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長女たち の商品レビュー

4.1

43件のお客様レビュー

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2024/08/24

3人の長女たちの物語。 帯にある「当てにするための長女と、慈しむための他の兄弟。それでも親の呪縛から逃れられない」 というフレーズが心に染みる。 今現在、老いた母の面倒をみながら葛藤を抱える自分を振り返り、あんな気持ちになるのは自分だけではないんだと安心する。 そして、自分はそん...

3人の長女たちの物語。 帯にある「当てにするための長女と、慈しむための他の兄弟。それでも親の呪縛から逃れられない」 というフレーズが心に染みる。 今現在、老いた母の面倒をみながら葛藤を抱える自分を振り返り、あんな気持ちになるのは自分だけではないんだと安心する。 そして、自分はそんな母親にはなりたくない。

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2024/07/16

厳しい現実を突きつけられ、考えるさせられる。親(や自分)の老化は誰にとっても他人事ではない。 女1人がどんなに足掻いてもどうしようもない。論理と感情が相反する。正解のわからない問題に対してどう折り合いをつけるのか? 自分ならどうするかなぁと読後も考えてしまいます。

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2024/04/22

3編で構成されていた。 特に『ミッション』読了後には価値観を揺さぶられるような衝撃を受けた。 何故、私たちは肉体の限界を無視して、生命維持を強制させるんだっけ。 尊厳死って、望む死の有り様ってなんだっけ。 .......知らず知らずのうちに、自分も“生命を尊重した”死生観に染まっ...

3編で構成されていた。 特に『ミッション』読了後には価値観を揺さぶられるような衝撃を受けた。 何故、私たちは肉体の限界を無視して、生命維持を強制させるんだっけ。 尊厳死って、望む死の有り様ってなんだっけ。 .......知らず知らずのうちに、自分も“生命を尊重した”死生観に染まってしまっていることに気づく。 ショッキングであり、考えさせられる本。

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2023/07/11

 タイトルからの勝手な想像で、ユーモアとかペーソスとかを期待していたが、読んでみると切実さとアイロニーに満ちていた。  本作における「長女キャラ」とはどういうものか。どうやら、真面目で有能だがあまり要領良く生きられない人たちらしい。我慢強いが、それが裏目に出てしまうことも度々。 ...

 タイトルからの勝手な想像で、ユーモアとかペーソスとかを期待していたが、読んでみると切実さとアイロニーに満ちていた。  本作における「長女キャラ」とはどういうものか。どうやら、真面目で有能だがあまり要領良く生きられない人たちらしい。我慢強いが、それが裏目に出てしまうことも度々。  それ故か本作の長女たちは皆三十代後半〜四十代後半で独身、そしておそらくは独身であるがために、近親者への献身と近親者からの搾取の境界線上で揺れている。認知症介護・独居老人・依存症・生活習慣病・臓器提供といった一筋縄ではいかない家族問題の「担当者」という役回りを周囲から期待され、圧力をかけられもする。  その背後にあるのは家父長制だろう。つまるところ、本作における長女とは家父長制の中の被抑圧階級なのだ。

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2023/05/03

3編構成。我が国の家族の縮図をみせられたよう。「ミッション」は読んで考えることがたくさんあった。発展途上の国での医療支援だからといって、その死生観までメスを入れて良いものなのかと。

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2023/01/05

あー、迫力すごい… 畳み掛けるようにこれでもかこれでもかと突きつけられるかんじ。的を得ていてリアルで容赦ない。 あっという間に読んでしまう。 長女としては思い当たる節もたくさんあるし…なんか怖かった。

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2022/12/23

「長女」として 母親への思い、葛藤、振る舞い、立場 同じ長女として 痛いほど感じるものもあったし、怖くもなった。 「ファーストレディ」なんて、ホラーかな?って思うほどに 母親の言動に狂気を感じた 『あんたのなら自分の体と同じだもの』 ……こっわーーーー!

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2022/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 さすが、篠田節子さん‼︎ シャープで面白い。 わたしも長女なので、大いに共感しました。 『家守娘(いえもりむすめ)』  認知症の母の介護に悪戦苦闘する長女。 恋も仕事も、次から次へと・・・。 しかし、最後は期待通り。 力強く生きていく姿に安堵します。 『ミッション』  舞台は、ヒマラヤ奥地の貧しい村。 生と死、医療、生への巡礼・・・わたしたちにとっては残酷な現実を教えてくれます。 なので、涙とともに心には苦い味が広がりました。 しかし、その苦味を味わい尽くした後には、不思議とほのかな甘味が広がるような味わい深い素晴らしい物語です。 『ファーストレディ』  『ミッション』(シンプルな生と死)の余韻のなか読み進めると、否応無く、日本の家庭・医療を見る目は、冷ややかなものになりました。 それでも、葛藤し頑張る長女には共感してしまうのです。 糖尿病を患う母に対する長女の立ち位置は、弟とも父とも大きく違います。 それは、家庭の構造と長女自身によるものか? 理性と情の狭間に不必要な罪悪感も加わり・・・。 そして、母が舅姑に仕え見送った過去の様々な思いにも気づき、母に臓器を提供しようと思うのですが・・・。 『お父さんの臓器なんか、死んだってもらうのは嫌だ。』(母の夫への思い) 『病気ではない体にメスを入れさせて、万一のことがあったら・・・』(母の息子への思い) 『あんたのなら自分の体と同じだもの』(母の長女への思い) ラスト、長女の選択は? 感慨深い小説です。 わたし自身、高齢の親がいる身です。 そんなわたしに覚悟の二文字を与えてくれました。  " 明るい気持ちで淡々とシンプルに受け止める " それほど、心に響きました。 特に、『ミッション』は。

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2022/10/20

三つの長女たちの話 親たちの認知、孤独死、糖尿病に悩む長女たち 「ミッション」は世界が違いすぎて理解出来なかったが、他の二つは共感するところが多かった 「周囲からも当てにされ、一人重い現実と格闘する我慢強い長女」わかるわー

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2022/10/12

現代の日本人が抱える高齢者介護の問題を考えさせられました。親子の関係性が密だと言われる現代。その先にある問題でもあるように感じました。 3つの物語で構成されている作品ですが、介護に答えがあるとしたら、真ん中の作品の中に見出せるのではないかと、考えさせられました。世界には、死を日常...

現代の日本人が抱える高齢者介護の問題を考えさせられました。親子の関係性が密だと言われる現代。その先にある問題でもあるように感じました。 3つの物語で構成されている作品ですが、介護に答えがあるとしたら、真ん中の作品の中に見出せるのではないかと、考えさせられました。世界には、死を日常の一部として捉える…そんな日常を送る世界があり、現代医学の進歩の副作用的な結果としての高齢者介護問題に苦しむ日本社会との対比が鮮烈でした。 現代の日本(西欧社会に影響を受けた)の価値観が本当に幸せなのか…そんなことを深く考えさせられました。

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