我々はなぜ我々だけなのか の商品レビュー
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ああ、そうか。 本は明言を避けたというか、根拠ない事を断定はできないのだが、ヒントめいたものは書いている。我々はなぜ我々だけなのか。ホモサピエンスにかつての原人の血が混ざっていたとしても、我々は世界の至る所まで、ホモサピエンスのみだ。これは、別の人類を戦争で淘汰したか否か事実は分...
ああ、そうか。 本は明言を避けたというか、根拠ない事を断定はできないのだが、ヒントめいたものは書いている。我々はなぜ我々だけなのか。ホモサピエンスにかつての原人の血が混ざっていたとしても、我々は世界の至る所まで、ホモサピエンスのみだ。これは、別の人類を戦争で淘汰したか否か事実は分からないが、本著が書いたように、移動する能力により、混ざったのだ。閉鎖エリアで多様化した種は、戦争かウイルスや病気、あるいは気候変動か、はたまた平和的な交合か、いずれにせよ、移動する種により、混ざったのだろう。人間以外は、制限されたエリアほど、珍しい種が生存している。 有史以前に何が起きたかは、分からない。分からないからこそロマンがある。ホビットのようなフローレス原人。まだまだ、新たな発見があるかも知れない。
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川端裕人さんの読みやすい文と、海部陽介さんの新知見を盛り込んだ内容が面白くて、一日で一気読みした。 文句なしの星5つ。 序盤の化石についての概説は、退屈かもしれないが後半の理解には必要な情報であり、川端氏の『現地』描写を交えた筆致は決して飽きさせない。 そして怒涛の後半、第四の...
川端裕人さんの読みやすい文と、海部陽介さんの新知見を盛り込んだ内容が面白くて、一日で一気読みした。 文句なしの星5つ。 序盤の化石についての概説は、退屈かもしれないが後半の理解には必要な情報であり、川端氏の『現地』描写を交えた筆致は決して飽きさせない。 そして怒涛の後半、第四の原人や、デニソワ人についての新たな提案。 この時、整理された理解の生じる快感、そこが面白い。 分からないことは、何が分かってないからなのか。 どこまでなら、コンセンサスがある話なのか。 この整理が、理科や歴史でざっくり 「アウストラロピテクス」とか「北京原人」なら知ってた レベルの一般人にも伝わってくる。 小難しい数式とか一か所しか出てこないし、それもちゃんと図で示されてるから、根っからの文系でも問題なし。 そして、サイエンス系の本にはつきものの、『執筆時点では』という注釈。 それは、新たな化石の発見や詳細な研究によって、また仮説が更新される可能性があるということ。 本書を読んだ者は、その新たな仮説に対し、既存の議論を踏まえた解像度で食いつける、ということ。 知的興奮に動悸が高まるのを感じる。 かつて評論社から抄訳版が、後に集英社ホーム社から完訳版のでた、ジーン・アウルの『始原への旅立ち』シリーズは、素晴らしい小説だった。しかし、科学的知見としては当時の限界もあり、生活描写に関してはネイティブアメリカンやイヌイットの文化で大きく補綴された、ネアンデルタールとクロマニヨンズの物語であった。 しかし、本書にあるようなアジア原人、ひいては旧人と現生人類の研究が進めば、科学的知見でよりしっかり裏打ちされた、『東アジアの物語』がつづられる可能性もでてくる。 なんと胸躍ることだろう。 ぜひ手に取ってご一読あれ。
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現在世界に生存している人間は我々ホモ・サピエンスだけ だが、その前には種々様々な旧人・原人達が暮らしていた。 その中でこのアジアに的を絞り、我々の前に生活していた 我々以外の原人について現在わかっている最新の研究結果を まとめた本。科学ライターが書いた本らしく、非常に楽しく わか...
現在世界に生存している人間は我々ホモ・サピエンスだけ だが、その前には種々様々な旧人・原人達が暮らしていた。 その中でこのアジアに的を絞り、我々の前に生活していた 我々以外の原人について現在わかっている最新の研究結果を まとめた本。科学ライターが書いた本らしく、非常に楽しく わかりやすい上に、専門の科学者がきちんと名前を出して 監修しているのでポイントはきちんと押さえている。結論も 多分に情緒的ではあるが、この手の本としては許容範囲で あり、またらしくもある。今後の発掘・研究が楽しみになる 良書である。
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久しぶりのノンフィクション 「ミッシングリンク」といわれる、ホモ・サピエンス登場の謎を「説く」 人類の進化は、猿人から現代人まで左から右へ歩いて進化している絵のような順番では無いんですね。 「進化」とはある意味で「淘汰」と「混血」なんだなと、感じた本でした。 突然ですが『星...
久しぶりのノンフィクション 「ミッシングリンク」といわれる、ホモ・サピエンス登場の謎を「説く」 人類の進化は、猿人から現代人まで左から右へ歩いて進化している絵のような順番では無いんですね。 「進化」とはある意味で「淘汰」と「混血」なんだなと、感じた本でした。 突然ですが『星を継ぐ者』を思い出しました。
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現在生息している人類は我々だけらしいです。世界中に色々な人種がいますが、アフリカの一人の女性の子孫という事でほぼ決定です。なんとも物凄い壮大な話であります。 話は逸れますが、昔、大地の子エイラという本が有りました。ホモサピエンスの子エイラが、ネアンデルタール人に育てられる話でし...
現在生息している人類は我々だけらしいです。世界中に色々な人種がいますが、アフリカの一人の女性の子孫という事でほぼ決定です。なんとも物凄い壮大な話であります。 話は逸れますが、昔、大地の子エイラという本が有りました。ホモサピエンスの子エイラが、ネアンデルタール人に育てられる話でした。ネアンデルタール人との子供を産んだりして、それこそ種の起源を思わせる壮大極まりない名作です。あの本を思い返させるようなワクワクするノンフィクションでした。 さて、この本は、何故ホモサピエンスだけが生き残って、他の人類は生き残っていないのかという事が幹になっています。本当の所はその時代を見なければ分からない事ですが、何とか解き明かそうと研究と議論を重ね、次第に人類の起源に迫ろうとする人々の情念に感動します。他の原人たちがホモサピエンスに駆逐されたという証拠も無いし、各地で別々に派生した人類を置き去りに、我々だけが地球で繁栄したのは何故なのでしょうか。完全に疑問が解消する事は今後も無いのでしょうが、想像すると時間というものの不思議さ、今もどんどん過去になっていくという現実がひしひしと感じられます。
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題名の問いに関しての考察を期待して購入。 期待してた話は最終章の20ページくらいで、宙ぶらりんで終わる。若干残念。 主にアジアの原人について、2010年代に新たに分かってきたことが主な内容。 人類史の大きな流れも基礎を抑えつつ、アジアの原人について学べる点がお勧め。 監修者の...
題名の問いに関しての考察を期待して購入。 期待してた話は最終章の20ページくらいで、宙ぶらりんで終わる。若干残念。 主にアジアの原人について、2010年代に新たに分かってきたことが主な内容。 人類史の大きな流れも基礎を抑えつつ、アジアの原人について学べる点がお勧め。 監修者の海部陽介とのやりとりや、考古学研究のフィールドワークについて、ジャーナリストの著者の目線で語られる。 テレビとかでこの内容であれば結構面白く観れる展開のさせ方だと思う。 こういう話が好きな人は面白く読めるかと。
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特に「なぜ我々だけなのか」については書いてなかった。こんなにたくさんの種類の原人旧人がアジアにいましたよーってのを専門家から聞き取って本にしたやつ。そんなに面白くなかった。タイトルが超ミスリード。
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⭐️4つに近い3つ。 大変な知的興奮や価値観の転換を迫るような何かがあるわけではないけれど、よくまとまっていて分かりやすい。人類学に興味のある人の入門書に最適だと思う。
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「人類学系の読み物として最高の一冊」 第2章の中盤からは次のページをめくる指が止まらない。それくらいに私たちの祖先への興味が1ページ毎にかき立てられる一冊。他のブルーバックスのように「専門を学ぶ入門書」というものよりは、「専門を旅する読み物」といった感覚の1冊。 私たちを私た...
「人類学系の読み物として最高の一冊」 第2章の中盤からは次のページをめくる指が止まらない。それくらいに私たちの祖先への興味が1ページ毎にかき立てられる一冊。他のブルーバックスのように「専門を学ぶ入門書」というものよりは、「専門を旅する読み物」といった感覚の1冊。 私たちを私たちたらしめているのはテクノロジーであって、テクノロジーの進化によって種としての進化を代替している訳でもある。そしてそのテクノロジーは、世界をひとつにし、世界からガラパゴスをなくし、均質なものとすることで、種としての進化のストッパーにもなっている。 著者も問題提起していた現代の我々の大きな命題である「ダイバーシティ・アンド・インクルージョン」。果たして我々は「生物」として、この命題に取り組む必要はあるのだろうか?もしかすると1万年後、我々は全員が同じ感覚を持つ種となっているかも知れない。
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