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くちなし の商品レビュー

3.6

85件のお客様レビュー

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2024/06/13

著者、彩瀬まるさん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 彩瀬 まる(あやせ まる、女性、1986年 - )は、日本の小説家。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 遠ざかるほど、愛に近づく...

著者、彩瀬まるさん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 彩瀬 まる(あやせ まる、女性、1986年 - )は、日本の小説家。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 遠ざかるほど、愛に近づく 別れた愛人の左腕と暮らす「くちなし」 運命の相手の身体には、自分にだけ見えるは花が咲く「花虫」 好きな人が、ほかの女性のために作る「愛のスカート」 獣になった女は、愛する者を頭から食らう「けだものたち」 崩壊した家庭の妻が、少年を買う「薄布」 夫を亡くした妻が茄子色に髪を染める「茄子とゴーヤ」 皆が出産する世界で自分だけが生き残ってしまう「山の同窓会」 繊細に紡がれる、全七編の傑作短編集。 ---引用終了

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2024/02/13

近くてだらしなく混ざりあうものは愛でないのかもしれない。実体のよくわからない愛をほんのすこしわたしたちに近づけてくれる物語。

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2023/12/09

ー 愛なんて言葉がなければよかった。そうしたら、きっと許してあげられたのに くちなしの花言葉は「とても幸せです」「喜びを運ぶ」だそうだ。しかし、日本においては花の名前から「死人にくちなし」とか「嫁にもらうくちなし」とか、そういうひどい言葉を連想しあまり縁起が良くないと捉える人も...

ー 愛なんて言葉がなければよかった。そうしたら、きっと許してあげられたのに くちなしの花言葉は「とても幸せです」「喜びを運ぶ」だそうだ。しかし、日本においては花の名前から「死人にくちなし」とか「嫁にもらうくちなし」とか、そういうひどい言葉を連想しあまり縁起が良くないと捉える人もいる、という。 幸不幸両方のイメージを想起させる花であり、あなたにとってはどっち?ということだが、この短編集についていうと、「両面ある」という感じかな。 とても懐が深い。 彩瀬さんの小説には、我々人間とは似て非なる生き物の人がよく出てくる。 例えば、簡単に腕がもげたり、卵を産んだり、大蛇に化けてしまったり… なんか化け物みたいで怖いのだが、そんな人たちに共感してしまうのは、人間にはそういう化け物的側面が備わっているからなのだろう。 人間でない生物に人間の本質を教えられる感じがして、彩瀬さんってすごい! 第158回直木賞候補作。 選考委員の中では東野圭吾さんがこの作品を推していて意外な感じがした。先日亡くなった伊集院静さんが「大変に佳い作品」と評価された二作のうちの一つ「茄子とゴーヤ」がこの短編集の中ではフェイバリットでした。 あと「けだものたち」がいいですねぇ ♫くちなしの花/渡哲也(1973)

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2023/09/27

だいたいファンタジー短編集。 でも中にはリアルなものもあり、デザイナーの同級生と再開する美容師の女の子が正解を求めて葛藤する話が良かった。ファンタジー系は好みが別れるかも。

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2023/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編集。 以下メモ 「くちなし」親しい人に体の部位を渡す 「花虫」純粋な愛だと思っていた感情が、体の中の虫の影響を受けていた 「愛のスカート」デザイナーが大家のためにつくるスカート、そんな彼を見つめる主人公 「薄布」生身の少年を使ったお人形遊び 「茄子とゴーヤ」ようやく家を出て、髪を茄子色に染めてから 「山の同窓会」人間が卵を産む 「けだものたち」男は昼、女は夜に起きる世界

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2022/08/23

さまざまな視点の短編が7編 理解できたものもあれば、これは何視点?と思うものもあり。 予備知識がある人は何の視点なのか理解でき、楽しめると感じた

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2022/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

別れた愛人の左腕と暮らす。 運命の相手の身体には、自分にだけ見える花が咲く。 獣になった女は、愛する者を頭から食らう。 (アマゾンより引用) 怖いわ、現実離れした内容ばっかで

Posted byブクログ

2022/04/10

「意志のない体は、なんてかわいそうで美しいんだろう。醜くなる余地がない。醜くなる自由がない。ーーかわいい。いたいけで、心地いい。だけどそれだけだ。心を裂かれる痛みより可笑しいものは、この部屋には見当たらなかった。」 ファンタジー要素がありながら現実の感覚を捉えて離さない、そんな短...

「意志のない体は、なんてかわいそうで美しいんだろう。醜くなる余地がない。醜くなる自由がない。ーーかわいい。いたいけで、心地いい。だけどそれだけだ。心を裂かれる痛みより可笑しいものは、この部屋には見当たらなかった。」 ファンタジー要素がありながら現実の感覚を捉えて離さない、そんな短編集だった。心が動かされ、ひしひしと興奮していることがわかる。イメージ的には川上弘美さんの物語に近いものを感じる。好きか、と聞かれれば嫌いじゃない、と私は答えるがこの読後感を久々に感じたような気がする。

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2022/03/05

国語の授業で、問には答えがある。それが当たり前だと思っていました、でも、読み手によるのでは。答えがあるとは限らない。書き手が伝えたいことは明確ではないのでは。と、思いました。

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2021/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

7編すべての物語において、世界も境遇も異なるのにどうしてこんなにも共感するのだろう。余韻を残すラストがどれも切ない。 誰かの感情を的確に表した言葉たち。ここにあるのは愛に他ならない。愛が濃縮して憎しみになったようなものまである。そのひとつひとつの表現がいとおしくて、本から抜き出して大事に何度も咀嚼したいくらい、どれも私の心を強く掴む。

Posted byブクログ