折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー の商品レビュー
中国というバイアスをとっぱらって、素直にSFを楽しもうと思ったのだけれど、やはりなかなかそうもいかない。どうしたって人間が書いているのだから、現実の社会や環境、価値観が影響しないわけはないのだし、それでいいのだと思う。日本のSFもこのくらい盛り上がって欲しいものだが、それには日本...
中国というバイアスをとっぱらって、素直にSFを楽しもうと思ったのだけれど、やはりなかなかそうもいかない。どうしたって人間が書いているのだから、現実の社会や環境、価値観が影響しないわけはないのだし、それでいいのだと思う。日本のSFもこのくらい盛り上がって欲しいものだが、それには日本の「三体」が必要だ。個人的には技術の進歩が人間の要請にそって希望がきらめいている「童童の夏」が可愛くて好きだった。
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個別の感想とは別に、全体的な印象としては、親子や血縁に関する情が表面に現れている作品が多かった気がする。 中国の儒教的な文化が背景にあると言ってしまえばそうかも知れないが、むしろ日本や西洋のSFの側が、その国の現在の平均的な社会の有り様よりも個人主義的姿勢を作品内で強調して描きがちな傾向があるのかもしれないと思った。 中国の神や民話や歴史のムードはとても好みだし、SF的な換骨奪胎にも向いている気がする。 深センを舞台にした「沙嘴の花」がとても良かったので、香港や北京や上海などフィクション全般に使われがちな土地以外の現代中国を舞台にした作品も読んでみたくなった。
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漢字表記の人名や地名に読み難さを感じたけど、フツーに名品揃いのSFアンソロジーだった。中国でこれらの小説が発表出来ているというので( ゚Д゚) で『三体』ってのの邦訳が激しく読みたいんだけど~
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【収録作品】 序文 中国の夢/ケン・リュウ 鼠年/陳楸帆 麗江の魚/陳楸帆 沙嘴の花/陳楸帆 百鬼夜行街/夏笳 童童の夏/夏笳 龍馬夜行/夏笳 沈黙都市/馬伯庸 見えない惑星/郝景芳 折りたたみ北京/郝景芳 コールガール/糖匪 蛍火の墓/程婧波 円/劉慈欣 神様の介護係/劉慈欣 ...
【収録作品】 序文 中国の夢/ケン・リュウ 鼠年/陳楸帆 麗江の魚/陳楸帆 沙嘴の花/陳楸帆 百鬼夜行街/夏笳 童童の夏/夏笳 龍馬夜行/夏笳 沈黙都市/馬伯庸 見えない惑星/郝景芳 折りたたみ北京/郝景芳 コールガール/糖匪 蛍火の墓/程婧波 円/劉慈欣 神様の介護係/劉慈欣 エッセイ/劉慈欣、陳楸帆、夏笳 夏笳の百鬼夜行街が中でもお気に入りなのだが、夏笳の他の作品はどうやって読めるものなのだろう。 中国SFがもっと流行って作品がたくさん読めるようにならんものだろうか。 中国SFおもしろいぞ!
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話題になっていた中国SFアンソロジー。 全体的に哀愁が漂っている、静謐で哀しい話で纏まっている印象。そういえば編者のケン・リュウも短編はそういう傾向が強かった。誰か1人だけでも、単著の邦訳が出ないものだろうか。
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中国のSF短編をまとめたもの。現代中国文学を読む機会がなかったので想像以上のレベルの高さに驚いた。「沈黙都市」や「折りたたみ北京」は外からみた中国っぽさにも合っているので特に面白かった。
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いま中国SFが熱い!っていうアンソロジーです。 短編それぞれに力と熱と円熟を感じて、好き。 どれもよかったけど、表題作の暗い感じというかノスタルジーというか雰囲気が良い。 体制批判的な文面を感じ取ってしまいがちだけど切り離して読むべき、とのこと。 英語訳からの邦訳です。 今ま...
いま中国SFが熱い!っていうアンソロジーです。 短編それぞれに力と熱と円熟を感じて、好き。 どれもよかったけど、表題作の暗い感じというかノスタルジーというか雰囲気が良い。 体制批判的な文面を感じ取ってしまいがちだけど切り離して読むべき、とのこと。 英語訳からの邦訳です。 今まではそもそも英語訳されなかったので知られざる世界だった中国SFを、紹介してくれるケン・リュウに感謝。 あれ、日本SFの英訳状況ってどんななのかな?
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これは傑作揃い! 中国らしい怪奇譚や幻想寄りなもの、悠久の歴史の自在な翻案、殺伐とした都会とワイルドな田舎。イメージ通りでありながら、それを超えた中国のイマジネーションの豊穣が展開していく。特に表題作『折りたたみ北京』と、『百鬼夜行街』は読み返したい。どちらも女性作家よ。ケン...
これは傑作揃い! 中国らしい怪奇譚や幻想寄りなもの、悠久の歴史の自在な翻案、殺伐とした都会とワイルドな田舎。イメージ通りでありながら、それを超えた中国のイマジネーションの豊穣が展開していく。特に表題作『折りたたみ北京』と、『百鬼夜行街』は読み返したい。どちらも女性作家よ。ケン・リュウったら慧眼じゃのう!
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