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肉小説集 の商品レビュー

3.4

51件のお客様レビュー

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2023/03/11

食べ物をテーマにした心温まる短編集!とは真逆。でも読み終えるとお肉を食べた時のような満足感がたっぷり。 主人公は自己分析をして、あーだのこーだの考えているけど、読んでるこっちからすれば、そうじゃないんだよなあ、むしろそういうところなんだよなあ、と。そこがおもしろい。 作品に出...

食べ物をテーマにした心温まる短編集!とは真逆。でも読み終えるとお肉を食べた時のような満足感がたっぷり。 主人公は自己分析をして、あーだのこーだの考えているけど、読んでるこっちからすれば、そうじゃないんだよなあ、むしろそういうところなんだよなあ、と。そこがおもしろい。 作品に出てくる女の人がみんなステキで、男の子のしょうもなさをいい意味で諦めていたり、意地っ張りでツンとした冷たさの中にも可愛らしさがあったりする。 どの短編も、主人公が男の人というところでは共通しているが、年代も切り口も全く違っていて、それぞれで別の楽しみ方ができたように思う。 特に好きだったのは、「魚のヒレ」。大学生の男女のもどかしい雰囲気と、なんとも可愛げのある女の子。最後の展開には、まさにわたしも「ぐわっ」となった。

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2022/11/20

豚足、トンカツ、角煮、ホルモン焼き、豚のヒレ肉、ハムを中心にした物語が6篇だが、様々な食事風景が描写されており、それぞれ楽しめた.どれも旨そうな感じだが、角煮が特に賞味してみたい.フィレがヒレに変わったことを発見した「魚のヒレ」も意味深な展開が楽しめた.

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2022/08/31

肉を描いた小説って面白そう!とこの本を手にとった。 やっぱり面白かった。 私にとって肉って美味しいご馳走だけど、そうじゃない人もいるところが新たな視点だった。 不味そうに食べる描写も、何だか食べてみたくなるのが面白い。 豚足、食べたことないから食べたいな。 『アメリカ人の王様』と...

肉を描いた小説って面白そう!とこの本を手にとった。 やっぱり面白かった。 私にとって肉って美味しいご馳走だけど、そうじゃない人もいるところが新たな視点だった。 不味そうに食べる描写も、何だか食べてみたくなるのが面白い。 豚足、食べたことないから食べたいな。 『アメリカ人の王様』と『肩の荷(+9)』と『魚のヒレ』が特に好き。 『アメリカ人の王様』は、お肉の味は変わらないのに主人公の意識は変わっていくのが面白い。 『肩の荷(+9)』は途中苦しくて読むのに躊躇する場面もあったけれど、読み進めていったらラストは気持ち良かった。 『魚のヒレ』は青春の甘酸っぱさが好み。 彼の必死さに対応するエピソードの強さが面白かった。 豚肉食べたい!となる作品でした。 そして食べたあかつきには読み返したいです!

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2022/07/19

肉の部位と人生の瞬間。 本来交わるはずのないものが交わってしまった。 ニッチすぎるけど面白い発想だなあ。 美味しそうな豚肉料理とちょっと情けない人たちに焦点を当てた短篇集。 話によっては恐いものや笑えるもの、泣きそうになるものもある。 その中でも「ほんの一部」は、いろんな意味で“...

肉の部位と人生の瞬間。 本来交わるはずのないものが交わってしまった。 ニッチすぎるけど面白い発想だなあ。 美味しそうな豚肉料理とちょっと情けない人たちに焦点を当てた短篇集。 話によっては恐いものや笑えるもの、泣きそうになるものもある。 その中でも「ほんの一部」は、いろんな意味で“肉”小説にふさわしい。

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2022/07/10

豚肉の部位をモチーフにした短編集。 すべて男性(男児含む)が主人公だ。 印象にのこった話をいくつか。 「武闘派の爪先」 なんかこわい話。世にも奇妙な物語の、ホラー要素強めのやつみたいな。 美味しそうな料理が出てくるのを期待してたのにそうじゃないし、可愛い豚の絵の表紙と全然合って...

豚肉の部位をモチーフにした短編集。 すべて男性(男児含む)が主人公だ。 印象にのこった話をいくつか。 「武闘派の爪先」 なんかこわい話。世にも奇妙な物語の、ホラー要素強めのやつみたいな。 美味しそうな料理が出てくるのを期待してたのにそうじゃないし、可愛い豚の絵の表紙と全然合ってないじゃないか、こういうこわい系の話が続くなら嫌だなぁ…と思った。 結果、こわい不気味はこの話だけだった。ほっ…。 「君の好きなバラ」 豚の角煮が美味しそうだったー。 一番、食べ物描写がたまらん話。 豚の角煮丼食べたい。 そんで、中学生男子にそこまで「お母さん」として妄想されて憧れられるおばさんってどんなだ?笑 私がパッと思いついたのは、西田尚美かなぁ。原田知世や石田ゆり子も綺麗で可愛らしいけど、彼女たちからは「この人が自分のお母さんだったら…妄想」は湧き立たないだろうな〜。 「肩の荷(+9)」 40代後半って、こんなふうに噛みきれない、硬いもの食べられないってなるのかなぁ。 今30代後半の私。あと10年くらいで食べる楽しみを感じられなくなるなんて、嫌だー! そして、老いについても、他人事とは思えないほどリアルな描写。 見た目を売りにして生きてないけど、自分の老いに向き合うって、結構つらいことなんだろうな、と思った。

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2022/07/08

表紙がかわいいし、グルメ小説が好きなので読んでみた。坂木司さんの本はあまり読んだことがないので、ドキドキしながら読んだ。 表紙の可愛さからは想像しなかった鳥肌がたつようなシーンもあったけど、独特でおもしろかった。

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2022/05/31

さらっと、人の心情を表現できるのすごい。 違和感なく入り込んでくる。 「君の好きなバラ」の男子中学生の視点がすごく可愛かった

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2021/12/17

肉にまつわる短編6作 ・武闘派の爪先 ・アメリカの王様 ・君の好きなバラ ・肩の荷(+9) ・魚のヒレ ・ほんの一部 ・あとがき 会社の人間関係や、これから家族になろうとしている親子関係、40代の悲哀など、肉にまつわる話から、人間模様を描く。 先に鶏小説を読んでしまいまし...

肉にまつわる短編6作 ・武闘派の爪先 ・アメリカの王様 ・君の好きなバラ ・肩の荷(+9) ・魚のヒレ ・ほんの一部 ・あとがき 会社の人間関係や、これから家族になろうとしている親子関係、40代の悲哀など、肉にまつわる話から、人間模様を描く。 先に鶏小説を読んでしまいましたが、こちらも秀作。

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2021/11/12

「武闘派の爪先」、「君の好きなバラ」、「肩の荷(+9)」、「魚のヒレ」、「ほんの一部」の5編。個人的には「君の好きなバラ」と「魚のヒレ」が好きかな。出てくる料理は、基本的においしく描かれていない。でも、その味覚が印象に残るようなよくマッチしたストーリーで、ある意味よい定食になって...

「武闘派の爪先」、「君の好きなバラ」、「肩の荷(+9)」、「魚のヒレ」、「ほんの一部」の5編。個人的には「君の好きなバラ」と「魚のヒレ」が好きかな。出てくる料理は、基本的においしく描かれていない。でも、その味覚が印象に残るようなよくマッチしたストーリーで、ある意味よい定食になっていると思った。

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2021/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読むより先に「鶏肉小説集」を読んでいたので、そして鶏肉小説集は個人的にとても爽やかな印象だったので、この本の最初のお話「武戦派の爪先」を読んだとき後味悪くてビックリした。 あれ!?!?あれ!?!?これなんか思ってたんと違うぞ!?!?!ってパニックになった。 でも「アメリカ人の王様」が明るくてとても楽しくて笑いながら読んだので、これこれ~~!!すごく好き~~!! と思ってからの「君の好きなバラ」でまたずーーーーんってなった。思春期の描写うますぎやろ。つらいんですが。でもめちゃくちゃリアル。つらい。 一番好きなのが「ほんの一部」かな。 「そんな露出の多い服着てるから男に狙われるんだ」と思う身勝手な気持ち悪さを小学生が持ってるのはすごく嫌だったけど、なんというか、その価値観を変える作業は本当に大変なことだと思うので。男を悪者にしないといけないからね。人のせいにできないのはツラいよね。でも彼にはその価値観を少しずつでもいいから変えていってほしい。 偏食小学生というのがすごく良かったな。ここでも思春期つら!!!しんど!!!!という描写は多々出てくるのだけど、でも好きな部分が多くて~~~!!! 太股を舐めるときの産毛の描写も好き…これは気持ち悪さと表裏一体なのかもしれませんが…すごく好き… そして彼女の血が自分の中に入ることで、「僕の身体のほんの一部は、あいつでできている。」というラストの一文!!!!!くそう!!!!!好き!!!!! なんかこう、後味の悪さが目立つものも多かったけど、やはり文章の書き方が好きだな~~~!!と思った。 完全に好みになるけど、鶏肉の方はオムニバス形式になってておもしろさ倍増って感じだったから好きなのは鶏肉の方だな。でも私は味としては豚肉が一番好きです。食べ物の話はほんとおもしろいな~~~!!!!

Posted byブクログ