きまぐれな夜食カフェ の商品レビュー
何も知らず4作目の最終巻を1番最初に読んでしまったので、私にとってこれが最終巻。読み終わるのが惜しいくらいにまたしても素敵な話が詰まっていた。前巻で悩みを抱えていた主人公がまた元気に登場したりするので、あんなことがあったけど前向きに頑張ってるんだな、と暖かく見守ってしまう自分がい...
何も知らず4作目の最終巻を1番最初に読んでしまったので、私にとってこれが最終巻。読み終わるのが惜しいくらいにまたしても素敵な話が詰まっていた。前巻で悩みを抱えていた主人公がまた元気に登場したりするので、あんなことがあったけど前向きに頑張ってるんだな、と暖かく見守ってしまう自分がいた。 周りから見ると一見何の問題のない羨ましいほどの生活や人生を送っている登場人物でも、みんな何かを抱えている。そしてその多くが、我が身を振り返り私もこういう考え方してしまっていたなと、アイタタと思わされてしまうものだった。でも色んな悩みや感情を抱えるのが普通なんだ、生きるというのは要はそういうことなんだと思えた。厳しい現実を突きつけられつつ、でも弱くてズルい自分を受け入れ、今ここから前に進んでいく勇気とエールをくれた作品だった。 "あなたは単に、自分がなにをしたいのかが、分かっていなかっただけのことよ...居場所なんて、どこかに無理やり見つけるものじゃないのよ。自分の足でしっかりと立っていれば、それが自ずとあなたの居場所になるの。要するに、あなたがどこに立ちたいかよ" 136 "この世の中は、本音だけで生きていけるほど、甘くないじゃない...素顔を見せたくないなら、無理して見せる必要なんてないわ...どれだけ意に沿わないことをしなければならなかったとしても、自分の本心の隠し場所さえちゃんと分かっていれば、人は案外、自分の道を歩いていけるものよ" 197 "若さは決して万能ではない。無限にあるように見えて、その実限られた選択肢の中からなにかを選びとっていくことは、若ければ若いほど、切実な痛みを伴う。しかし、七十を超えれば、既婚も離婚も未婚も実際にはたいして変わらないものになってしまうことを、今のさくらに伝えても仕方がないだろう" 249
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ますますシャールさんが好きになる、マカン・マランシリーズ第3弾。 「妬みの苺シロップ」 妬みや恨みを苺やお砂糖と一緒にグツグツ煮込んで美味しいものに変化させること。 すごくよく分かるなと思う。 休日、もしくは忙しくても諸々がひと段落した夜に、ひたすら玉ねぎをじっくり炒めている...
ますますシャールさんが好きになる、マカン・マランシリーズ第3弾。 「妬みの苺シロップ」 妬みや恨みを苺やお砂糖と一緒にグツグツ煮込んで美味しいものに変化させること。 すごくよく分かるなと思う。 休日、もしくは忙しくても諸々がひと段落した夜に、ひたすら玉ねぎをじっくり炒めているうちに心が静まるのが分かる。 そんな時は大抵心が荒れたり疲れている。 コロナ禍で料理に目覚めた人が多いと聞くけれど、美味しい料理は自分も人も幸せにする。 マカン・マランのようなお店があれば…と考えてしまうけれど、シャールさんの言葉や、シャールさんと出会って心が変化していく登場人物や、増えていく常連さんたちの言葉に触れるだけで、穏やかな気持ちになれたり、やさしい気持ちになれる気がする。
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シリーズが進むほど面白い本も珍しい気がする。 今回も全話ジーンとした。終わりに近づく程、毎回「しばらく会えなくなる」みたいな感覚になるキャラクター達。大好きです。シャールさんの「みんな傷を抱えて、それでも一生懸命に生きてるのよ」という「それぞれの思い」を大切にする行き方、本当に素...
シリーズが進むほど面白い本も珍しい気がする。 今回も全話ジーンとした。終わりに近づく程、毎回「しばらく会えなくなる」みたいな感覚になるキャラクター達。大好きです。シャールさんの「みんな傷を抱えて、それでも一生懸命に生きてるのよ」という「それぞれの思い」を大切にする行き方、本当に素晴らしい。 あまりにも本が良すぎて、実写化したらしいけど覗けない…笑
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本作では苦しみや辛さといった心の傷を心の底に沈めていた人物が主役になっていたように思う。 沈めていたものをそっと掘り返し見つめ、克服しようと歩を進める。その切欠にシャールの料理がなっていた。
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今回のマカンマランはすごいスピードで読み進めました わたしにしては珍しい それだけ共感して 続きが知りたかったのかも 最初のOLさんのお話は みんなが持ってる気持ちを凝縮したようで それをさらに凝縮した貯蔵食品が美味しいなんて シャールさんらしくて好きだった トルコのオヤのお...
今回のマカンマランはすごいスピードで読み進めました わたしにしては珍しい それだけ共感して 続きが知りたかったのかも 最初のOLさんのお話は みんなが持ってる気持ちを凝縮したようで それをさらに凝縮した貯蔵食品が美味しいなんて シャールさんらしくて好きだった トルコのオヤのお話など見たくて 食べたくて マカンマランは五感がくすぐられます 燿子さんのようにわたしも手を引かれてみたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
第3話のシャールさんと燿子さん、映画のワンシーンみたい。 初めて、食べ物より、2人の関係性やら刺しゅうやらに目がいった。 そして柳田先生がドラアグクイーンらにわらわら揉みくちゃにされて引っ張られるシーン、毎回過ぎて大好き。
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今回の表紙が随一に好きだ!かわいい! 相変わらずご飯とお料理の描写が好きだ…美味しそうかつ、栄養があふれているように感じる…
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202102-002 大好きなマカンマランシリーズ3作目。 細やかな心理描写に、ああ、こういう感情が私にもあるなぁと身近に感じたり、我が身を振り返り痛いところを突かれた感覚にもなる。 けれどシャールさんの一言がほんのり心を暖かくしてくれる。少し疲れた時に一人で静かに浸りたい小説。...
202102-002 大好きなマカンマランシリーズ3作目。 細やかな心理描写に、ああ、こういう感情が私にもあるなぁと身近に感じたり、我が身を振り返り痛いところを突かれた感覚にもなる。 けれどシャールさんの一言がほんのり心を暖かくしてくれる。少し疲れた時に一人で静かに浸りたい小説。落ち込むことはあっても大丈夫、美味しい食事をして、よく寝て、また明日から自分の人生を最高に輝かせるためにがんばろう、何て思える。
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短編が4本入っているのですが、どれも珠玉作です。 中でも離婚式をする女性の話は、まさにドラマ。メディアミックスが待たれます。 おかまという呼称には時代を感じますが、体に優しい食べ物と、人に優しいシャールのお話は、読む人の心に効く薬。 美味しそうで、ほっとする物語がそろうマカン・...
短編が4本入っているのですが、どれも珠玉作です。 中でも離婚式をする女性の話は、まさにドラマ。メディアミックスが待たれます。 おかまという呼称には時代を感じますが、体に優しい食べ物と、人に優しいシャールのお話は、読む人の心に効く薬。 美味しそうで、ほっとする物語がそろうマカン・マラン。 シリーズ4冊の内3冊を読んでしまったのが残念です。残り一冊はじっくりゆっくり読みたいと思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
シャールさん、男でもかっこいい。 燿子さんをとことん虚仮にしていた恭一を一気にピエロにしてしまった。こんな魅力的な人になりたい。無理か。 「本心を隠すのは、別に悪いことではないわ」「本心の隠し場所さえ、ちゃんと自分で分かっていれば、それはそれでいいのよ」 本心を隠して忘れてしまい、表に出した気持ちを本当の気持ちと思い込む。これって時間がたてば気持ちのねじれが大きくなって歪みが出て、苦しむことになる。しかもなんで苦しいのか分からない。隠した本心を忘れてしまっているから。 「本心の隠し場所さえ、ちゃんと自分で分かっていれば、それはそれでいいのよ」 そうだったんだ。
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