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天龍院亜希子の日記 の商品レビュー

3.4

28件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/04/09

3月25日〜3月26日 忙しい日常に追われながら、人はなんとか生きていくものだと感じた。全然身近な話ではないのに、不思議と身近さを感じた。

Posted byブクログ

2023/11/12

ラブカに感動したので他の作も。 こちらがデビュー作なんですかね。 どうやら作者さまは同い年のようです。 私はこんなに書けません。 男性の一人称視点なのだが、 違和感なく読めるので、すごいなぁと思う (私も男性心理なんて分かんないけど) 日々仕事に忙殺され 心をすり減らしてい...

ラブカに感動したので他の作も。 こちらがデビュー作なんですかね。 どうやら作者さまは同い年のようです。 私はこんなに書けません。 男性の一人称視点なのだが、 違和感なく読めるので、すごいなぁと思う (私も男性心理なんて分かんないけど) 日々仕事に忙殺され 心をすり減らしていったり、 プライベートのできごとで浮上して 仕事にも万能感や生きがいを感じたり、 でもやっぱり辛いことがあって、 何か心の支えを必要としたり。 誰にでもよくあるようなことで、 身近に思いつつ、 前向きにさせてくれる よい作品だったと思います。 それにしても、いまだにこんなにマタハラや 女性による女性蔑視ってあるんだろうか。 そりゃ職場にもよるのだろうけれど、 私は非常に恵まれていたんだろうなぁと思う。 そして、派遣業ってよくは知らないけど 派遣先との面談に一人ひとりついて行ったりするもんなの?そんなに手厚いもんなの? って思ってしまった。 昔の悪行をふと思い出して、 罪悪感にさいなまれること、あるよね。 しばらく引きずっちゃったり。 自分では全く記憶に残っていないことを 他の人はめっちゃ覚えてたりとか。 付き合いのない同級生と 偶然再会するとか 偶然アカウントを見つけるとか あんまりないことかとは思うけど、 案外世間は狭いもので 出会えちゃったりすることもあるよね。 それが交わるかどうかは場合によるけど、 人との出会いって、やっぱり面白い。 お義父さんのセリフが素敵だったな。 希望を持てる。

Posted byブクログ

2023/11/03

第30回小説すばる新人賞受賞作 「ラブカ〜」が凄くよかったので、過去作を。 読み終わるまで、時間がかかった。

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2023/07/10

3冊目の安壇美緒さんは、こちらがデビュー作です。 主人公は「天龍院亜希子」ではなく、人材派遣会社に勤める田町譲、27歳。ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは3年付き合っている彼女ともなんとなくうまくいっておらず、ただ惰性に毎日を過ごしていた。そんなある日、小...

3冊目の安壇美緒さんは、こちらがデビュー作です。 主人公は「天龍院亜希子」ではなく、人材派遣会社に勤める田町譲、27歳。ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは3年付き合っている彼女ともなんとなくうまくいっておらず、ただ惰性に毎日を過ごしていた。そんなある日、小学校時代の同級生・天龍院亜希子のブログを見つけ…。 朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』の桐島以上に出番の少なかった天龍院亜希子さん。 特に山場があるわけでもなく、でもだからといって退屈なわけでもなく、なんとなく惹き込まれて読まされてしまう、不思議な読み心地でした。 現代のリアルな若者像を等身大に描いていて、仕事に対しても結婚に関しても、そんなんで大丈夫なの?とつい心配になってしまいます。 日々の糧となる推しの存在って大事ですよね、残念ながら今の私にはいないなぁ…私にも「推し」欲しいなぁ。 元・小学校の教頭先生だった彼女の父親の「呆れた希望」の話がとてもよかった。ここだけなんか文章のテンションが違っていて、きっと安壇さんが一番書きたかったことなんだろうなと。あとマサオカを信じることと亜希子のブログを読むことは、どちらもこの「呆れた希望」に通じることなのかな、と思いました。 天龍院亜希子さん側からのお話も、読んでみたくなりました。

Posted byブクログ

2023/06/27

女の敵は女、といったものですが、その通りですね。 主人公・田町の同期・ふみかとワーママ岡崎さん。 どっちも経験してる自分としては、両方の気持ちがわかります。 自分の持っていないものを持っていて、かつ特権をフル活用している人間をズルい、と思ってしまうのは、自分が損した気分になるか...

女の敵は女、といったものですが、その通りですね。 主人公・田町の同期・ふみかとワーママ岡崎さん。 どっちも経験してる自分としては、両方の気持ちがわかります。 自分の持っていないものを持っていて、かつ特権をフル活用している人間をズルい、と思ってしまうのは、自分が損した気分になるからなのでしょう。(かつての自分もそう思っていたこと、あるよ) ふみかが岡崎さんに抱く嫌悪感はそういう事なのではないでしょうか。 一方、岡崎さん。 時短、子どものために急な休みを取る等、仕方ないとはいえ不規則な勤務が続いています。 本人は申し訳ないと思っていると思うのです。 でも、悪意を持った人たちには伝わらないよね。。。 自分も子どもを持って思ったのですが、世の中、お金で解決できない事って結構あります。そのために、会社休んだり、遅刻早退したりしないといけないんですけど。 時短制度だの、子の看護休暇だのはそのための制度だと思うんですけどね。 会社はワーママが働きやすい仕組みを作ってくれても、職場の雰囲気がそれを使わせない圧力が強いとねぇ。使いたくても使えないですよね。 その結果、このような対立が生まれてしまうのでしょうね。 「子なし独身 VS  子あり既婚」 人間の気持ちの問題が大きいから、この問題はすぐには解決しないと思います。 そんな殺伐とした職場で働く、男性社員の田町。 ふとしたことから、昔いじめていた天龍院亜希子の日記をネットで見つけ、毎日チェックするという。 彼女の日記は特になんてことない内容だけど、殺伐とした田町の生活とは違う時間が流れています。 一瞬でも自分と同じ時間・空間で過ごした人間が、今は別の場所で生きている。 人の出会いと別れって、こういう事なのかもしれないですね。 この本がドラマ化されるとしたら、田町は田中圭さんがピッタリだと思いました。年齢的にアレですが。

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2021/01/15
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日常生活が延々と描かれていて、あっという間に読み終えたけど、仕事をすっぽかした彼はどうなったのか気になったまま、これで終わっちゃうの?って感じでした。

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2021/01/10

今時っぽい小説。 起承転結がない、話が何となく続いていく… どこが読みどころなのかわからないこのタイプ、あまり好みではない。

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2020/12/10

会話シーンのテンポの良さ〜。相手の言わんとすることを察して先回りして「あ、〇〇ですか?」と言える瞬発力がさりげなく何度も出てきて羨ましい気持ちになった。 出てくる人物がほぼ全員ちゃきちゃきしていて、主人公もぼんやりして無感覚そうな描写をされているけど実際かなりフットワークが軽い。...

会話シーンのテンポの良さ〜。相手の言わんとすることを察して先回りして「あ、〇〇ですか?」と言える瞬発力がさりげなく何度も出てきて羨ましい気持ちになった。 出てくる人物がほぼ全員ちゃきちゃきしていて、主人公もぼんやりして無感覚そうな描写をされているけど実際かなりフットワークが軽い。 何か物事が起こった時にとりあえずそれに対処しつつも文句も言う、という流れが一貫していて、それが「田町くんは博愛」という発言に集約される気がした。 わたしは即興性が無いのでそんなにパッと対処出来ないが文句は言ってしまう人間なので、この合気道のように来たら受け流す生き方にかっこよさすら感じた。 主人公の、来た球を打ち返していたらこんなことになりました、みたいな感じ憧れちゃいますね…。

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2020/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すき。 人間良いところも悪いところもある、というまとめ方はリアルではすきじゃないのだけれど、わたしの語彙だとそうなってしまう……かも……。。 それが、すごくフラットで、過不足がなくて、するするさらさらと、こんなもんかなーと良い意味で思えた。 悪いところが、良いところに圧勝しないでいてくれる。 結局なんか、遠くにちゃんとうっすら灯火が見える、感じ。 既婚で時短勤務で仕事の出来る岡崎さんがどうにも魅力的で、自分ちょろいなあと思った。ホイホイされている。ふみかが怒るぞ。うーんうーん。 (自分の奥さんとかじゃないから)妊婦にただただ理解のある田町くんは、ある意味では女性の夢な気もしたけれど、同僚女性たちは岡崎さんにまあトッゲトゲな訳で、彼女らが田町くんをもっと目撃(?)したら苛立つだろうし、ひっそりと対立する女性のどちらにより理があるのか結局どうしたってわからないし…… あああ面倒くさい。(身も蓋もない) 誰かが誰かを攻撃しているとつらいけど、結局みんな口を開けば自分を当たり前にいちばんに庇っちゃうんだなあというのもつらいけど、岡崎さんだってふつうに毒を吐いたりするからつらいんだけど、 とりあえずジャニオタのくだりが可愛くておかしかった。 こんなもんだよなーというのがもっと馴染んだら、きっと生きていける。

Posted byブクログ

2020/03/28

人材派遣会社に勤める田町譲・27歳。 ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは彼女との仲がうまくいかない。なんとなく惰性で流れていく日常。そんな平凡な男の日々を勇気づけるのは、幼い頃に憧れていた野球選手と、長らく会っていない元同級生が書く穏やかな日常のブログだった...

人材派遣会社に勤める田町譲・27歳。 ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは彼女との仲がうまくいかない。なんとなく惰性で流れていく日常。そんな平凡な男の日々を勇気づけるのは、幼い頃に憧れていた野球選手と、長らく会っていない元同級生が書く穏やかな日常のブログだった——。 タイトルの”天龍院亜希子の日記”はインパクトを持たせるための小道具だったのだろうか。と思わせるぐらいに亜希子の日記はあまり響いて来なかった。それ以上に、恋人の父親・馬場先生との出会いが、主人公・田町を奮い立たせることになったと感じた。堕ちたヒーロー・野球選手正岡のエピソードで巧く表現されたと思う。最初、十数ペ-ジぐらいの同僚とかわされる会話になかなかついていけなかったが、元プロ野球選手・正岡の薬物スキャンダルのニュースが出て来て、実際に思い当たる節のある事件で親近感を持てた。 田町は成り行きでお見舞いに行った恋人のお父さんに出会い、父親に好感を持つ。結婚する運びとなり、両家同士の顔合わせで、お父さんと田町が雑談する場面での会話に、父親の人柄が籠められていた。 「もう正岡はダメなんですかね。返り咲けないのですかね」と、田町がこぼす。 『するとお父さんは(元教師)年輪の多い木のような穏やかさで、俺のバカみたいな質問を真面目に見届けていた。左手を杖から離すと少しだけその体は傾いだ。「長い事教師をしているといろんな奴に出会う。薬物とか、ああなっちゃうと確かに更生は難しい。でも、話はずれるけれど、もし君が彼を信じたいなら信じてあげた方がいいんじゃないか。それが巡り巡って君のためにもなるような気がする」馬場先生は象のような眼差しをしていた。「君が彼を信じようが信じまいが正直彼には何も伝わらない。正岡が君の想いに気づくことは一生ないだろう。だけど、君は正岡を信じることで、自分が知り得ない誰かからの善意を信じることができる。自分が本当につらくてどうしようもない時に、何の証拠がなくとも、もしかしたらこの世の誰かがどこかでひそかに自分を応援してくれているかもしれないって呆れた希望を持つことができる」そういうことを信じられたら、我々は生きるのが少しは楽になるのかもしれない』 「呆れた希望」とはあきれるほどとてつもない希望だ。そんなことあり得るはずがないと考えれば儚く消える。でも信じたら、苦境に陥った時自分を奮い立たせてくれる武器となるはず。

Posted byブクログ