口笛の上手な白雪姫 の商品レビュー
短編集。どの作品も素敵だけど特に「仮名の作家」が印象に残った。「物語は言葉ではなく声で書かれている」ことを知っている女性の話。確かに小説を読むときに、頭の中で再現される声は作者ごとに違うような。小川洋子さんの小説を読むときは、小川洋子さんのような(と私がイメージしている)声が聞こ...
短編集。どの作品も素敵だけど特に「仮名の作家」が印象に残った。「物語は言葉ではなく声で書かれている」ことを知っている女性の話。確かに小説を読むときに、頭の中で再現される声は作者ごとに違うような。小川洋子さんの小説を読むときは、小川洋子さんのような(と私がイメージしている)声が聞こえる。 短編ではなく、それぞれもっと長くじっくり読みたかったので星は少なめです。
Posted by
初めて読んだ小川洋子さんの作品でした。 短編でしたので、読みやすく描かれていて、 小川さんの世界観も感じれて良かったです。 印象が残った作品は、やはり表題作の「口笛の上手な白雪姫」で、公衆浴場で、母親が入浴している間に、赤ん坊を世話する小母さんの話で、心が暖まるお話でした。その他...
初めて読んだ小川洋子さんの作品でした。 短編でしたので、読みやすく描かれていて、 小川さんの世界観も感じれて良かったです。 印象が残った作品は、やはり表題作の「口笛の上手な白雪姫」で、公衆浴場で、母親が入浴している間に、赤ん坊を世話する小母さんの話で、心が暖まるお話でした。その他の作品もどこか寂しさも残るが、ユニークな気持ちになるし、心が暖まる。 それが小川洋子さんの文章が惹きつける魔力だと思いました。もっと多くの作品を読んで見たいです。
Posted by
表紙とタイトルに惹かれて。静かで、どこにでもありそうで、無さそうな物語たち。「乳歯」「仮名の作家」が好きかな。自分の一部が体から離れた瞬間、当時は何も考えてなかったけど、今思うとすごく神聖なことだったのかも。「仮名の作家」は気色悪かったね〜(褒めてる)しかもそういう人がいそうなと...
表紙とタイトルに惹かれて。静かで、どこにでもありそうで、無さそうな物語たち。「乳歯」「仮名の作家」が好きかな。自分の一部が体から離れた瞬間、当時は何も考えてなかったけど、今思うとすごく神聖なことだったのかも。「仮名の作家」は気色悪かったね〜(褒めてる)しかもそういう人がいそうなところが1番怖い。
Posted by
作品自体は素晴らしいが、只管仏教の考えと本作を結びつけようとしている巻末解説が不要。なぜ住職に解説を依頼したのか…?甚だ疑問。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
少しの絶望と狂気が漂う中で、子どもたちの純粋な輝きが見え隠れする。存在そのものの光が文字の隙間からこちらに届いてくる。その控えめさが愛おしくてたまらない。 一人一人に大事な人生のストーリーがあり、小さな希望やこだわりを持ち続けることを許されたような気持ちになる。 孤独に静かに、でもたしかに生きている人々の呼吸を感じる、可哀想で不思議な短編集だった。
Posted by
*劇場で、病院で、公衆浴場で―。“声”によってよみがえる、大切な死者とかけがえのない記憶。その口笛が聴こえるのは、赤ん坊だけだった。切なく心揺さぶる傑作短編集* 甘やかで、豊かで、繊細で、儚げで、静謐で、優雅で。美しく紡がれた空想の世界。 一篇一篇、ていねいに、ゆっくり、じっく...
*劇場で、病院で、公衆浴場で―。“声”によってよみがえる、大切な死者とかけがえのない記憶。その口笛が聴こえるのは、赤ん坊だけだった。切なく心揺さぶる傑作短編集* 甘やかで、豊かで、繊細で、儚げで、静謐で、優雅で。美しく紡がれた空想の世界。 一篇一篇、ていねいに、ゆっくり、じっくりと、その行間の空気感まで味わって読むべき、魅惑の1冊。
Posted by
読んでいくと既読感が。ただ詳細は忘れていたので新鮮な気持ちで。 相変わらず異常さと繊細さとの紙一重の部分が描かれている物語集。ただ今回はグロテスクな部分の方が目立ったような気がしてあまり入り込めなかった。 年齢も背格好も似ていないのに、ミュージカル俳優を亡くなった息子と思い込...
読んでいくと既読感が。ただ詳細は忘れていたので新鮮な気持ちで。 相変わらず異常さと繊細さとの紙一重の部分が描かれている物語集。ただ今回はグロテスクな部分の方が目立ったような気がしてあまり入り込めなかった。 年齢も背格好も似ていないのに、ミュージカル俳優を亡くなった息子と思い込む伯母。その俳優が出演する『レ・ミゼラブル』の舞台を伯母と共に観に行くことになった青年。 始めは伯母が俳優に何かするのではないかと心配で監視していた青年だったが、次第に舞台の物語に入り込み感動していく話「一つの歌を分け合う」は作品の中で唯一分かりやすかった。 もう一つ、吃音の少年の前に現れる小さな老婆が失われた声を拾い集める「先回りのローバ」も優しさとユーモアが少しあった。 しかしそれ以外の話は危うい綱渡りをしながらも踏み留まる話もあれば崩壊する話もあるものの、小川さんらしい、主人公の中では完成された完璧な世界が表現されているようには思えず微妙な読後感だった。 主人公たちの行動を異様な執拗さと見るか、完璧を求める故の徹底さと見るか。異常性と個性の境界線は何か。 見方によって怖くもあり美しくもあり、滑稽でもあり切なくもある。不思議な世界。
Posted by
ん~・・・ ちょっと入り込めなかった。 モチーフは嫌いじゃない、はずなんだけど、ストーリーが見えてこないというか、どこか置いてきぼりな感じ。
Posted by
短編集はちょこちょこ読めるのでいい。 身近に赤ちゃんがいるので赤ちゃんの描写を読んでいて、本当にそのままの赤ちゃんが思い浮かんだ。こんな素敵な描写をするのだと思った。 どれが好きだろう。どの作品も好きだった。 先回りローバの少年のローバと少年とのやりとりが好きだった。 亡き女王の...
短編集はちょこちょこ読めるのでいい。 身近に赤ちゃんがいるので赤ちゃんの描写を読んでいて、本当にそのままの赤ちゃんが思い浮かんだ。こんな素敵な描写をするのだと思った。 どれが好きだろう。どの作品も好きだった。 先回りローバの少年のローバと少年とのやりとりが好きだった。 亡き女王のための刺繍も。お針子さんだからりこさんと呼ばれているのがよかった。 かわいそうなことの少年も。出てくる動物を調べながら読んだ。 一つの歌を分け合うは少しドキドキしながら読んでしまった。涙が出た。 乳歯は、親の心労に心を寄せてしまった。いずれそういう思いをするかもしれないからだ。 仮名の作家は、読んでいて引きずり込まれるように恐怖がひたひたと迫ってきた。最初はなんともない独白だと思っていたが、とんでもなかった。 盲腸線の秘密は、うさぎの表現かかわいらしかった。 曽祖父のモゴモゴ喋るのを素敵な捉え方をしていた。 表題の口笛の上手な白雪姫は、この小母さんがいる銭湯に行きたいと思ってしまった。純粋にうらやましい。
Posted by
短編集。ちょっとだけ不思議な世界観の作品たち。 表題作もいいし、叔母さんと「レミゼラブル」を見に行った話も好きだな。涙のシーンなんて、静けさが伝わってくるよう。この著者独特の感性に引き込まれる。どの作品も淡々としていて、でもしっかりとした視線で見つめているようなものばかり。また読...
短編集。ちょっとだけ不思議な世界観の作品たち。 表題作もいいし、叔母さんと「レミゼラブル」を見に行った話も好きだな。涙のシーンなんて、静けさが伝わってくるよう。この著者独特の感性に引き込まれる。どの作品も淡々としていて、でもしっかりとした視線で見つめているようなものばかり。また読み返したくなる。
Posted by