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マノン・レスコー の商品レビュー

3.5

11件のお客様レビュー

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2024/08/24

女に溺れて身を滅ぼすのが夢だ。が、一度きりの人生をそうそう頻繁に棒に振るわけにもいかないので、ファム・ファタール文学で憂さを晴らすのが関の山。『マノン・レスコー』と言えば、ファム・ファタールの嚆矢にして最高峰と言われる作品だが、18世紀前半という時代制約は如何ともしがたく、まあこ...

女に溺れて身を滅ぼすのが夢だ。が、一度きりの人生をそうそう頻繁に棒に振るわけにもいかないので、ファム・ファタール文学で憂さを晴らすのが関の山。『マノン・レスコー』と言えば、ファム・ファタールの嚆矢にして最高峰と言われる作品だが、18世紀前半という時代制約は如何ともしがたく、まあこんなものか。野崎歓の解説も良い。

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2023/12/04

読んでいて、これがフランス革命より前の時代の小説かと疑いたくなるほど臨場感があった。 スタンダールの恋愛論といい、デュマフィスの椿姫といい、フランス文学は恋の情熱がいかに幻想的で破滅的かを克明に表現している。 主人公のシュバリエがいかにマノンを愛しているかが、主人公の視点で終始...

読んでいて、これがフランス革命より前の時代の小説かと疑いたくなるほど臨場感があった。 スタンダールの恋愛論といい、デュマフィスの椿姫といい、フランス文学は恋の情熱がいかに幻想的で破滅的かを克明に表現している。 主人公のシュバリエがいかにマノンを愛しているかが、主人公の視点で終始書かれているので、いかにそれが狂気と隣り合わせかということが客観的にわかるようになっている。 世界を支配できるとしても彼女の愛さえあれば他に何もいないという境地には、恋は盲目という言葉があるとおり、多くの人が共感できるように思う。 作者は、浮気をされようともここまで友人や家族を翻弄し苦しめ、詐欺を働き、人を殺しかける主人公の愚かさを描く。挙げ句にその情熱の元となった恋人を失う顛末から、恋愛感情が麻薬的な作用をもたらすこともあるということを教訓として伝えたかったのだろうか。

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2023/10/08

マノンレスコーは主人公の男性の名が 題名だと思っていたが、主人公が出会う 宿命なのか悪名なのか一目惚れをする 美女の名であった。 マノンとグリュの逃避行は直ぐに始まり グリュはマノンの散財や浮気を思い悩み 苦しみながらも、マノンを何とか引き留める 為に無二の親友や身分さへも捨てて...

マノンレスコーは主人公の男性の名が 題名だと思っていたが、主人公が出会う 宿命なのか悪名なのか一目惚れをする 美女の名であった。 マノンとグリュの逃避行は直ぐに始まり グリュはマノンの散財や浮気を思い悩み 苦しみながらも、マノンを何とか引き留める 為に無二の親友や身分さへも捨てて 悪徳の道へと突き進み、挙句に殺人も辞さない 暴挙に至ってしまう。 マノンはグリュにとっては神以上の存在 なのだ。 マノンの心情はグリュが語る以外には 表面的にしか分からないがマノンの様な 女性にはグリュは忠犬のさながらの存在 でしか無かっただろう。

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2023/08/18

「1731年の小説なんて絶対面白くないだろうけど、まあここらで古典でも一冊読んどかんとなあ」程度で手に取ったのだが……衝撃をうけるほど面白い。それも圧倒的に。いやいやまんまとこのハチャメチャな物語に魅了されてしまった。訳者あとがきで「従来の常識では考えられないようなパッションのあ...

「1731年の小説なんて絶対面白くないだろうけど、まあここらで古典でも一冊読んどかんとなあ」程度で手に取ったのだが……衝撃をうけるほど面白い。それも圧倒的に。いやいやまんまとこのハチャメチャな物語に魅了されてしまった。訳者あとがきで「従来の常識では考えられないようなパッションのありさまは、読者をいまだに驚かせ、魅了し、あるいは呆れさせるだろう」とあるが、まさにこの通り。シュバリエ・デ・グリュとマノン・レスコーという300年前を生きた2人の若い愚か者のまあ魅力的なことといったらない。 ヤッバイ恋愛楽しすぎる‼これ運命だわ。でも金に困ったので友達とか親戚にたかりまーす。それでも足りないので詐欺しまーす。あ、捕まっちゃったけど脱獄しまーす。ついでに殺人もしまーす。あ、普通に浮気もしちゃうぞ。 いくらなんでも無茶苦茶すぎる。クズ過ぎる。 にもかかわらずどこまでも情熱的で、刹那的で、自分に正直で、気持ちを真っ向から他者にぶつけ、したたかさも持ち合わせて、不必要な謙遜も自虐もなく、人間味にあふれ……。 つまりとても真面目に真摯に誇り高く、自分たちの人生をとことん生きている。それって最高じゃん。一番大事なことじゃん。もう堪らないくらい2人が愛おしい。憧れる。 まああまりに男性中心主義的な展開には不満も当然あるのだけれど、そういった短所すら「では現代的にこの物語を解釈した時にどういった結末がありえたのだろうか」と考える端緒になり、いやあこの本と出会えてよかった。

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2023/06/25

亀山先生が“モーツァルトの手法で書かれた言葉のオペラ”と帯に書いてらっしゃった。 たしかに亀山先生は、ドストエフスキー作品を訳をされてらっしゃるし、オペラ的な作品がお好きなのかな。 自分は、フランス人がずっと感情的に叫んでるのに、驚いた。 マノンちゃんが、この後の時代のファムファ...

亀山先生が“モーツァルトの手法で書かれた言葉のオペラ”と帯に書いてらっしゃった。 たしかに亀山先生は、ドストエフスキー作品を訳をされてらっしゃるし、オペラ的な作品がお好きなのかな。 自分は、フランス人がずっと感情的に叫んでるのに、驚いた。 マノンちゃんが、この後の時代のファムファタルのモデルになってるらしいので、世の中にあふれてるいろいろな女性キャラのボスの物語を読めてよかった。

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2022/06/10

1731年刊。ファム・ファタール像を示したフランス文学の古典。駆け落ちから破滅に至る悲劇的恋愛を描く。 もともとは真面目っぽい性格で、才能もあり将来に期待のもてる貴族の青少年だったのに、ひとたび恋の力に囚われると、駆け落ちから無心、犯罪、逃亡、と無茶をやらかしまくるデ・グリュ。...

1731年刊。ファム・ファタール像を示したフランス文学の古典。駆け落ちから破滅に至る悲劇的恋愛を描く。 もともとは真面目っぽい性格で、才能もあり将来に期待のもてる貴族の青少年だったのに、ひとたび恋の力に囚われると、駆け落ちから無心、犯罪、逃亡、と無茶をやらかしまくるデ・グリュ。どうしようもないなこの主人公……と呆れながらも、二転三転する展開の面白さと、恋のためにすべてを投げ出す情熱に引き込まれていく。終盤に至るころにはその純粋で激烈な愛情に感動すら覚えていた。しかし主人公の言動がわかりやすいのに対して、マノンの魅力には妖しさがつきまとう。彼女の本心に謎を感じさせるあたりも多くの読者を惹きつけ続ける要因なのだろう。そしていつも変わらぬ友情を示すティベルジュの存在も地味に大きい。感情を揺さぶる名作。

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2022/05/15

ただの愛の空回りと馬鹿騒ぎ、と捉える人間は浅はかだと感じる。フランスの恋愛文学の古典。名著。 結局2人は望みあって、最後を迎える。 デグリュよりもマノンの方が彼を愛していただけ、

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2022/03/12

ひで~~笑 バカダナーー でもこの小説が世界を変えたから、このような感想を平民で女の私も抱けるようになったのでしょう。解説がフラットでよかった

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2021/06/13

大学の授業で扱われたので読んだ。 訳が古いので読みにくさはあるけど、マノンの美貌にしか惚れてないから身を落とすんだ、という気持ちだけ。

Posted byブクログ

2021/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

語り手の私が観たマノンの様子は、上流の令嬢にも見え、慎み深い心の持ち主に見えたというので、その後に書かれているアメリカに送られることになるまでの行動からイメージする奔放な様子とはイメージが違い、頭の中で描く姿が定まりません。 シュヴァリエのことを愛してはいるように思えるときもあるのですが、いやいや、その行動は無いでしょう、何を考えているの?本当に愛しているの?と言いたくなる。シュヴァリエが気づいているように、単に「楽しみ」を「享楽」を求めているだけで、それは「愛」を超えているように思える。愛が根底にあれば裏切り、それも楽しみや享楽を求めた裏切りを許せるものなのか?裏切る人間に愛があるのか?本当にそれは愛なのか?読んでいて、マノンがシュヴァリエをアメリカに渡るまでの間にも、本当に愛していたのか、愛しているという言動をしても、なかなかそうだとは思えませんでした。最終的にアメリカにまで付いてきてくれたシュヴァリエのことを、それ以降は本当に愛していたのかもしれないとは思うのですが。 そもそも「愛」とは何か、「好き」「恋」との違いは何か?とも思います。シュヴァリエのことを「好き」ではいたのでしょう。「好き」を「楽しみ」「享楽」が上回るというと不謹慎さがありますが、現代に置き換えて「仕事」ややりたいことが「好き」を上回る、結果、愛や結婚をあきらめるというように考えれば、ありなのでは。 楽しみたいという気持ちは責められないもので、それは現代でもある。ましてや、当時は女性が自分のしたいことをやれるような方法は全然ほぼ無かったわけで、そう思うとマノンの行動が前回読んだ時よりも、仕方ないかと思えてきました。出身が決して恵まれていないのに本も読み詩も読み、色々世界について知ってくると、その世界に近づきたい、出身の層で一般的とされている在り方で終わりたくないという気持ちが生まれるのは、ありえるようにも思えました。その結果、とる行動は反社会的で、遵法意識が無いようにも思いましたが。 そもそも、小説の形がシュバリエの話を基に書いたという形で、あくまで男側の一人称、主観で語られる世界なので、そのフィルターを通してしかマノンを語られておらず、マノンの真意がわからないですし。 椿姫と比較して、椿姫のような純愛ではないと考えられるのかもしれませんが、むしろ椿姫より本当の本物の人間らしい、椿姫は想像上の理想化された純愛だとも今回読み直して思いました。 アメリカに渡ってからマノンの気持ちに変化があったのか、わからないのですが、いずれにしても読み物としては、アメリカに行ってからのマノンでなく、堂々と楽しみを求めるマノン。マノンに振り回され、考えがふり幅大きく変わっているシュヴァリエの辺りの方が読んでいて面白かったとも思います。 もう一つ、今回再読して、ティベルジュの献身、友情部分に非常にワクワク、惹かれて読みました。これはもう友情というより愛、ティベルジュがマノンに会った時の様子が知りたい。

Posted byブクログ