死刑にいたる病 の商品レビュー
★★★ 今月1冊目 死刑囚が8件の犯行は認めるが1件は認めないから調査してくれと、パン屋の常連だった学生に依頼。 過去をほじくって色々出てくる。 櫛木さんぽい家庭、血筋系の話ね。 シリアルキラーについても勉強してる
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櫛木理宇氏の3冊目読了、非常に面白かった。今年出会った女流作家さん。上梓が楽しみとなる新たな作家さんとなった、以下ネタバレあります。ご注意ください! まずは映画化によってタイトルだけは既知であった、そこから症候群...
櫛木理宇氏の3冊目読了、非常に面白かった。今年出会った女流作家さん。上梓が楽しみとなる新たな作家さんとなった、以下ネタバレあります。ご注意ください! まずは映画化によってタイトルだけは既知であった、そこから症候群作品を読み、今作に至った訳であるが、作品の完成度、洗練具合は既読の作品を大きく上回っており好みであった。映像化作品では主人公格のシリアルキラーを阿部サダヲ氏が演じている。文庫版の表紙にも彼のアップが収められている、阿部氏の芸風、出演歴などからしてもシリアルキラー役というのは異質だったと思うし、そこが彼にとっても新しい役柄への挑戦でもあったのだろうか?映像化作品は観ていないものの、表紙からでもわかる。このシリアルキラー役になんてぴったりな、はまりどころの役者さんではなかろうか?優し気でいて、心を見透かされているような眼差しの怖さ、シリアルキラー大和の容姿は、ずっと阿部サダヲ氏で脳内再生されていた。このキャスティングには称賛しかないと思われる。 ストーリーの大筋は主人公とシリアルキラー大和の2名のみで進んでいく、主人公は幼い頃にパン屋店主であった大和と面識があったことにより、奇妙な依頼を受ける。何人もの少年少女を惨殺したシリアルキラーのたった1件だけの冤罪を証明して欲しいと…かくて主人公は獄中の大和と面談を重ね、事件を追っていく。その過程において主人公の人格には微かな、そして大きな変化が表れていく。主人公の閉塞感、その中での圧迫感は共感できる、その主人公が大和(阿部サダヲ)との邂逅でかつての自分を取り戻していく様、これには開放と恐怖がないまぜとなったドキドキ感を読者感情として得られた。文庫本表紙のあの眼差し、想像に容易い、それほどまでの阿部氏の目力であった。 中盤から怒涛の展開があり、ストーリー構成に緩さを感じさせない。終幕においては、全てがシリアルキラー大和の手の平の上であったことが白日のものとなり、櫛木氏の一貫して思うところ、であろうと思う「一番怖いのは人間」を再確認させられた。そしてゾっとするエピソードで締められるところも櫛木氏らしさが滲み出ていたと思う。 最後にちょっとわからなかったところ、プロローグとエピローグにて雑踏に佇んで悔恨を独り言ちる人物は誰だったのだろう?金山一輝で間違いないのか?他の人物の解釈もあるような気がする…
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猟奇殺人の犯人は多くの人を惹きつけたというのはよくある話。関わりのないものからすると「なぜ?」と思うけれど、良くも悪くも普通ではない人間って魅力的に見えるんだろうな〜。 これを読む前がちょうど宮部みゆきさんの『模倣犯』だったからそれぞれの犯人像がかぶって見えた。いいように振り回...
猟奇殺人の犯人は多くの人を惹きつけたというのはよくある話。関わりのないものからすると「なぜ?」と思うけれど、良くも悪くも普通ではない人間って魅力的に見えるんだろうな〜。 これを読む前がちょうど宮部みゆきさんの『模倣犯』だったからそれぞれの犯人像がかぶって見えた。いいように振り回されちゃう主人公に少しイライラしつつも、自分が同じ立場ならあっさり陥落かもなとも思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本でシリアルキラーはあまりピンとこないかなと思ったが、被虐待児という点で、加害者と被害者がどんどん繋がっていってしまうのがとても真実味があった。 自分がここに出てくるような境遇だったらどんな人間になっていただろうと思いを巡らせる。おそらく人を恨むだろうし、自分に価値を感じられないだろうし、健やかに育つ自信は全く持てない。 惨い犯罪の背景にある問題に目を向け、気の毒だと思いつつも、やはりこうなってしまった大和を理解できるわけなどなかった。大和の悪意を突き付けられたような気持ちだ。死刑のその日まで人々を弄び続けるのだろう。 恐ろしいが夢中で読んだ。面白かった。
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オーディブルで。 聞くのをやめたくなるようなリアルな描写。 怖い、恐ろしいと思うのに。榛村をなぜか殺人鬼とは思えない気がしてしまう。 阿部サダヲの顔をしっかり思い浮かべながら、聞けました。
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ーーーきみの好きにしていいよ。 ーーー選んでいい。きみには、その権利があるんだから。 ーーーきみがどんな答えを出そうとも、ぼくはそれに従うよ。 小説を久々に読んだ。 あらすじ 普通の大学生、雅也のもとに殺人犯、大和から1通の手紙が届く。 9件の罪のうち8件は認めるが残りの1件の...
ーーーきみの好きにしていいよ。 ーーー選んでいい。きみには、その権利があるんだから。 ーーーきみがどんな答えを出そうとも、ぼくはそれに従うよ。 小説を久々に読んだ。 あらすじ 普通の大学生、雅也のもとに殺人犯、大和から1通の手紙が届く。 9件の罪のうち8件は認めるが残りの1件の罪は冤罪。だからそれを証明してほしい、と。 一つ一つ選択していく先に見えてくる残酷な真実とは。 あらすじを見て気になった。 いつも図書館で借りているが死刑にいたる病 はなく、死刑にいたる病へと改題される前の題名である チェインドッグがあったので借りた。 怖い。怖いを越えて恐ろしく寒々しくなる。おすすめはできないような恐ろしい一冊。 読み終わったあとの心の中の不穏な空気。夜中眠れなくなってしまった。 小説のはずなのに、今どこかで起こっているような現実味を感じる小説。 小説にでてくる人物たちのようにわたしも大和に支配されたような感覚に陥る。 映画化された小説だが、映画は恐ろしくて見れないと思った。 でも1日経ったら映画がどんなものか気になってしまった。 大和の支配が続いているのだろうか。 本当に恐ろしく、しかし主人公大和のように誰もが恐ろしくもひかれてしまう小説である。
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稀代の連続殺人鬼から届いた一通の手紙。 大学生活に膿んでいた雅也は、テレビや週刊誌で話題となっていたくらいしか事件については知らず、ましてや小学生の頃に通っていたベーカリーの店主だった記憶しかなかった。 事件の再調査を頼まれ、彼のことを探っていくうちにわかってくる事実。 次...
稀代の連続殺人鬼から届いた一通の手紙。 大学生活に膿んでいた雅也は、テレビや週刊誌で話題となっていたくらいしか事件については知らず、ましてや小学生の頃に通っていたベーカリーの店主だった記憶しかなかった。 事件の再調査を頼まれ、彼のことを探っていくうちにわかってくる事実。 次第にこの殺人鬼に取り込まれていく様子に慄きながらもこうやって人は、騙されてしまうのか…といいようもない不安や畏れに怖くなった。 解説にも書いてあったが、シリアルキラーとは私たちの心理状態を映し出す鏡であり、雅也も大和との触れ合いを通じて自分をかさねてゆくことになる。 共通する何かを見つけると無意識のうちに同化してしまう。 それが一番怖いと思った。
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読み進めるごとに徐々に明らかになっていく真実が気になって、怖かったが読み進めた。 生まれて育った環境が人格に与える影響は大きい。 ある意味怖いと思った。
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シリアルキラーの悪趣味すぎるオアソビに、まんまと獲物として捕まってしまった大学生。 最後は運良く逃げ切れたと思わせて、、、。 柚木麻子さんの「butter」もそうだけど、殺人犯である取材対象者にだんだんと惹かれて取り憑かれていく様子が読み応えありました。 私のイメージだと小池...
シリアルキラーの悪趣味すぎるオアソビに、まんまと獲物として捕まってしまった大学生。 最後は運良く逃げ切れたと思わせて、、、。 柚木麻子さんの「butter」もそうだけど、殺人犯である取材対象者にだんだんと惹かれて取り憑かれていく様子が読み応えありました。 私のイメージだと小池徹平のような顔立ちかなと想像しながら読みましたが、不気味さを出すには阿部サダヲさんぴったりなのかなと思いました。
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文句なしに面白かった。あーこういう展開なのね…と思っていたらまだ終わっていなかった感。映画も見てみたい。
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