悲嘆の門(下) の商品レビュー
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読み始めて、おぉ、なかなか面白い。 ドキドキすると、展開を楽しみしていたら、 何だそんな感じかよ…現実世界の話じゃなく、異世界の話はあんまり好きじゃ無いなぁ…あああ、でも何これ、面白い! と夢中になって、上中下3冊を数日で読み終わってしまった。 ミステリーで、この世の物では無い力を使う感じはあんまり好きじゃなくて、何だろう。この世のもので起きたものはこの世のもので解決して欲しいというか。 ミステリーならミステリーであって、ホラーならホラーであって、ファンタジーならファンタジーであってほしいように僕は感じてしまう。 なので、途中の異形のものが現れたときは何だよ…と思ったけれど、それはそれとして楽しめた。 最後に、ハッピーでは無いかもしれないけれど、最悪の事態にはならなくて、気持ちがホッとした。
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上巻は夢中になって読んだけど 中巻からファンタジー寄りになってしまい、がっかりしながらも なんだかんだ惹かれる物語。 言霊のようなものを信じているので、 言葉が残滓してその後に影響するというのは分かる気がする。 その他の要素 ・本当は連続犯ではないのに、ネットやテレビで作られる〈物語〉 ・それに影響を受ける人々、続く事件 ・主人公の正義感の暴走 ・私刑では救われることのない被害者遺族 ・それでも最後は人との繋がり?
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奇妙な設定に慣れてきたか、中巻ほどの違和感は無い。難解な部分も残るが。人間の業、ネットリテラシーという主題は普遍的かつ重い。最後に救いがあってよかった。実質的に前作に当たる「英雄の書」の内容を覚えていたら、また少し感想も違ったのかどうか。
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言葉、物語が生まれ流れる世界観のなかで、猟奇的事件をとりまく人々の感情が交錯する。 『英雄の書』の設定を用いて描いたファンタジー(+ややホラー?)小説。著者がSNSに溢れる残酷な正義感をファンタジーの形を借りて具現化したように感じる。設定がやや複雑なので『英雄の書』を先に読むこと...
言葉、物語が生まれ流れる世界観のなかで、猟奇的事件をとりまく人々の感情が交錯する。 『英雄の書』の設定を用いて描いたファンタジー(+ややホラー?)小説。著者がSNSに溢れる残酷な正義感をファンタジーの形を借りて具現化したように感じる。設定がやや複雑なので『英雄の書』を先に読むことがおすすめ。
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壮大な物語で、読む手が止まらない。 仲の良い先輩の失踪、憧れの人が殺された憤怒。 それらの気持ちが、主人公の孝太郎と魔物の取引を誘発し、そして孝太郎自身を変えていく。 何度も周りから引き返せ、もう止めろと言われたが、孝太郎はそれに背いていく。 ネット社会が進む中、言葉は世の中に溢...
壮大な物語で、読む手が止まらない。 仲の良い先輩の失踪、憧れの人が殺された憤怒。 それらの気持ちが、主人公の孝太郎と魔物の取引を誘発し、そして孝太郎自身を変えていく。 何度も周りから引き返せ、もう止めろと言われたが、孝太郎はそれに背いていく。 ネット社会が進む中、言葉は世の中に溢れている。 その言葉たちが紡ぐ物語。 言葉は残る。そして、とても重いものなんだ… 2022.2.6
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ファンタジー、ミステリー 英雄の書の続編ではないけれど 英雄の書を読んでいればなおストンと入る 部分が多い。 頻発する失踪事件と謎の建物、 大学生と元刑事 とミステリーの予感が強く、読み進めてから あファンタジーか、、と一瞬戸惑った でも英雄の書とのリンクが随所にあり 記憶を呼...
ファンタジー、ミステリー 英雄の書の続編ではないけれど 英雄の書を読んでいればなおストンと入る 部分が多い。 頻発する失踪事件と謎の建物、 大学生と元刑事 とミステリーの予感が強く、読み進めてから あファンタジーか、、と一瞬戸惑った でも英雄の書とのリンクが随所にあり 記憶を呼びながら楽しめた。 言葉、物語、概念、とか たまに考えた方がいい題材。 ただ事件の解決法を文中のようにされると 残された人のモヤモヤがまた渇望になって 延々とリンクしそうだ。
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上・中・下巻の感想をまとめて。 上巻のあらすじを読んだ時、ミステリーかと思った。宮部作品のミステリーは網羅してるのにな、見落としたかな、と思ったのだけど、結論から言うとミステリーとファンタジーだった。(事件も出てくるけど、ファンタジーの要素が強い) 『英雄の書』と繋がっているみ...
上・中・下巻の感想をまとめて。 上巻のあらすじを読んだ時、ミステリーかと思った。宮部作品のミステリーは網羅してるのにな、見落としたかな、と思ったのだけど、結論から言うとミステリーとファンタジーだった。(事件も出てくるけど、ファンタジーの要素が強い) 『英雄の書』と繋がっているみたいなのでそちらも読む予定。 宮部みゆきが考える、物語と言葉の関係性や人間と物語の関係性が興味深く面白かった。 ファンタジーではあるんだけど、どこかに〈無名の地〉があって〈咎の大輪〉が静かに回されていて、そこから〈物語〉が生まれている…と想像すると、寒気がするような途方もない気持ちになる。 孝太郎が、自分の気持ちの底の底まで向き合って、乗り越えていくところがとても良かった。 鮎子さんの、「言葉は蓄積していく」という言葉、ネットにおいてもそうだし、自分の発した言葉も、例え形には残らなくても、確かに言葉は"残る"ものなんだなぁと共感した。 設定というか世界観が少々込み入っているんだけど、下巻に収録されている、武田徹氏の「解説」が分りやすくまとめられていたので、文庫を手にした方は読んでみてほしい。
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3冊もの長編であるがすいすい読んでしまいます。中身はエンタメなので特にネタばらしはしなけど、この作者らしく裏切らない内容だった。
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心底つまらない小説だった。 読者を悪い意味で裏切るファンタジー展開、好きになれない登場人物、とにかく無駄が多い文章。 どうせなら上巻のあらすじに前作のタイトルや【ファンタジー】の文字も入れてくれたら読まずにいたのに。
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英雄の書を読んでいたからこそ、ここまで読み切れたと思う。最後の方はあっさりと終わりに向かっていった印象。自分を形作るものは言葉、という点は、現実世界に通じる考え方だと思う。
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