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長女たち の商品レビュー

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43件のお客様レビュー

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2017/11/02
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「家守娘」「ミッション」「ファーストレディ」の3編からなる中編集。 認知症の母を見捨てられず、仕事をやめ、恋人とも別れ、日々を母の介護に費やす娘。糖尿病の母に自分の腎臓を提供するべきか苦悩する娘。どちらの娘も母の呪縛から逃れられず、一人で悩み、憎みながらもつらい介護生活に明け暮れ、その結果、自分の幸せさえ捨てているのが痛ましい。それは、少子高齢化が留まることを知らない日本の、確実に今そこにある姿である。 「家守娘」と「ファーストレディ」が個人レベルでの少子高齢化の問題なら、「ミッション」は国家レベルでの高齢化への問題提起となっているのが篠田さんらしい骨太の作品という感じがする。 生きること、生きながらえることの意味をしみじみと考えてしまう。平均寿命どんどん延びていることは果たして本当に喜ばしいことなんだろうか・・・と。 この長編にすると重くなりすぎる内容の3編を読みやすい中編に仕上げ、しかも、この順番で並べたことで作品に絶妙のバランスが保たれ、読後の爽快感と併せて満足のいく作品でした。

Posted byブクログ

2017/10/09
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他人事ではない衝撃。3編の短編集。この組み合わせ、構成にも考えさせられる。そこらへんのドキュメンタリーよりよほど重く響く。今のところ今年No1です。

Posted byブクログ

2017/10/09
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※このレビューにはネタバレを含みます

201710/圧倒的な筆力で、息苦しさ重苦しさと、読み手に想像させる恐怖感を書いた篠田節子、さすがの一冊。本書を手にとったのは、やはり、精神的・肉体的・金銭的など色々な面で親からの長女依存に悩まされている人達が多いのではないでしょうか。私もそんな長女の一人。各章の主人公たちは情のある人物像なので、希望のみえるエンディングではあるけど、それでもこれからも自問自答しながら、苦しく悩む時もあるんだろうなと思えて、読後感すっきり!とはいかないが、読み応えあった。

Posted byブクログ