。 「ツウォリア」は「火星の人」のアンディ・ウィアーなので期待して読んだが、見事に期待にこたえてくれた。既視感のあるSF設定ながら、ユーモアと夢のあるこの作者らしい落とし方。 「時計仕掛けの兵隊」はケン・リュウらしい作風が光る、さすがの安定感。 個人的に一番のお気に入りの「1アップ」は往年のテキストアドベンチャーをリスペクトしまくった、好きな人にはたまらない快作。あの時代のアドベンチャーは懐かしいだけでなく今でも楽しめるんだよなぁ。 全体を通してクオリティが高いのはもちろんそれを選んでいるからだが、ゲームとSFの親和性が高いことと、ゲームSFというジャンルがあるとすれば、人間の根源的な何かを探求していくのにこれほどふさわしい小説の分野はないと思わせてくれたことが大きな収穫。自分自身ファミコン世代で今もってゲーマー(ゲームファン)なので、最高に楽しめた一冊だった。第二弾、三弾と出してくれないかな~。
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23/07/17読了 救助よろ/デヴィッド・バー・カートリー、サバイバルホラー/ショーナン・マグワイア、キャラクター選択/ヒュー・ハウイー、あたりが好みでした
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リスポーン」行動心理学によれば人間の行動は大きくレスポンポンデント条件付けとオペラント条件付けに分けられる、簡単に言うと環境に対して行動が発現する。それの極端な形が”ゲーム”である、というところからアイデアとったのかな?と思われる短編。ゲームの中でプレイヤーはどんな人にでもなれる...
リスポーン」行動心理学によれば人間の行動は大きくレスポンポンデント条件付けとオペラント条件付けに分けられる、簡単に言うと環境に対して行動が発現する。それの極端な形が”ゲーム”である、というところからアイデアとったのかな?と思われる短編。ゲームの中でプレイヤーはどんな人にでもなれる。でも所詮それだって、条件付けの産物にすぎない。じゃあ、俺は俺のままでもなんだってできる。そういうことだろ?みたいな話。ゲームSFの懐の深さを見せつける読みやすい良作。 「救助よろ」ケン・リュウは別格なので置いておくとしたら、これが一番面白かった。最初から現社会と異世界の合いの子みたいな世界観で、まあ、SFなんだしこういうこともあるかなぁ、と思いながら読んでいたら意外な仕掛け。ゲームみたいな世界だったらなあ、とは誰しも一度は思うこと(多分)。でもラストのオチはお約束みたいでイマイチだったかな。そんなに悪い世界とも思えないし……。 「1アップ」ゲーム好きが、ゲーム好きならではの発想や推理力から、大きな敵に打ち勝つという王道ながら感動のストーリー。レディプレイヤーワンに求めてたのはこれだったのに……(その話は今は関係ないでしょ)。 「猫の王権」認知症とゲームの未来について、といった解説がなされていたけど、着想はゲームばかりでコミュニケーションを取ってくれなくなってしまった隣人からなのでは? ある意味どこにでもある話なのだと思う。ラストの解釈は難しいんだけど、そういう方向から考えたら、「ゲームは確かにコミュニケーションを奪う、でもそこにはそれだけの魔力も確かに存在している」ってことかな? 「神モード」セカイ系! 崩壊していくセカイ、そこに残されるきみとぼく。よくあるストーリーだけど、それでも好きなものは好き。コメント以上。 「リコイル!」MGSが好きなんだろうなあと思いました。 「キャラクター選択」ゲームがスカウトの役割を果たす、というアイデアは「The video game with no name」にもありましたね。こっちはちょっとひねってある。ネットの感想で「なぜわざわざガーデニングの上手い人をとるのか、オチが雑」というのを見たけど、多分「戦うことを求められる場においても人々の幸せを求めて違った選択肢を見つけられる人こそが平和を守るためには必要」。泣ける。 「時計仕掛けの兵隊」ゲームを進めるに連れて、ゲーム世界と作中世界、そして現実世界までもが交錯していく様は、まさに”ナラティブ”なゲーム体験。抑圧され、知ることを許されず、自己選択を制限されることの苦しみ、それに不自由な身でありながらも少しでも抵抗しようと試みるのは、何よりもそれが自分自身の問題であるから。「無知であることと、知ろうとしないことは、別物である」これはアレックスに向けた、そして私たち読者に向けたメッセージ。その読後の余韻の重さにしびれる。
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TVゲームをモチーフにした短編SFアンソロジー。本作で初めて日本語訳される方も含め新進のSF作家の作品をまとめて読めるお得な本。いくつかの作品で感じたのはゲームを題材に、ゲーム的な解釈であればかなり殺伐とした雰囲気や残酷な展開もわりとマイルドに感じてしまえるということの面白さとあ...
TVゲームをモチーフにした短編SFアンソロジー。本作で初めて日本語訳される方も含め新進のSF作家の作品をまとめて読めるお得な本。いくつかの作品で感じたのはゲームを題材に、ゲーム的な解釈であればかなり殺伐とした雰囲気や残酷な展開もわりとマイルドに感じてしまえるということの面白さとある種の怖さ。ゲーム的な発想や物事の解釈はとっくにゲームの外にも飛び出していて私たちの発想に染み付いている。それは良くも悪くもなんだろうけど、ゲームはそんなことはお構いなしに面白さで突き進んでしまえるんですよね。
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テーマはゲームですが、テキストアドベンチャーから最近のFPSをテーマにした作品まであり、バラエティに富んだ作品集でした。カバーイラスト(緒賀岳志)も素敵です。
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ゲームがしたくなる! ゲーム好きには人間ドラマがドラマチックに目の前に映し出され、ゲーム未経験にはゲームの妄想が膨らむ傑作短編!
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すごく読みたいと思いつつずっと寝かせてあったのを、今モンハンにハマっているので読んだ。もっと早く読んでおけばよかったとも思うし、面白い本読む機会を今得られて良かったとも思う。 殺伐とした雰囲気の中にどこかユーモアのある「リスポーン」、フィクションが段々リアルに置き換わっていくのが...
すごく読みたいと思いつつずっと寝かせてあったのを、今モンハンにハマっているので読んだ。もっと早く読んでおけばよかったとも思うし、面白い本読む機会を今得られて良かったとも思う。 殺伐とした雰囲気の中にどこかユーモアのある「リスポーン」、フィクションが段々リアルに置き換わっていくのが切ない「救助よろ」や、「1アップ」「キャラクター選択」は王道の面白さで、短いテキストにたっぷりユーモアを効かせた「ツウォリア」などが好みだった。 『レディ・プレイヤー1』が好きなら絶対ハマるはず。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ゲーム小説だけどSF集じゃないかも。 最後の短編のケン・リュウは読んだことがなかったけど、ありきたりなテーマなのに見せ方が良くて、単純に小説が上手いなぁと思う。 一番面白かったのはお葬式にいくゲームキッズの話で、プロットの秀逸さを土台に、勧善懲悪と友情要素のバランスがいい小説だった。 「アンダのゲーム」も、有名小説のパロディに収まらない、やや苦い後味と女の子の可愛さがいいコントラスト。 テレビゲームで何かを表現する、またはゲームを表現する短編集だけど、小説の多くがテレビゲームを世界と結びつけているのが興味深い。私はあまりテレビゲームをしたことがないけど、一方的に鑑賞する小説や映画とは違い、コントローラーによってアバターを操作てきるゲームはより空間的に感じられるのかな。そこから発展して、立体感のある人工的な箱庭としてのゲーム空間の魅力、また現実との差や侵食をテーマとしたゲーム小説があったら読んでみたいと思った。この短編集では、女の子がエルフの王妃になっちゃう短編が一番近い?
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ゲームSF傑作選というだけあって、ほとんどがゲームをプレイする話。「リスボーン」「1アップ」が好き。
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