1,800円以上の注文で送料無料

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー の商品レビュー

4.2

39件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/05/11

 最近、中国の作家のSFが面白い。 面白くてしょうがない。  たくさん読みたいと言う時に幸せな一本。 短編集なのでおもいきりひたりこめる。  おススメ。

Posted byブクログ

2020/04/19

ちょっと解釈が難しいのもあったが、どの話も情景をありありと想像できた。SFの楽しさを久々に味わった。 はじめての中国SFだったが、特に読みづらさを感じることもなかった。

Posted byブクログ

2020/02/06

現代中国の様々なSF作家の作品を集めたアンソロジー。傑作揃いで非常に読み応えがあった。 全体的にディスピアものが多く、激しく変動する中国社会に苦悩する作家達が、世界に示したある種のアレゴリーとしても受け取れる。 一方で、美しい詩的表現が目を引く作品もいつくかあり、詩歌(漢詩)の国...

現代中国の様々なSF作家の作品を集めたアンソロジー。傑作揃いで非常に読み応えがあった。 全体的にディスピアものが多く、激しく変動する中国社会に苦悩する作家達が、世界に示したある種のアレゴリーとしても受け取れる。 一方で、美しい詩的表現が目を引く作品もいつくかあり、詩歌(漢詩)の国 中国 の豊穣な蓄積が感じられた。 以下、気に入った作品を軽く紹介。 ・龍馬夜行/夏笳 長い眠りから目を覚ましたロボット“龍馬”。長い年月の間に、地球から人類の姿は消えていた。“龍馬”はひとり、夜の旅をはじめる… 幻想的な情景と、海子(中国の詩人)の詩の引用が、寂しい夜の旅を美しく描き出す。 ・折りたたみ北京/郝景芳 表題作にもなっている作品で、中国社会の貧富の差がSFに織り込まれている。 来る日も来る日も厳しい労働に明け暮れる主人公の現実にやるせなくなる。 胸を締つけるラストに、読んだ後もずっと切ない気持ちが続いた。 ・蛍火の墓/程婧波 SFとファンタジーを織り交ぜたような幻想的な世界観が、夢のように美しい。 そのあまりに緻密な文章表現にひたすら魅了された。 ・神様の介護係/劉慈欣 壮大な宇宙スケールと中国古来のヒューマニズムが合わさった傑作。 作者の想像力にただ圧倒される。

Posted byブクログ

2020/01/11

 現在の中国SFのトレンドを生み出したケン・リュウが編集したSF短編集。ケン・リュウが序文を書いており、中国SFは簡単に実態を掴めるようなものではないし、現在の中国の政治に対するカウンターに限らない。もっと広い視点(=人類)で見て作品を発表しているとのことだった。  実際に読んで...

 現在の中国SFのトレンドを生み出したケン・リュウが編集したSF短編集。ケン・リュウが序文を書いており、中国SFは簡単に実態を掴めるようなものではないし、現在の中国の政治に対するカウンターに限らない。もっと広い視点(=人類)で見て作品を発表しているとのことだった。  実際に読んでみると、中国っぽいなーと読める部分もあるものの、シンプルにSFとしてオモシロい。かなりファンシーな物語もあれば、劉慈欣に代表されるハードな物語もあって飽きずに楽しめる。著者の紹介も合間に挟まれるのだけど、多くの作家が作家専業ではないところも驚いた。  favoriteだった短編は鼠年、沈黙都市、折りたたみ北京、神様の介護係。あとがきも充実していて、全部読み終えたあとに各作家がどのようにSFを捉えているのか知ることができて勉強にもなった。加速度的にテクノロジーと資本主義が発展してきた中国においては、「SFはグロバリゼーション時代のアレゴリーとして読むことができる」という夏笳の言葉が一番しっくりくる。 https://www.hayakawabooks.com/n/n95edde9ca363

Posted byブクログ

2019/12/04

中国SFのアンソロジー。 陳楸帆(チェン・チウファン)「鼠年」「麗江(リージャン)の魚」「沙嘴(シャーズイ)の花」 夏笳(シア・ジア)「百鬼夜行街」「童童(トントン)の夏」「龍馬夜行」 馬伯庸(マー・ボーヨン)「沈黙都市」 郝景芳(ハオ・ジンファン)「見えない惑星」「折りたたみ北...

中国SFのアンソロジー。 陳楸帆(チェン・チウファン)「鼠年」「麗江(リージャン)の魚」「沙嘴(シャーズイ)の花」 夏笳(シア・ジア)「百鬼夜行街」「童童(トントン)の夏」「龍馬夜行」 馬伯庸(マー・ボーヨン)「沈黙都市」 郝景芳(ハオ・ジンファン)「見えない惑星」「折りたたみ北京」 程●(女へんに靑)波(チョン・ジンボー)「蛍火の墓」 劉慈欣(リウ・ツーシン)「円」(「三体」から抜粋した章の改作)「神様の介護係」 劉慈欣の「神様の介護係」がいい。「円」も面白く「三体」が読みたくなった。 次に若手の陳楸帆。「荒潮」が出版されたら読みたい。 女性だったとはしらなかった郝景芳の「折りたたみ北京」は3番目かな。

Posted byブクログ

2019/11/10

表題作「折りたたみ北京」「神様の介護係」「童童の夏」「沈黙都市」が個人的に好み。 イメージとしてあり得そうなディストピア感があるものや、文化的なものか、老人がいい味を出している作品が多い印象。

Posted byブクログ

2019/09/18

沈黙都市、折りたたみ北京、麗江の魚のディストピア感はSFならでは!百鬼夜行街の仄暗いファンタジックな雰囲気や童童の夏の温かい読後感もよかった。全体を通して、料理・食べ物の描写など中国の文化や歴史などが盛り込まれ、読みごたえのあるSF短篇集だった。映像化したら映えそうなものが多い。...

沈黙都市、折りたたみ北京、麗江の魚のディストピア感はSFならでは!百鬼夜行街の仄暗いファンタジックな雰囲気や童童の夏の温かい読後感もよかった。全体を通して、料理・食べ物の描写など中国の文化や歴史などが盛り込まれ、読みごたえのあるSF短篇集だった。映像化したら映えそうなものが多い。フルCGとかじゃなくて、クオリティの高いアニメで見てみたいな。翻訳モノは久しぶりだが、欧米ものと比べてとても読みやすかった。訳者のスキルもあるだろうが。

Posted byブクログ

2019/09/08

中国でのSF小説には百年の歴史があるらしいが、毛政権までは共産党施政下の科学教育教材の比重が大きかったらしい。 本書が示す現代中国SF小説の質の高さは印象的だが、通読すると中国風の雰囲気をどことなく感じられる気がする。 現代が既にある意味SF的な状況にあることもあり、それほど...

中国でのSF小説には百年の歴史があるらしいが、毛政権までは共産党施政下の科学教育教材の比重が大きかったらしい。 本書が示す現代中国SF小説の質の高さは印象的だが、通読すると中国風の雰囲気をどことなく感じられる気がする。 現代が既にある意味SF的な状況にあることもあり、それほどのハードなSF感はなく、どちらかと言えば叙情的なものが多い。 本書は英語で編まれたアンソロジーの翻訳なので英訳からの日本語訳なのだが、中国語から直接翻訳されていればもっと中国色が強く感じられるのではなかったかとも思える。

Posted byブクログ

2019/07/26

貴志祐介の「新世界より」アニメ版の絵が頭に浮かんでくる『沈黙都市』。もう少しスラップスティック色を強めれば筒井康隆の初期作品に比肩するような『折りたたみ北京』。中国古典文学の大仰さを現代に持ち込んだような『円』。そして小粒だけれど強い印象を残す『コールガール』など、宇宙ものは無い...

貴志祐介の「新世界より」アニメ版の絵が頭に浮かんでくる『沈黙都市』。もう少しスラップスティック色を強めれば筒井康隆の初期作品に比肩するような『折りたたみ北京』。中国古典文学の大仰さを現代に持ち込んだような『円』。そして小粒だけれど強い印象を残す『コールガール』など、宇宙ものは無いけれどバラエティに富んだSF作品を集めた一冊。これは面白い!

Posted byブクログ

2019/06/22

百鬼夜行街、円、神様の介護係が面白い。特に人間3人を使って基本的な演算回路を作り、300万人集めて人力コンピュータを作るという「円」が素晴らしい。昔の日本のsfって、こういうセンスオブワンダーがあったんだよなー、と思いました。

Posted byブクログ