人間の未来AIの未来 の商品レビュー
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山中教授はもとより、羽生さんの見識の広さがよく分かる対談だった。 以下、心に留まったポイント。 ・創造的な出来事の99.9%は過去にあった出来事の組合せ ⇒イノベーションとは「既存事項の新結合」である(by シュンペーター)に通じる ・人間は継続性や一貫性を好み、そこには安心や安定がある。それが人間の美意識の基になっている。 逆に言えば、人間は未知のものや未経験のことには不安や危機感を覚える。それは人間が生き延びるために必要な感覚やセンスだったはず。 ⇒AIには元々恐怖心がないから、継続性や一貫性に基づいた美意識から解放され、ただただ過去のデータに基づいて最適解を計算してくる。 だから人間だと絶対に選択しないような「危険」な手を指してくる。 ・AIはデータに基づいて人間が好むもの、選ぶものを予測するのは得意だが、時としてとんでもないものを好きになる、意外性を愛する人間の可能性は予測できないはず。それこそが人間にしかできない創造的行為だ。 ・実験をしてみて、予想していなかったことが起こった時に、それに食らいつき、原因を探究していけるかどうか。それが人間として他人と違うことをやるチャンスだ。 ・この情報氾濫社会においては、膨大な情報の「量」をただ丸暗記するのではなく、自分なりに栄養素として吸収し、未知の局面に遭遇した時に自然に対応できるような「質」に転換できるかどうかが鍵となる。
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「プレイヤーは楽。努力すれば他の人に頼らなくても成績は上がる。監督やコーチは他の人に動いてもらう必要がある」
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山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長と、羽生善治棋士の対談形式になっています。 科学と将棋の世界でのAIの位置づけや今後どのようになっていくのだろうかというお話が、それぞれの専門の立場で語られて非常に興味深かったです。 帯に書いてあるような「10年後、100年後の世界の予言」は出てこないのですが・・・。 本書の中で、「将棋で言えば、現状、AIは過去のデータを基にその場その場で一番いい手を指してくるのに対し、今日は攻めて行こうとか、持久戦でいこうといった「対局の流れ」から次の手を指すことはできない」というのが印象的でした。(もちろん今は流れを読むような研究も進められているようですが。) そして、人間と機械(AI)の大きな違いの一つに、人間が必ずしも「最適解」を選んでいるわけではないという事も、言われてみればそうだなと思います。 「成功する確率は1%ですよ」と言われたからといって、チャレンジするのを諦めるのか?というと、そうではない場合も多いですからね。むしろ失敗から得られるものも数多くある。人間の可能性は「わざわざ最適解を求めない事」に残されているのかもしれませんね。 気軽に読める内容なので、頭を休めるのにもいい本だと思います。
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2018年2月発売とそんなに古い本ではないけど、マーカーの書き込みがあるからかブックオフで安くなっていたので買って読んでみた(ただし、藤井聡太四段と書いてあって、逆にそんな前かとも思った)。 主に、iPS細胞等の最近の生命科学と将棋を含めたAIについての話だけれども、iPS細胞に...
2018年2月発売とそんなに古い本ではないけど、マーカーの書き込みがあるからかブックオフで安くなっていたので買って読んでみた(ただし、藤井聡太四段と書いてあって、逆にそんな前かとも思った)。 主に、iPS細胞等の最近の生命科学と将棋を含めたAIについての話だけれども、iPS細胞についてはちゃんと勉強したことがないので知らないことも多かった。 ミニ肝臓ってなんだそれという感じ。iPS細胞から作った肝臓の原基と呼ばれるものだそうだけど、それを患者に移植して体内で臓器を育てることを目指しているらしい。それって、患者に肝臓があるの?無いの? あるとすればどこにそのミニ肝臓をいれてるのと、逆に無いすれば無くて大丈夫なもんなのかと。生命科学に関することはまるっきり分かってないので、そこからよく分からなかった。 後、昔の生物は再生能力が強かったようで、原始的なプラナリアという生物は二等分すると二匹になって再生するらしい。なぜ人間にはそんな能力はないのかというと、がんが発生するリスクがあるからだとか。まあ、人間でも皮膚にケガをしてもいつのまにか再生していることはあるし、全くその能力が無くなったわけではないような気もする。 ちなみに、iPS細胞を初めて発見したとき、何かの間違いじゃないかと思ったらしい。そんな簡単に見つかるはずもないし、どこかでES細胞が混じった可能性が高いと思ったのだとか。そういや、STAP細胞も実は、ES細胞が混じっていたとかなんとか言われてたっけ。そういうこともやっぱりあるということなんだろうか。 それと、将棋のAIソフトはGitHubでソースが公開されているということを初めて知った。オープンソースになることでいろんな人がどんどん改良して強くなっているらしい。知らなかった。 逆に、生命科学分野は論文を発表するまでは誰にも知られずに隠すようにして、学会発表しても本当に大事なところは分からないようにするとかで、かなりクローズドな世界だそう。例えば、ゲノム解析である配列がある病気と関係があると分かって発表したとしても、それまでにどういう試行錯誤をしたかはいわないので、他の研究者がもっといい方法があるんじゃないかと同じ試行錯誤をしてしまうこともあるらしい。この本を読んで、生命科学も思ったより進んでるんだなと思ったけど、この問題をうまく解決できるともっと進歩が速くなるのかもしれない。 なお、山中先生によると、研究というのは今ある教科書を否定することだそう。確かに、教科書の内容って変わるそうだしね。数学はそうそう変わらないだろうけど、意外と歴史の内容が変わったりするそうだし。そういう意味では、今ある教科書は自分が習ってた時と違ったりするのだろうなと思う。 それと、オレキシンという覚醒作用をもつ物質を抑制する睡眠薬の副作用に「悪夢」とあるという話はちょっと面白かった。しかも、ホラー映画のような夢じゃなくて、身近な人に怒られたり遅刻したりという現実的な夢らしい。睡眠薬は使ったことがないけど、ちょっとだけ試してみたいと思った。
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山中先生は当然として、羽生さんの知識というのか教養の深さに驚きました。AIについて、かくも深く知っているとは。 シンギュラリティは、私は来ないと思っているのですが、そういうことよりも、大切なのは、人間を特徴付ける一つである「知能」とは何なのかを考えてみること、そしてまた、人...
山中先生は当然として、羽生さんの知識というのか教養の深さに驚きました。AIについて、かくも深く知っているとは。 シンギュラリティは、私は来ないと思っているのですが、そういうことよりも、大切なのは、人間を特徴付ける一つである「知能」とは何なのかを考えてみること、そしてまた、人間とは何なのかを考えてみることだと、この本を通して思いました。 本書の最後の方で、山中先生の「生物って本当にすごいです、人間にしてもよくこんな精妙なものができたなと思います。例えば進化論が説明するような偶然の産物だけで本当に僕たちはできているのかなと感じる時もあります。」との言葉が一番心に響きました。
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あ互いの世界での尊敬の念が伝わる内容。 将棋もサイエンスの世界も進化し続けるが、その中で人間の立ち位置を考える 対談として興味深いほんです
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羽生善治さんと山中伸弥さんの対談です。「AI」がテーマのようでもありますが、私には「AI」を材料にしたお二人の自由な思索の交歓のように感じました。ものすごく勉強になりますし、それでいて頭の中がスカッと爽やかにイニシャライズされたような心持ちになれます。読後の清涼感は、お二人の“人...
羽生善治さんと山中伸弥さんの対談です。「AI」がテーマのようでもありますが、私には「AI」を材料にしたお二人の自由な思索の交歓のように感じました。ものすごく勉強になりますし、それでいて頭の中がスカッと爽やかにイニシャライズされたような心持ちになれます。読後の清涼感は、お二人の“人柄”の賜物ですね。
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山中先生の話はこれまで色々な場面で拝聴しているので、特に目新しいものはなかったが、羽生さんが科学面で非常に詳しい知識と見識をお持ちなのが分かって、一芸に秀でた方は目のつけ方も素晴らしいのだと感心した.
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2人とも非常に難しいトピックを一つ一つ噛み砕いて、自分の言葉で語っているのが非常に印象的。 AIのトピックをお互いの専門分野である将棋やiPS細胞研究の話をアナロジーに自分の中に腹落ちさせた上で会話をしているためだと思われる。 AIに関して何か目新しい示唆があるかというとあまりないが、2人の賢さと知に対する誠実さが分かり読んでいて楽しい。 以下印象的だった箇所(抜粋) [羽生さん] ・直感、読み、大局観 直感で2.3手に絞り込み、読みでそこから2,3手先をシミュレーションする、3番目に大局観で全体の流れを俯瞰し先の戦略に基づいて打ち手を切る。 そして上記は年齢により利用割合が変わってくる。頭の能力が高い若い内は読み中心、年齢を積むと経験に基づく直感、大局観を利用する。 要はそれぞれの年齢に応じた強みを伸ばす事が重要 [山中さん] ・新しい発見をする際のパターン 1.天才型。アインシュタインのような天才が着想する。 2.他の人も考えているアイデアを仮説検証の結果、予想外の結果が出てそこに食らいつく。 3.みんなこれが出来たら素晴らしいと思っているけど諦めていることに挑戦する。 私は2.3を追求する。
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2019.2.5 8 ai、科学技術、将棋、未来の世界、判断、人材についてなど、興味があることを、好きな2人の対談で体験することができて有意義だった。 機械でなく、人間だからいいこと、人間らしさ、親しみ。結論でなく過程、説明を求める気持ち。美学。美しさ。 逆に機械だからできること...
2019.2.5 8 ai、科学技術、将棋、未来の世界、判断、人材についてなど、興味があることを、好きな2人の対談で体験することができて有意義だった。 機械でなく、人間だからいいこと、人間らしさ、親しみ。結論でなく過程、説明を求める気持ち。美学。美しさ。 逆に機械だからできること。機械だったら気を使わずお願いできる。機械を使うのは人間。人間の決定。新しいもの好きになる。 論理力、記憶力、直感力、大局観。年齢とともにバランスが変わる。 やったことがない、経験がない、羅針盤のない状況に身を置く。勘の大切さ。 直線型思考と回旋型思考。普通でなくす。 阿倍野区の犬。
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