ジゼル の商品レビュー
「ジゼル」で準主役の復讐の女王に抜擢された花音と彼女と仲の良い同期の若者三人と、プリマの亡霊と相次ぐ不可解な死。配役やその変更に纏わる嫉妬やバレエの悪魔に売る魂、華やぎ、皆で作り上げる公演へのひたむきさ。バレエ描写がひたすら美しい。本筋ではないけれどジュニアコンクールの覚悟や重さ...
「ジゼル」で準主役の復讐の女王に抜擢された花音と彼女と仲の良い同期の若者三人と、プリマの亡霊と相次ぐ不可解な死。配役やその変更に纏わる嫉妬やバレエの悪魔に売る魂、華やぎ、皆で作り上げる公演へのひたむきさ。バレエ描写がひたすら美しい。本筋ではないけれどジュニアコンクールの覚悟や重さに泣きそうになった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
バレエの世界すごい。この作品を書くのに、かなりバレエダンサーの世界を調べたんだろうなあと。 蝶野さんのコンテスト内でのセリフ、プロバレリーナになるには本当に覚悟がいるんだと思う。 まさかの花音が真由美の妹だとは…。有紀子の方が怪しいと感じながら読んでいたので、個人的にはちょっと最後が驚きだった。
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2018.6.1学校図書室(長女) バレエを舞台にしたサスペンス、表紙の絵が美しいということで刊行時から興味を持っていた長女、高校の図書室で購入希望を出して首尾よく一番乗り。 15年前の悲劇から封印されてきた演目を再演することになったバレエ団に亡霊の影? 舞台の上は総合芸術の華...
2018.6.1学校図書室(長女) バレエを舞台にしたサスペンス、表紙の絵が美しいということで刊行時から興味を持っていた長女、高校の図書室で購入希望を出して首尾よく一番乗り。 15年前の悲劇から封印されてきた演目を再演することになったバレエ団に亡霊の影? 舞台の上は総合芸術の華だけれど、舞台裏には競争や嫉妬、愛憎さまざまな思惑が入り乱れ、ボリショイ・バレエのセルゲイ・フィーリン襲撃事件も記憶に新しく、そんな美しくもきれいごとばかりではない世界を垣間見させてくれる物語だった。 細く長くバレエファン歴だけはあるので、登場人物名からいろいろ連想してしまうし、ジゼルの物語もよくしっているからちょっとした言動や出来事も意味ありげに見え、ヒロインや作中のバレエ団員らとともに何を信じたらいいのかわからないような気分になりながら読んだ。展開はおおむね想像したとおりだったが(ただ、もう一段深読みの余地もあるような気も…)、最後の最後の謎解きはちょっと想像の範囲外だった。きれいにまとめたとみるべきか、それはない、というべきか…
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悲劇のため封印されていた演目「ジゼル」が15年ぶりに復活公演決定。それに向けて準備が進むにつれてバレエ団のメンバーに次々と不可解な事件が起きる。そしてついに死亡者が。15年前の悲劇に見舞われた真由美の祟りなのか? プロのダンサー達の苦悩や嫉妬。高みを目指す姿勢が舞台を作っていく過...
悲劇のため封印されていた演目「ジゼル」が15年ぶりに復活公演決定。それに向けて準備が進むにつれてバレエ団のメンバーに次々と不可解な事件が起きる。そしてついに死亡者が。15年前の悲劇に見舞われた真由美の祟りなのか? プロのダンサー達の苦悩や嫉妬。高みを目指す姿勢が舞台を作っていく過程で細やかに描かれていてその点では読み応えがあった。「ジゼル」についても詳しくて今鑑賞したら深く楽しめそう。それに比べると謎の真相の部分はうーん。伏線がもう少し欲しい。
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ジゼルはバレエの古典の中では一番好きな作品。 1幕2幕の対比もどちらも際立つし、 下衆な貴族野郎を呪い殺すっていうのがわかりやすい。 そして何より短い。 ということが作中にも書かれていた。 私の「ジゼル」感は間違っていないようだ。 文章から思い描く舞台は美しい。 白いロマンチッ...
ジゼルはバレエの古典の中では一番好きな作品。 1幕2幕の対比もどちらも際立つし、 下衆な貴族野郎を呪い殺すっていうのがわかりやすい。 そして何より短い。 ということが作中にも書かれていた。 私の「ジゼル」感は間違っていないようだ。 文章から思い描く舞台は美しい。 白いロマンチックチュチュが美しかった。 と、ストーリーよりバレエを観ているようで それはそれは楽しかった。 ストーリーは嫉妬と焦りと意地悪な気持ち、 ちょっと昔のバレエドラマのようだった。
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「ジゼル」を軸にバレエ界を見られたのは面白かった。 確かに役を巡って嫉妬したりされたり、自由に踊りたくてもバレエ団や芸術監督に縛られたり、ということはあるんでしょう。その点は丁寧に描かれていて、知らない世界ながら共感できる。 その反面、ミステリーとしては普通でした。犯人が分かるま...
「ジゼル」を軸にバレエ界を見られたのは面白かった。 確かに役を巡って嫉妬したりされたり、自由に踊りたくてもバレエ団や芸術監督に縛られたり、ということはあるんでしょう。その点は丁寧に描かれていて、知らない世界ながら共感できる。 その反面、ミステリーとしては普通でした。犯人が分かるまでのハラハラ感とかは無かったです。
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ミステリー的には、べたな感じだけど、読みやすく面白かった。 バレエのジゼルのことも知れてよかった。
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古典バレエを、話から理解して観るべきだと感じた。 ジゼルの内容と、本そのものの内容がリンクしているのも面白い。また、ただ単なるバレエ小説(ブラックスワン的な人と人のドロドロ系)ではなく、ミステリ感があるのもこの本の特徴。
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そこまで好きな作家ではないけど、最新作の「婚活中毒」のゾクゾク感が堪らなくて、少し前に出版されたこの作品も読んでみることに。 ストーリーはタイトルのとおり、バレエ「ジゼル」の内容に沿った復讐劇。本当はバレエ繋がりで「カンパニー」と続けて読もうと思っていたが、「カンパニー」がとても...
そこまで好きな作家ではないけど、最新作の「婚活中毒」のゾクゾク感が堪らなくて、少し前に出版されたこの作品も読んでみることに。 ストーリーはタイトルのとおり、バレエ「ジゼル」の内容に沿った復讐劇。本当はバレエ繋がりで「カンパニー」と続けて読もうと思っていたが、「カンパニー」がとてもいい話だったので、少し間を空けて読むことにしてみた。結果的には今作はバレエ作品本来の「ジゼル」の世界観を大事に描いている印象なので、時間を空けて正解だったと思う。 15年前にバレエ団を襲った悲劇の引き金となった「ジゼル」を15年ぶりに再演することから物語は始まり、公演までの間に不可解な事件や不審死が続く。15年前に亡くなったはずの真由美の亡霊のしわざなのか…19歳の新生バレリーナ・花音の目線を中心に事件が描かれていくが、とても普通のミステリーと言う感じ。 この作家さんならではの嫌悪感がないのが、とても残念…
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事件と死者が出るまでの前置きが長過ぎ、真由美の亡霊の正体もほぼ読めた。蝶野が審査員のプロ意識に対するコメントと最後の蘭丸への対応は矛盾を感じ首尾一貫してほしい。著者の作風がだんだんノーマルになっていき物足りなさを感じる。
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